2003年10月09日
考具―考えるための道具、持っていますか?
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考えるための脳内ノウハウ=「考具」を紹介した本。著者は博報堂コーポレートコミュニケーション局の企画マン。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
(「アイデアのつくり方」ジェームズ・ウェブ・ヤング著)
日常にあるものの中から、仕事の種を発見することの大切さを教えられる。どうやったら当たり前の毎日から、ひらめきを導き出すことができるだろうか。この本で考具として紹介されるのは、たとえば、こんなノウハウだ。
「カラーバス」
朝起きたら、今日のカラーを決める。通勤から仕事中、昼食の店や取引先などあらゆるシーンで、その色の物を探して見る。写真を撮影して並べてみる。
「マンダラート」
正方形を8つの升目に区切って、中央にテーマとなるものを書く。周囲のマスに連想されるものを埋めていく。次は周囲のマスに入れたものを中心にして別の正方形を埋めていく。
どれも、簡単で、その気になれば誰でもできるノウハウばかり。著者曰く発想を広げるには、自己にかかる「ちょっとした強制力」がポイントになると述べている。カラーバスで言えばそれは「その色のものをみつけないといけない」であるし、マンダラートなら「残りのマスを埋めなければいけない」ということだ。
私も先輩に以前教わったことがある。それは、「会議のときにホワイトボードに箇条書きしながら、アイデア出しをするときには、最初に箇条冒頭の「・」や連番を2,3個書いておけ。その方がアイデアが出やすいから」というノウハウだった。実際、この方法も「先に作ってしまった枠を埋めないと形がつかない」という強制力を活かしている。
オンラインでユーザ投稿の記事によって、世界最大の百科事典を作ろうとする試みであるWikipediaは、項目ページだけが先にあって定義がかかれていない空白ページをユーザが書いていく。何かの定義をしようとすると、別の項目の定義を参照せざるを得ないから、自然と別の空のページにも定義を埋めたくなってしまう。
・Wikipedia日本語版
http://ja.wikipedia.org/
情報系の言葉を使えば、空白や間(マ)にはそれを埋めさせようとする「アフォーダンス」があるってことになるのかな。ビジネスのチームでも、基本はデキル人なんだけど、どこか抜けた人って言うのがいて、周囲がその空白を補い、全体としてはデキル人ひとりで全部やってしまうよりも、うまく行っているケースってよく見る気がする。
埋めなくてはいけないマスを自然に発生させる考具、この本にはほかにもたくさん紹介されている。企画系の仕事が多い私には、参考になる。
(そしてこのBlogも毎日更新しているのは左上のカレンダーの日付リンクを毎日埋めたいからという、ちょっとした強制力のおかげだったりもする)。
評価:★★☆☆☆
(ちなみにこのBlogの本の評価は平均が2点になるよう意識しています。詳細)
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Posted by daiya at 2003年10月09日 23:36