2003年09月22日
会議が絶対うまくいく法
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最近こんな本を読んで、気になる情報があったのでメモに残していた。
会議の運営方法についてのベストセラー本であるが、こんな一節がある。
『
社会心理学者のジェイ・ホールが行った実験に「月で遭難したら」というものがある。彼はさまざまな状況下でグループはどのような決断を下すのかを研究して、「グループが協力して導き出す結論は、各人が考える方法の平均値を上回る。もっとも優れた個別のアイデアと比べても、はるかに優れた結果になることが多い」(PsycologyToday1971年11月号51ページ)と結論づけた。
』
この実験は、「宇宙船が月に緊急着陸し、320キロ向こうにある母船まで月面を移動しなければならない、船内にあるもの(酸素ボンベ、ロープ、水、コンパスなど多数)のうち、何を持っていくべきかを優先順位つきで選べ」という問題を被験者に一人で、そしてチームで考えさせ、NASAの正解と、単独時及びチーム時の回答の差を正しさとして計算する、というものであった。
つまり、一人で考えるより、皆で考えた方が良いアイデアがでる、という実験結果が示されたわけだ。つまり「三人寄れば文殊の知恵」を実験が証明したことになる。
マウスやハイパーテキストを発明したダグラス・エンゲルバート博士は、近年、「Bootstrap Alliance」という知識コミュニティによる知の相乗効果を研究している。彼流に「三人寄れば文殊の知恵」を表現すると「CollectiveIQ」という言葉になるらしい。ネットでデータを集めることはできるようになった。次は、各自が集めたデータを、「集合知」として企業組織や個人が、情報に、知識に、そして知恵に変えていくかが重要な問題だ。Bootstrap Allianceのサイトには博士の知見の詰まったペーパーが多数公開されている。
・【INTERVIEW】マウスの誕生から30年、ダグラス・エンゲルバート博士に聞く
http://ascii24.com/news/i/keyp/article/1998/12/08/614412-000.html
・ダグラスエンゲルバートのBootstrap Alliance
http://www.bootstrap.org/
今日の私のコラムは、日経先端技術情報センターへの寄稿記事を途中から改編したものです。オリジナルのフル記事に関心のある方はこちらへどうぞ。
・第1回■ひとりで考える、皆で考える、どちらが有益な結果が出る?
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20030805-01.htm
・第2回■成功する会議の条件
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20030812-02.htm
・第3回■オンライン会議ツールとコラボレーション効果
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20030819-01.htm
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Posted by daiya at 2003年09月22日 07:35 | TrackBack