2003年11月18日
最強の戦略は「図」で立てる
スポンサード リンク
・最強の戦略は「図」で立てる!―アイデアを一気に実現に近づける、図解発想の技術 PHPビジネス選書
90年代にパワーポイントがビジネスプレゼンのシーンを席巻して以来、企画書や報告書は紙芝居で行われることが多くなった。概念図、関係図やフローチャートを順番に見ていくのは、分かりやすいときもあるが、「動き」や「流れ」、「重要度」をきちんと表現するにはノウハウが必要だ。箇条書きの方がまだ理解できそうな、内容がさっぱり分からないビジュアル資料も多い。
よく考えると私たちは学校で図解の授業ってなかったと思う。絵を描くことや、図形の授業はあったが、世の中の仕組みを図にするやり方は、会社に入ってパワーポイントで初めて試すケースが多いのではないだろうか。
この本は汎用的な図解の本ではなく、一般的なビジネスの流れを図解することに特化している点が参考になる。著者は方法論として、「ダイヤグラム表現法」を提唱している。
1 図形と矢印の組み合わせから、あらかじめ決まったフォーマットを用いる
2 企画の流れをあらかじめ決めておくこと
のふたつが作成方針で、図解の方法論として並列、帰納、展開、マトリクスという4つの技法を紹介している。フォーマットとして用意されているのは次のラインナップ。テンプレートを埋めて行くだけでそれなりに見えるのが楽しくもある。
分析:
市場分析、競争分析、顧客分析、選択基準分析
戦略:
競争戦略、新価値創造戦略、価値カテゴリナンバー1戦略、ブランド戦略、創造的模倣戦略
価値設計:
手段目的連鎖モデル法、未来的差別化法、気づき法、レトリック体系法
ターゲッティング:
ターゲッティング、ボリューム分析、プロファイル分析、購買行動分析
タイミング戦略
中期、通年、キャンペーン
情報戦略:
媒体戦略、PR戦略、SP戦略、表現戦略
評価:★★☆☆☆
この本には図解実例が巻末にまとめられているのだが、これではパワーポイントで入力して作り直さないといけない。非常に手間だなあと思っていたら同じ著者が、上記の本とほぼ同じ内容のテンプレートを次の本でCDROMに収録している。ふたつ合わせると即戦力になる。この著者のテンプレートは他の本と違って色が白黒などシンプルで改造しやすいのが良い。
・明日の会議で使える企画書―パソコンでの企画書作りが驚くほど楽になる!! 宝島MOOK
http://tkj.jp/pub/books/business/4796633650.html
・著者の村山氏のサイト(企画のページに日々の実例、講義の模範解答例がある)
http://www5e.biglobe.ne.jp/~muraryo/
というわけで上の2冊の組み合わせはこの半年くらいで実務にもだいぶ使わせてもらったのでそろそろネタばらしでした。
パワーポイントを鮮やかに使いこなす友人がいるので最後に紹介。何度か一緒に仕事をさせてもらったけれど、佐々木さんの絶好調のときの企画資料はほとんど神業である。パワーポイントで作ったように見えない。やはり極めた人はツールを感じさせないのだなあと感心してしまう。その域にまでたどりつきたいけど、そうそう、できないことなので、やはりテンプレートは便利なのである。
・達人、佐々木博のプレゼンマン(BB-WAVE.com)
http://bb-wave.biglobe.ne.jp/prezenman/
・第一回(こちらがパワーポイントの話)
http://bb-wave.biglobe.ne.jp/prezenman1/index.html
第1回のプレゼンマンが主にパワーポイントのノウハウ紹介。2回目以降は他のツールや考え方の回。佐々木さんはNHK趣味悠々ホームページは難しくないの司会者として日本で一番有名なホームページの先生として活躍されている。
・佐々木氏のBlogサイトもおしゃれ。
http://www.soan.jp/
スポンサード リンク
Posted by daiya at 2003年11月18日 23:59 | TrackBack