とびだせ どうぶつの森
任天堂の岩田社長がWeb上で頭を下げて品薄を謝罪するに至ったほど爆発的な人気で売れまくっている とびだせ どうぶつの森。ゲームキューブ時代からあるゲームだが、いまなぜ3DS版が売れたのかを考えてみるに、やはりこれは今時のソーシャルゲームそっくりだから?じゃないかと私は考える。
どうぶつたちとの交わりを楽しみながら、村で平和に日々の生活を送ることを楽しむゲームだ。最初のうちはローンで家を建てて、魚釣りや木の実ひろいでお金を稼いで、借金を返し、家を大きくしていく。村長として"公共事業"に寄付して橋をかけたり、施設をつくってもいい。村が充実していくといろんなどうぶつが引っ越してくる。プレゼントを贈り合ったり、会話をして仲良くなっていく。
勝ち負けや目的はなにもない。淡々と日々の生活を送る。10年前だったら、どこが面白いのかまったくわからない人も多かったと思うが、携帯ソーシャルゲームが全盛の今だからこそ、このゲームの面白さを受け入れる人が増えているのではないだろうか。
私の周りのIT業界の30代、40代たちもこのゲームにかなり反応している。人気ウェブサービスをどうぶつの森に学べると感じている人もいる。繰り返し訪問させ、飽きさせない仕組み、つまりゲーミフィケーションの工夫がどうぶつの森にはいっぱい仕込まれているからだ。
さすらいの弾き語りのとたけけ、渡し船船頭のかっぺい、商人のたぬきちなど、シリーズのおなじみのキャラクターが再登場する。ゲーム内容は昔とそんなに変わらない。3DSというプラットフォームが毎日のプレイには遊びやすいわけで中毒性は高くなっている。
ひとつのゲームで4人までプレイできる。ひとつの村に村長がひとりと住民が3人を登録できる。恋人や家族とひとつのソフトで一緒に楽しめる。息子の小学校の情報によると、敢えて複数のソフトを購入して、複数の3DSで家族プレイしながら、一台に富を集約し、超高速で成長させるという技もあるらしい。
ローンで家を建てて借金を返す。株の相場で儲ける。労働条件のよい島へ毎日出稼ぎに行くなど、サラリーマン的悲哀も感じる内容なのだが、別に頑張らなくてもそこそこ楽しい。不況の空気に絶妙にマッチしたこともリバイバルブームの一因か。
・とびだせどうぶつの森 村のくらしをはじめようブック 2012年 12月号
攻略本はまだ発売されていないが、このムックのおまけの立派なスケジュール手帳が事実上の攻略本である。今後のイベントスケジュールや魚、虫、アイテムの価格表、どうぶつたちの誕生日一覧などデータブックがついてくる。
このムックは今のところ店頭では売り切れているが12月下旬に増刷されるそうだ。
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