映画『レ・ミゼラブル』
今年もいろいろ観たけれどこれが間違いなく最高の映画。
映画『レ・ミゼラブル』
http://www.lesmiserables-movie.jp/
映画館で涙というのは珍しくないのだけれど、胸が震えて止まらないという体験はめったにない。見終わった後で15年ぶりくらいにパンフレットを買ってしまった。十年に一本くらいの大傑作だと思う。正月休みぜひ見に行ってください。相当の大予算映画だが、そのカネは見事に活かしきっていると思った。
監督は生歌にこだわっている。ミュージカル映画だがクチパクではなく生の歌唱で撮影されている。序盤ではフォンテーヌ役のアン・ハサウェイの『夢破れて』の絶唱からまず引き込まれる。小説もミュージカルも有名だからストーリーはよく知られている。平凡に筋を追うだけじゃ見るものを感動させられない。アン・ハサウェイはこの歌のために自身の髪を切り、20日間で7キロ減量して瀕死のフォンテーヌの魂の歌を、役になりきってワンテイクで歌い切っている。いきなり圧倒的な存在感に驚かされたが、物語が進んでいくとその他の俳優も凄かった。ソロだけでなく、ジャン・バルジャンとジャベールの確執関係の掛け合い、三角関係の3人の男女の掛け合い、革命軍の合唱など、あらゆるパターンで聴きごたえたっぷりの歌を聴かせる。
私はアン・ハサウェイ、ジャベール、エポニーヌの演技が凄いと思った。
憎しみにとらわれていた男が、人の優しさに触れて、人を愛する喜びを知るまでの波乱万丈の人生。キリスト教色が結構強い内容だが、なんだかストレートに心洗われた。158分の大作だが、長い尺を活かしてより細やかに心理描写を、より多くの背景を描けていたのもよかった。
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