2004年09月16日
「ネットの未来」探検ガイド―時間と言葉の壁を超える
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著者の歌田明弘氏は「ユリイカ」編集長。「インターネットは未来を変えるか?―現代社会を読み解く」「インターネットは未来を変えるか?―科学技術を読み解く」「本の未来はどうなるか―新しい記憶技術の時代へ」など「○○の未来」がこの人の最近の執筆テーマのようだ。
この本は2004年1月出版なので、その時期での最先端を解説したサイト。
・知っていると役立つツールやサイトを紹介すること
・先端技術やサービスに驚くこと
がこの本のねらいだと書かれている。長い解説がついた百式みたいな本である。
具体的には、
・InternetArchive
http://www.webarchive.org/
過去のWebサイトを網羅的に保存したデータベース。URLを打ち込めば、過去の日付のサイトが閲覧できる。インターネットのタイムマシン。
・Alexa
http://www.alexa.com/
類似したサイトを検索したり、ページの人気度を調べたりが可能な検索エンジン。
・SETI@HOME
http://setiathome.ssl.berkeley.edu/
P2P分散コンピューティングであなたのマシンで宇宙からくる信号を解析し、宇宙人のメッセージをみつけようプロジェクト。
・GoogleLabs
http://labs.google.com/
Googleの実験上。ネットの最先端を垣間見ることのできる場所。
のような、ネットの技術の可能性を感じさせる先端的サイトが、呆れるほどたくさん紹介される。専門家の平易な解説で見所がわかる、インターネット観光ツアーの趣き。
百式やスラッシュドットなどを熟読しているネットウォッチャーにとっては、知っているサイトも多いはずだが、情報の抜けをチェックするという意味でも楽しめる本である。サイトの背景説明や位置づけが説明されるのも勉強になる。
こういう先端を紹介する本は難しいなあと読みながら思った。この本で紹介されたいくつかの実験的サイトは、既にネット上から姿を消していたり、ブログのようにすっかりメジャーになって新規性が感じられなくなったものもあるからだ。この本の賞味期限はあと1年くらいだろうか。出版から9ヶ月経過した今は食べ頃。日本の状況がいい感じに追いついていて、この本に書かれていることがわかりやすくなったと思う。
歌田氏が感じている可能性を知りたくて読んだが、それはこの本の目次に端的に整理されているようだ。要約すると、
・グーグルをはじめとする「検索技術」
・ウェブログやニュースサイト、「メディアの可能性」
・ネットアーカイブなど「時間を超える技術」
・機械翻訳、「言葉を超える技術」
・P2P、「人と人の間を超える技術」
ふむふむ、やはり、ここらへんが可能性なのだなあ。
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Posted by daiya at 2004年09月16日 23:59 | TrackBack