アンダー・ユア・ベッド
偏執的ストーカーの男が主人公のサスペンス。10年前、大学時代にたった一度だけお茶をしたことがある憧れの女性を思い出して、主人公の男は探偵事務所を使って居場所を調べる。彼女が結婚してある街で暮らしていることを知った男は、その家の近所に熱帯魚屋を開店して熱帯魚が好きなはずの彼女の来店を待つ。そして彼女と再会するがこれといった特徴のない男のことを彼女は忘れている。男は彼女の家に忍び込み、隠しマイクを仕掛ける。それだけでは我慢ができず侵入して夫婦の寝室のベッドの下に潜り込んで息をひそめていたりもする。
うわ、そこまでやるか、という偏執ストーカーなのだが、その侵入と盗聴によって、彼女の夫がひどい暴力夫で、妻を虐待していることが判明する。放っておけば彼女が殺されてしまうかもしれないが、ストーカーとしてはベッドの下から出てしまうわけにもいかない。妙な葛藤に苦しみながらも、一方的に愛する彼女を救う方法をストーカー男は考える。実は彼女もこの家に第三者が侵入している気配に気がついていて...。
この大石圭という作家は半分ホラー小説家で半分官能小説家という立ち位置の人で、その持ち味をうまく本作では活かしていて、サスペンスとエロスを絶妙にブレンドすることに成功している。ちょっと猟奇趣味、変態趣味入っているものの、娯楽小説として面白いと思った。
Kindleで読書。
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