gooラボ ネットの未来プロジェクト NTT R&Dフォーラム2013 ブロガーミーティング
今年もNTT R&Dフォーラムに参加してきた。
GOOラボの今回のワークショップのファシリテーターはなんと現代(サブ)カルチャー分析の天才 濱野智史氏。テーマは「ネット社会における生活空間の変容と未来」。
いきなり、就職も恋愛もない『漏れ落ちた人々』というキーワードが提示された。このネガティブにも響く言葉は、ここではいわゆる格差デバイドとは違った意識で扱われている。
濱野さんの連れて来た頭良さそうな「漏れ落ちた」アイドルオタクの若者たちとともに、NTTの先端技術でAKBのライブや握手会議をエンハンスするイメージを検討するところからセッション開始。
3D立体映像音響でAKBと話したり、生体信号センサーでAKBと総選挙のドキドキを心拍数で共有したり。。。莫大な研究開発投資が、アイドル萌え消費に収束するアイデアが連発。まあ、ソーシャルゲームもソーシャルネットワークも、ある意味、幸せに漏れ落ちる技術なのではないか。必要を満たす以上の発想が求められる。サービスデザインとしては面白い領域。
これまでのテクノロジーは人間の能力の拡張志向だと思う。できなかったことができるようになるとか、競争に勝つための技術を追求するリア充系技術だったと思う。しかしネット社会が成熟してくると、ネットに埋もれて案外幸せに完結して暮らす人たちが現れてきて、それがしっかりマーケットとして、カルチャーとして育ってきている。時の過ぎゆくままに、墜ちていくのも幸せだよと、本気で思ったり。
それでグローバルコンペティションは厳然としてあるわけだが、そこでは日本の下流は世界の中の上くらいの位置であるととらえることもでき、「漏れ落ちた」とはいったって、アフリカの飢餓に苦しむ難民とは違う。だったらオタクの楽しさに未来を見ても良いのじゃないか。その先に新しい社会や経済を夢見るのも、ひとつのあり方なのではないか、と。
便利、安心、使いやすいという否定できない共通項を追い求めても限界がきており、オタクの楽しさみたいなニッチに対して次々にサービスを打ち出すということも重要なのではないか。
漏れ落ちたがキーワードのこのワークショップは、同じ時間帯に行われているNTT社長の"バリューパートナー"がテーマの基調講演とは、たぶん逆のことをいっているのだろう。両面の真理を扱っているのが、このフォーラムの懐の深さというか、レベルの深さだと思う。カルチャーの側面からテクノロジーを探究したこのセッション、本当に面白かった。濱野さん天才。
セッションにはグラフィックファシリテーターのやまざきゆにこ氏が参加して、みんなの議論をリアルタイムに絵にしていった。発言内容がみるみるうちに大きな絵に描かれていく。とりとめもなく話しても明解なイラストで可視化される。この職人技は何度みても感動してしまう。で、絵にした人が一番がわかっていたということで、セッションの詳しい内容は、下記のブログエントリがおすすめ。
・市場を動かすアイドルヲタ(←!)のハート@gooラボイベント
http://www.graphic-facilitation.jp/cp-bin/blog/index.php?eid=226
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