レッド(6)
2009年に1,2,3巻を読んだ。連合赤軍や浅間山荘事件をモチーフにした過激な学生運動家たちの青春群像劇。このたび4,5,6巻をKindleで読んだ。
1,2,3ではまだ不穏な空気に過ぎなかった。ついにこの巻のあたりから、頭でっかちな若者たちが、机上の空論から、仲間同士を処刑して殺し合う殺人集団へと変わっていく。怖いものみたさでページをめくる。盛り上がってきた。やっぱり、この作品は名作になってきたと確信。
ホラー映画でいえば、出るぞ出るぞといってなかなか出なかったモンスターの登場まではとてもうまく描けている。後半でモンスターがその異様を全部丸出しにしたうえで、どう凶暴な牙をむくのか、読者を圧倒するか、7巻以降が大注目になった。
オフラインで政治的思想に生きるということができた最後の世代。アジトや山岳ベースに集団で籠って自分たちの信念を強化していくことができた。インターネットやケータイの時代ではここまで組織の思想は煮詰まらないと感じる。あるとしたら別の形のテロリズムだろう。
各話で死人ナンバリングと運命カウントダウンが緊張感を演出するのだが、単行本だとちょっと回数が多すぎて食傷気味かも。
・レッド 1969~1972
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/08/-19691972.html
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