2004年02月22日
OvalLinkというコミュニティ、パネルに参加して
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土曜日にOvalLinkのパネルディスカッション『コミュニティとメディアの可能性 』にパネリストとして参加しました。OvalLinkは日経BP社が2002年12月に閉鎖した有料会員制Webサイト「ブロードバンドビジネス・ラボ」のメンバーが、止めてしまうのはもったいないと考えて、有志運営に切り替えたビジネスコミュニティ、だそうです。
「だ、そうです」、と書いたのは私も、今回のイベントに誘われるまで、その存在を知らなかったからです。熱狂の懇親会まで参加してみての直感的感想は、「最先端のシーラカンスを発見してしまったエウレカ!」です。この表現は、古くて新しくて、とてつもなく貴重なものという意味です。
このコミュニティは、このイベント内でさえ、ハンドル名で呼び合う文化なので、誰が所属しているか明かしてはいけないと思ったので、書けませんが、とにかく顔ぶれ豪華で先端的な人たちの集団でした。リアルでは要職にある方、著名な方も多く参加されていて、名刺交換や紹介を受けるたびに、驚きの連続でした。
大学教授、大手企業や組織の要職者、大手メディアの責任者といった中心の人も、ベンチャー経営者、アクティビスト、芸術家、私のような個人の表現者といった周縁の人も、「先端という周縁」に集まって、フラットに刺激しあうコミュニティになっていました。
オフのイベントが祝祭として機能していました。リアル世界の仮面を外して、ハメを外して真剣に議論したり、騒いだり。運営者の方々には違うぞと言われてしまうかもしれないのですが、直感的にはパソコン通信の古き良き時代を思い出しました。
インターネットの前の世代にパソコン通信がオンラインコミュニティの主役であった頃にも、こうした「中心と周縁が先端で結婚する」コミュニティってあったと思います。ですが、近頃のコミュニティは、オンラインという場の先端性が希薄化したせいで、中心と周縁が分離して、リアルな世界の群れ具合やヒエラルキーを反映したものが多くなってきたと感じます。
OvalLinkはそういった意味で、シーラカンスだと思った次第です。でも、このシーラカンス、懐古趣味の集団というわけでは決してないようです。コミュニティの新しい価値を作り出そうと、運営者はさまざまな取り組みと発想に取り組まれていることが、イベント参加で分かりました。
当日のパネルディスカッションでは、司会の水島助教授より、以下のような説明がありました。対談相手は、日本のサイバー文化のエッジを牽引してきた界面的メディアのInterCommunications編集長の大和田氏、テレビ局の地上波責任者の古川氏でした。共にメディアの顔から一段降りて個人の立場で、お話をしてくださいました。
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テーマ2 コミュニティーと組織、マネジメント、マーケティング(15分)
オンライン文化に公私ともに長く関わっていると、「コミュニティ」という言葉で、すぐ“オンライン・コミュニティ”をイメージしがちですが、言うまでもなくこの言葉は人間の共同性(態/体)そのものを表すものとして、かなり多義的に用いられています。
ここでは、経済システム・社会システムとしての「コミュニティ」の位置について、考えてみることにしましょう。「コミュニティ」とは、どこまで“自生的”であり、どこまで操作的、すなわち“利用可能”なものなのか――マーケティング的な活用を意図して「コミュニティ」を仕込むことは、果たしてどの程度可能なことなのででしょうか。
翻って考えれば、20世紀の「メディア」は、かなりのレベルで操作可能なものとして、設計されてきました。この観点から「コミュニティ」と「メディア」が交差する点を見つけ出すこともできるのではないでしょうか?
Keyword:ナレッジと知識、データベース、共生(共創)、アソシエーション
規範、秩序、操作、バイラル、・・・・
口火を切っていただく方:橋本さん
ある意味で、「アクセス向上委員会」から「データセクション」・・・「セマ
ンティックWeb」に至る橋本さんの“歩み”はまさしくこのフィールドの可能性を追求されてきたものと読み替えることができるのではないか・・と思います。ちょっと「自分史的」に“見えてきたもの”を語っていただけないでしょうか?
(約8分:この部分は、ある程度話される「ネタ」などをご準備ください)
古川さんには、広告をとることによって成立している「放送」というビジネスモデルとの対比、大和田さんには、社会インフラとしての通信事業と「情報流通」の関係を踏まえて、「コミュニケーション」と「ビジネス」の関係について、絡んでいただければと思っています。
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この台本に対して、キーワードだけ準備してお話させていただきました。自分史という切り口を重視しました。超要約。
・背伸びのマイメディア
個人のホームページは「背伸びのマイメディア」であると思います。その背伸びによって社会と接点とインタラクションを持つことで、自分も成長しながら、ある段階からは、ビジネスとも関わっていけるという実体験をお話させていただきました。
・先端という周縁
オンライン言説空間において、マスメディア(中心)に対してのマイメディア(周縁)の関係は、優劣があるわけではなく、並列するものであると思います。周縁の役割は、中心に異議を唱えたり、中心の論理をずらしていくことにありそうです。中心と周縁の相互依存によって新しい価値が生じて、そこがビジネスになったりするなあと自分の経験や思いをお話させていただきました。
・ソーシャルネットワーキングメディア
最近話題のOrkutなどソーシャルネットワーク上にメディアを作ることで、個人の表現がもっとビジネスに近づく可能性があると思っています。
あ、これじゃあ要約すぎてなんだか分かりませんか。。。
というわけで、OvalLink、私は年会費を払って入会することにしました。まだ会員ではないので自信をもってオススメすることができなくて残念ですが、最先端の知的コミュニティを探してインターネットをさまよっている方、近頃たいしたメーリングリストや掲示板が見つからないんだよね、という方、このコミュニティが答えになるような気がしています。
ご一緒に入会しませんか?
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Posted by daiya at 2004年02月22日 23:59 | TrackBack
実は私、ブロードバンドビジネスラボに入会していて、MLとかでも発言をしたり...このOvalLinkという試みも知っていながら、仕事のどたばたと、まさにご指摘の「古き良き」的な乗りについて行けなかったこともあり、何となく参加を見合わせていたのでした。
橋本さんの「ご一緒に入会しませんか?」にぐらっときています。さぁどうしよう...怖いもの見たさ;)
当日、名刺交換させていただきた佐藤です。
私も友人の紹介でこのセミナーに初めて参加したのですが、
実はセミナーのチラシからして非常に解り辛く、
彼らが何を求めてどっちの方向に向かっていくのか
探りながらの4時間でしたが、橋本さんのお話だけは心にすんなりと
入ってきていて、その橋本さんがこのセミナーにどのように
関わっているのか、またどのように感じていたのか
とっても気になっていたので、このブログを読んで
すっきりしました。
私も同じような感想を持った一人ですが、ただ違ったのは
入会はしませんでした。。。