2004年02月03日
ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか
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ちょっとベタだけれども良い本でした。今日はかなり純粋に書評。
■私のビジョン???
前の日曜日。妻が販売員を家に呼んだ。販売員は妻より幾つか年上の知的で上品な主婦。それなりの値段のする子供向け英語教材のプレゼンテーション。実物を見せながら物腰柔らかに、彼女の家での実体験を話してくれる。とても自然な会話のやりとりの中で進められるデモ。この人は売り込まずに売るプロだなと密かに関心する。教材も、確かに面白い内容なのだが...。
私の息子はまだ生後半年なので、まだ必要ないのではないか、と妻に素直に意見をする。すると「父親として子育てのビジョンって何?、どういう子供に育てたい?」と聞かれる。「ビジョン」か。そういえば...。
その2週間くらい前、営業の帰りに、大学のカフェに寄って、長話。尊敬する大先輩に経営と人生相談に乗ってもらう。そこでも「キャリアやビジョンをそろそろ考えた方がいいぞ」とアドバイスされたことを思い出す。その通りだなと感じたばかりだった。
仕事を始めてからの自分を振り返ると、興味の赴くままに、やりたいことをやってきた。ライター、Webプロデュース、ディレクター、コンサルタント、リサーチャ、会社経営。たまに失敗はあっても、達成感はあったし、今の仕事も楽しい。
でも、漠然とこれまでのやり方のまずさも分かってきた。やりたいことをやる、では、手を広げすぎて、将来のビジョンへ収束していかないのだ。目の前のことに夢中になる自分の性格は、木を見て森を見ず、なことになる失敗も多い。
自分にビジョンがないわけではない。明文化して一晩でも語れるビジョンはあるつもりだった。でも、二人に指摘されると、私のビジョン、まだ何か足りないのではないかと思った。
そこへ、この本。
■ビジョンを作りたい人向けの本
会社の経営ビジョンといえば、「ビジョナリーカンパニー」が有名だ。昔読んで感動した。
・ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822740315/daiya0b-22/
「時代を超え際立った存在であり続ける企業18社を選び出し、設立以来現在に至る歴史全体を徹底的に調査、ライバル企業と比較検討し、永続の源泉を「基本理念」にあると解き明かす。」
100年以上繁栄を続けるような成功企業を、徹底的に歴史分析して、帰納的に、企業のあるべきビジョンを浮き彫りにしていく。経営を科学した名著であるが、「ビジョナリーカンパニー」は飽くまで過去の分析中心であって、ビジョンとは何か、どうビジョンを作り、共有し、実現して行くべきかの実践部分は、私には具体イメージが湧かなかった。
「ザ・ビジョン」は経営や家庭におけるビジョンがテーマの小説である。概要はアマゾンの書評を借りると以下のような概要。
「
離婚した専業主婦のエリーは保険会社の経理の仕事につく。その会社では毎朝、ジムという人物からeメールが入っていて…。真のビジョンに不可欠な要素と、それを組織に根づかせるためにすべきことを説くビジネス・ストーリー。
」
著者ケン・ブランチャードは、ベストセラー「一分間マネージャー」を含む30冊を出版し、世界で合計1300万部を記録。読みやすい文章と明解な論理で、ビジョンの要素、役割、立て方、共有し実現する方法論が、エリーとジムの会話を通じて明らかにされていく。
軽くて読みやすく、考えをまとめるきっかけになった。この本を読んだからといって、即ビジョナリー、名経営者になれるわけではないのだけれど、ビジョン作成時に必要な知識のまとめとして価値があるなと思った。なぜ自分のビジョンがうまく機能しないのかも分かった。
会社やプロジェクトのビジョン、ミッションステートメントを作ろうとしている人に特におすすめ。これで額縁に収まって終わりの美辞麗句のビジョンは書かずに済む、と思う。
・KenBlanchard.com
http://kenblanchard.com/
著者のオフィシャルサイト
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Posted by daiya at 2004年02月03日 23:59
橋本大也さん、はじめまして。
突然ですが、トラックバックをさせていただきました。