CROSSED カッシアの物語2
3部作の第2作目。ディズニーが映画化するのでもうすぐ大きな話題になるはず。ヤングアダルト向けだが大人が読んでも十分に面白い。
未来の地球。完璧な医療と社会サービスが実現されている。市民は決められたルールに従っている限り、適当な伴侶を割り当てられ、決められた数の子供を産み育てて、ぴったり80歳まで平穏に生きられることが約束されている。完全予定調和の社会で、完璧な秩序を維持するため政府は逸脱者を許さない。
制度に縛られた理想社会を抜け出した少女カッシアは、政府ではなく自分自身が選んだ運命の人カイを追って、逸脱者たちが追いやられた辺境地域で働くシーンから始まる。前回は完璧な政府の監視下で静かな展開だったが、今回はその外側の無法地帯へ逃げて行ってからの話が多くて動的な展開。少しずつ世界の謎が解けていく。
このシリーズのテーマは自由の追求。アメリカの若者たちにこれが受けるというのが面白い。
自由の国でありながら、若者たちは閉塞感の中に生きているということなのか。そして体制からの逸脱と自由への逃走の動機となるのが男女の恋愛である。実は尾崎豊ワールドなのだ?BGMでI Love Youとか流れてきておかしくない気もしてくる。青い情熱のSFファンタジーなのだった。
・カッシアの物語
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/01/post-1586.html
"地球温暖化で一度滅びた人類は、同じ過ちを繰り返さないように、すべてをコンピュータと官僚機構が決定する完璧な管理社会をつくりあげている。人々は人生のすべてを決められた通りに生きる代わりに、予期せぬ不幸、病気や事故はなくなった。この世界では人は定められた日に生まれて、定められた相手と結婚し、定められた職業に就いて、やがて子を生み、そして80歳の誕生日に死んでいくのだ。あらゆる行動は監視され過度な自由意志と一切の私有は法律で禁じられている。"
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