忠臣蔵
全5巻で劇画忠臣蔵。これホントに素晴らしい。時代劇漫画が好きな人にイチオシ。
松の廊下で刃傷に及んだ主君が切腹、残された大石内蔵助筆頭の浪士たちが、敵討ちを見事に果たすという大筋は誰もが知るところだが、忠臣蔵には魅力的なサイドストーリーがたくさんある。47人全員とはいかないが、討ち入りにいたるまでの主要人物たちの個別のドラマを丁寧に描いている。その支流が合流して大義の奔流となっていく。厚みがものすごくある忠臣蔵である。歴史の解説もしっかりしている。
浅野内匠頭は少し短慮な人物として描かれている。吉良にも吉良なりの意地悪の理由があったという事情もちゃんと書かれている。松の廊下の刃傷の本当の理由はわかっていないわけだが、史実や史料をもとにして、かなり納得させる創作部分が見事。
12月14日は討ち入りの日。そして年末はテレビで忠臣蔵放映が続く。いまが旬。
というわけで先日、赤穂浪士の墓所、泉岳寺に初めて行った。
並ぶ47人の義士の墓。赤穂浪士たちの法名には切腹を意味する「刃」の字が使われているが、1人だけ使われていないのが寺坂吉右衛門。映画『最後の忠臣蔵』のモデルとなった。寺坂は討ち入り後に大石内蔵助から討ち入りの仔細を遺族に伝える密命を与えられ長く生きた。役目を終えて自首したら時効扱いで切腹に至らなかったのだという。泉岳寺には赤穂義士記念館もあり陣笠や連名書状など見たが、おまけ的な別館でズラッと並ぶ義士木像館がよかった。
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