江戸300藩 殿様のその後 [Kindle版]
・江戸300藩 殿様のその後 [Kindle版]
明治維新。大政奉還と廃藩置県により、各藩の大名たちは「お殿様」ではなくなった。明治、大正、昭和、そして平成と、元お殿様たちはどう生きたのか。末裔たちはいま何をしているのか。
著者は徳川宗家含めて幕末にあった約300の藩の最後の殿様たちのその後を調べまくった。ひとつの藩につき数行から数ページの記述であるが、かなり面白い。学校を設立したり、地場産業を興したり、元武士だから軍人として偉くなったり、さまざまな方面で活躍をしていた。
「本来、明治維新を革命とするならば、大名家は消滅すべき存在なのだが、そこが、明治維新の不思議な部分である。旧体制の代表的存在の大妙な抵抗勢力とはならず、むしろ近代日本の補佐的役割を果たしていく。」
皇室を支える、教育(学校設立など)、地方経済(地域産業振興)、政治、軍事(軍人として生きる)、文化の継承という6つの分野で、多くの元お殿様たちは活躍をした。「旧大名家は日本の近現代史形成の確かな一翼を担った存在だった」といえると著者は結論している。
徳川宗家や御三家などの大きな藩はそれなりに余裕があるのだが、1万石の小さな藩の殿様たちはかなり苦労した人たちも多かったみたいだ。サラリーマンとして、いろいろな会社で活躍した殿様が多い。
幕末の実態理解がすすむ本だ。
Kindleで読書。
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