みずほ草紙
独創的な画風と世界観で熱狂的な支持者を持ちながら、あまりに鬼畜変態的なために、一般におすすめできる作品がひとつもなかった作家 花輪和一だが、ついにカタギの世界でも胸を張って?紹介できる作品がでた。いやまだ普通の読者には十分変態的ではあるかもしれないが。
題材は座敷童、オシラサマ、河童、天狗、山女、迷い家など日本の民話にでてくる妖怪や不思議な現象。しかし、それらは民俗学的な素材というよりも、作者のいつもの因果な妄想を展開するための素材として使われているに過ぎない。
舞台は昔の日本の寒村。主人公の少女たちの会話。
座敷童について
「もしかしたら、本当にいるかも...」
「人間の強欲でなってしまうんだろうか」
「ビシバシ来てる あれ...って何だと思う?」
「人から恨まれると来るアレじゃない?」
「えり首から落ち葉をいっぱい背中に入れられた、チクチクガサガサのあの感じ?」
「そんなのが村中から家にきてたら、子供は生きていけないね」
「うん、それでも生きたかったらざしきわらしになるしかないね」
アレというのが日本人的な世間に生きている感性ではなんとなくわかるような、しかしよくわからないような。本作品でもあいかららず人間の業の深さ、因果応報のカルマをこってりと描いている。
刑務所の前
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/11/post-859.html
・「失踪日記」 「刑務所の中」
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004916.html
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