「ツイてる!ポッドキャスト新春2014」 4日目と岩波書店の「図書」
4日目は4人のブロガーが語る今年の抱負です。
■メンバー:
- Passion For The Future : 橋本大也さん
http://www.ringolab.com/note/daiya/
- 俺と百冊の成功本 : 聖幸さん
http://blog.zikokeihatu.com/
- みたいもん : いしたにまさきさん
http://mitaimon.cocolog-nifty.com/
- たつをの Changelog : たつを
http://chalow.net/
4日。実家でテレビがつまらないなー、眠いなーと思いながら本屋でもらった岩波の小冊子「図書」をめくってみて、瀬戸内寂聴の岩波書店での講演『これまでの100年、これからの100年』全文があまりに素晴らしすぎて完全覚醒モードに。
http://www.iwanami.co.jp/tosho/
これこそ日本人の完璧な講演だ。日常見て面白がっていたTEDのプレゼンが小賢しく感じた。あれはあれでいいものだけど。
「瀬戸内寂聴でございます。きょうは、こんな素晴らしい会にお招きを受けまして、大変光栄に存じます。
私はただいま満九十一歳です(拍手)。こんなに長く生きるとは思いもよりませんでした。でも九十一歳といいますと、もう今夜死んでも不思議じゃありません。
毎日毎日が私にとってはまさに死に支度ということです。ただいま雑誌『群像』に「死に支度」という題の小説を連載しています。いつまで連載するのですか、とお尋ねを受けますが、「死に支度」と決まったんだから「死ぬまで」と言ってあります(笑)。
そういうふうですから、本当に毎日毎日が「きょうが最後」と思うのです。ですから、こういう会にお招きいただいても、皆さんにお会いするのはこれが最後と思います。そう思ってまいりました。」
岩波の書籍との出会い、なぜ小説を書くのか、人生は恋と革命、文壇の思い出話、変わるもの変わらないものというテーマで講演進む。冒頭のつかみの引用からわかるように、聴衆を楽しませるサービス精神と品位が両立している。
そして瀬戸内寂聴はちゃんと話の中に自分の作家としての実績や美点、華麗な交友歴などをこっそり忍ばせている。現役バリバリ意識の人だ。でもそれが自慢に聞こえずまったく嫌らしさを感じない。いやむしろ愛嬌たっぷりで九十一歳が本当に可愛い。
そして聴衆、主催者、話に登場させる人たちへの気遣いが凄い。活字で読むとその意識の量が半端ではないと感じる。全ての人の株をあげて、結果として自分の株を高騰させる。彼女の話を聞きに来た聴衆はみんな「株主」だからもちろんありがたく思う。
日本人の一般向け、老若男女の心をつかむ講演とはかくあるべきだというお手本を見せてもらった気がする。ジョブズもオバマも超えている。ネットには掲載されていないみたいだが、講演、スピーチの上達法として、書店で無料配布のこの冊子がおすすめです。
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