2003年11月01日

企業Webサイトの偏差値と金額換算ランキングこのエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加


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大人になっても偏差値が分かりやすいという発想なのか、Webサイトの偏差値ランキングが発表された。調べたのは日興アイアール社。

・日興アイアール
http://www.nikkoir.co.jp/

本当にこれが日本の企業のWebのランキングとして正しいのか、評価基準については外野からあれこれ批評するのは簡単だが、正解などない話だろう。基準を明示して実際に調べたこの調査は何らかの意義があると思う。ソースを見に行けば各サイトの「分かりやすさ」「使いやすさ」「情報の多さ」の指標もある。業界ごとのベスト3も発表されている。

総合ランキング結果は以下のとおり。発表そのままを引用掲載しても面白みがないので独自GoogleのPageRank、Alexaのランキングを調べて表にしてみた。(独自調査部分は10月31日時点のデータ)。またURLも追加した。各サイトを実際に表示してみると、Web制作、マーケティングの参考になりそうである。やはりPageRankは5以上で高いサイトばかりだ。Alexaの結果からは自動車や家電など一般消費者向けの商品、サービスを扱うメーカーはトラフィックが多くなるように見える。

注1:GoogleのPageRankはリンク数等からWeb全体に対する重要性を表す指標。高いほど重要。
注2:Alexaのランキングはトラフィック量をおおざっぱに表す指標。小さいほど高い順位。

順位 企業名 総合点 分かりやすさ 使いやすさ 情報の多さ PageRank Alexaランク
1 日本電信電話(株) 82 76 79 91 6 4185
2 オムロン(株) 80 69 85 87 4 19593
3 日本ゼオン(株) 76 76 79 74 5 246481
3 松下電器産業(株) 76 69 85 76 7 1892
3 ホンダ 76 76 79 74 7 1667
3 伊藤忠商事(株) 76 69 85 76 6 38491
7 三井造船(株) 75 69 79 78 5 108207
7 (株)リコー 75 69 74 82 7 7609
7 (株)日本航空システム 75 76 74 76 6 63241
7 東京ガス(株) 75 61 85 80 7 30859
       (出典:日興アイアール調べ(PageRank、Alexaの値は橋本))。

この調査結果で注目すべきは、「「分かりやすさ」「使いやすさ」「情報の多さ」株式時価総額の大きさに比例して平均ポイントが高くなっている」という分析である。確かに1位のNTT持ち株会社のPDFのIR情報は見やすい。WebだけでなくPDFコンテンツのデザインにも気を使っている。おまけに「PDFファイルがダウンロードできない方には Annual Report 2003 をご郵送いたします」ということでITに詳しくない層にも親切。

・NTTアニュアルレポート
http://www.ntt.co.jp/ir/report3.html

この調査主体の日興アイアールはIR支援企業なので、この結論には、若干データの科学性にバイアスはあるかもしれないが。

日本ブランド戦略という会社は「Webサイト価値ランキング」を発表している。こちらはWebサイトの価値をなんと金額に換算している。1位はトヨタ自動車で、そのWebサイト価値は972億円と算出されている。リストを見ると、日興アイアールのランキングにも出ている企業が多い。

・Webサイト価値ランキング
http://japanbrand.jp/WE/50024/2.html
・調査手法の説明
http://japanbrand.jp/category.html?id=20001

Webを企業がどう活用していくか、議論はいろいろあるが、本業と直結しない試みや、にわかECビジネス、にわかユーザビリティを唱えても結果はでにくい。このふたつのランキングに出てくる企業は、Webによって実際に利益や時価総額を増やしたり、ブランドなどの無形資産価値を高めている企業ということになる。その戦略は研究の余地がありそうだ。


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Posted by daiya at 2003年11月01日 23:59 このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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