僕らの時代のライフデザイン 自分でつくる自由でしなやかな働き方・暮らし方
・僕らの時代のライフデザイン 自分でつくる自由でしなやかな働き方・暮らし方
これからはライフ(生活、人生)をデザインする強い意志を持つことが重要なのだと思う。これまでの一般的な日本人のマジョリティは、道から外れないこと、道を選ぶことをよしとしてきた。生き方は既存のコースから選ぶものだったと思う。だから、ライフコース("オフコース"という往年のバンド名もそういう「コースを外れる」ことなんだよね)という言葉はあっても、ライフデザインという言葉がなかった。
組織や常識にとらわれず自由な生き方をする人は、日本の社会では残念ながらまだまだ怪しくみられてしまう。生き生きとしているのはわかる。しかし、それで十分に稼げるのか、安定するのか、未来はあるのか?旧式にとらわれた人たちは疑問に思う。異なる価値体系にいる者同士で、反駁してもあんまり意味はないから、著者のような実践者たちが、「やって魅せる」しかないのだろう。この本は実践ライフデザイナーたちの生き方カタログになっている。
デザインするよりテンプレートを使った方が楽でコストが少ない。だからみんなレールの上を走れるように車輪の幅をあわせてきた。でも道なき道をあるいていくのもいいじゃないか。とりあえず飢えて死なない程度には国が豊かになったことだしと、この本を読んで思った。
ライフデザイナーたちは面白いことをしている人たちでもある。自由に生きている人がかっこいいのではなくて、何か生産的で有意義なことをやっている人がかっこいいのだ。フリーやノマドというのは、ただそれだけだと、社会的信用はないし、不安定で、今後もあんまり良いことがないのではないか。有意義なこと×フリーノマドなら生き方としてかっこいい。
尾崎豊は「自由になりたくないか?」と歌ったが、日本は当時も今も国際的にみて、自由がない社会かというと、そんな訳もない。基本的に自由はある。卒業も就職もしなくてもよいが、しなくちゃいけないんじゃないかという先入観にとらわれているだけである。近い将来、マジョリティとマイノリティの逆転の可能性というのがあるかもしれない。もともと終身雇用と年功序列の恩恵をフルに受けていた人の数というのは実はそれほど多いわけではなかったはずなのだし。
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