野心のすすめ
林真理子の自伝的な人生論。高望みで人生は変わる?。
「人は自覚的に「上」を目指していないと、「たまたま」とか「のんびり」では、より充足感のある人生を生きていくことはできないのです。」「いま「低め安定」の人々がいくらなんでも多すぎるのではないでしょうか。」「一生ユニクロと松屋でオッケーじゃん」?。
林真理子という作家は、最初から華々しくマスメディアにデビューしたのかと思っていたが、そうでもないらしく「電気コタツで泣いたどん底時代」のことから始まっている。就職活動では40社以上から不採用通知をもらい、貧乏なアルバイト生活から社会人生活を開始。悶々とする中で、貯金14万円のうち12万円を投資して宣伝会議のコピーライター養成講座に通い、文才を見出される。
「どん底時代をどういう心持ちで耐え抜いたかというと、「いまに見てろよ」っていうような不屈の精神ではないんです。「おかしいなあ....私、こんなんじゃないはずなんだけど」という「???」の思いでした。」
有名になりたい!作家になりたい!という気持ちを大切にして、小さな成功体験をばねにアグレッシブに前進をし続けた。そして才能は開花した。時代の追い風もあって、林真理子は時代の寵児となって華々しい活躍をするようになる。
素直にいいなあと思った。共感した。これでうまくいく人生は幸福だ。
不況が長く続いたせいか、どうも世の中の人たちがおとなしくなって謙虚になって、「有名になりたい!作家になりたい!」という動機はダメ、「社長になりたい!政治家になりたい!金持ちになりたい!」という野心むき出しの人生は正しくない的な風潮になっているが、ではそうじゃないやり方でみんな幸福をつかめているかというとそうでもないわけで。
野心家タイプは野心むき出しで生きるのももちろんありだよと力強く押してくれる内容だった。
おそらくこういう生き方でうまくいく野心家タイプと言うのは、
「野心には飢餓感という副作用がありますから、野心など持たず、ヒリヒリするような気持ちを味わうこともない、低め安定のまま穏やかな日々を過ごせるほうがいいと考える人もいるでしょう。実際、私は心が穏やかな時があまりない人間です。ひとつ何かを手に入れると、もっと幸福になりたいから、必ずまた別の何かが欲しくなる。」
というメンタリティの人なのだろうな。
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