2012年12月アーカイブ
2012年の記事で紹介した製品から、書籍以外でよく売れたものを紹介します。
【1位】自衛隊御用達の油性ペン STAEDTLER ルモカラーペン
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/staedtler.html
【2位】5千円で買える エステーの放射線測定器 エアカウンターS
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/05/s-1.html
【3位】Kindle Paperwhite 3G
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/kindle-paperwhite-3g.html
発売日に入手してずっと使っているKindle Paperwhite 3G。電子書籍の品ぞろえはまだまだ不満なレベルだが、読書環境としての使い勝手はとても満足している。もう手放せない。まずパッケージをあけて驚いたのが本当に何の設定もしないで自分の端末として使えるということ。初期設定で所有者である私の名前、Aamzonのアカウントが出るのだ。注文時に個人情報が紐づいているので当たり前と言えば当たり前だがちょっと感動した。Kindleサービスには、KindleStore含めてユーザーに対するサービス精神が各所にあってかなりよい印象を持っている。
【4位】Amazon.co.jp ロゴ版 アラーム クロック 目覚まし時計 オレンジ OC227E
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/12/amazoncojp.html
【5位】VAIO type Sのメモリを4ギガ→8ギガへ増設したらベンチマークはこう変化した BUFFALO ノートPC用増設メモリ PC3-10600(DDR3-1333) 4GB D3N1333-4G/E
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/04/vaio-type-s.html
・BUFFALO ノートPC用増設メモリ PC3-10600(DDR3-1333) 4GB D3N1333-4G/E
先日購入したVAIO type S(VPCSE29FJ/B)は標準では4ギガのメモリを積んでいる。1週間ほどそのまま使ったのち、さらに4ギガバイトを増設してみた。増設はドライバーで背面カバーを外して、とりつけるだけで簡単。
【6位】コンセプトデザイン専用の フィグラーレ コンセプトフローノート
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/04/post-1619.html
・A5 フィグラーレ コンセプトフローノート 縦開き【橙】SW133M
【7位】ロディアのメモ帳がマウスパッドと一体化した ロディア クリックブロック
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/10/post-1718.html
【8位】ルモグラフ ヒストリカルペンシルセット
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/04/post-1628.html
【9位】ケルン・コンサート for ギター
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/01/-for.html
【10位】100,000年後の安全 [DVD]
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/03/100000.html
フィンランドの高レベル放射性廃棄物の最終処分場オンカロ建設のドキュメンタリ。フィンランドでは原発からでる放射性廃棄物を、南西部のオルキルオト島の地中数百メートルにつくった施設に詰め込んでいき、22世紀になって一杯になったら、穴をすべて埋め戻して入口を封鎖するというのが"最終処分"の計画である。何億年も変化がなかった土地なのでおそらく安全だろうという考え。埋めた廃棄物の放射線が人類にとって安全なレベルになるのは10万年後。
今年このブログの紹介記事を経由してAmazonで販売された本の売り上げ冊数ランキングです。このブログの読者のみなさんに、実際に手に取ってもらった(クリックするとか購入するなど)本のランキングと言ってもよいと思います。
順位の後のURLは書評記事へ、表紙イメージをクリックすると直接Amazonへ飛びます
【1位】ニセモノ食品の正体 (別冊宝島 1917 ノンフィクション)
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1736.html
【2位】式の前日 (フラワーコミックス)
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1743.html
【3位】性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/post-1595.html
・性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか
【4位】アーティストのためのハンドブック 制作につきまとう不安との付き合い方
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/post-1589.html
・アーティストのためのハンドブック 制作につきまとう不安との付き合い方
【5位】いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/04/post-1623.html
【6位】コクヨの1分間プレゼンテーション
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/10/1-9.html
【7位】アブダクション―仮説と発見の論理
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/04/post-976.html
【8位】ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/06/post-1662.html
【9位】閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/03/post-1613.html
・閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義
【10位】快感回路---なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/post-1597.html
2012年に書いた記事に限定して、各記事のはてなブックマーク数を調べました。もはやオンラインブックマークされるよりツイッターやフェイスブックにつぶやかれる数の方が多いのですが、はてなにはコアなネットユーザーが多いです。アテンションエコノミーのネット空間上で目を引くタイトルとは何かを、毎年、このランキングを見て考えています。
【1位】性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/post-1595.html
【2位】ニセモノ食品の正体
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1736.html
【3位】「モヤモヤさまぁ~ず2」のナレーションに採用された音声合成VoiceText Micro Lite SHOW
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/12/2voicetext-micro-lite-show.html
【4位】自衛隊御用達の油性ペン STAEDTLER ルモカラーペン
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/staedtler.html
【5位】ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/06/post-1662.html
【6位】快感回路---なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/post-1597.html
【7位】世にも奇妙な人体実験の歴史
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1738.html
【8位】魚は痛みを感じるか?
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/post-1598.html
【9位】つながりすぎた世界
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/06/post-1654.html
【10位】図説 地図とあらすじでわかる! 古事記と日本の神々
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/05/post-1640.html
参考
2011年のはてなブックマーク数ランキング
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/12/2011-1.html
2010年のはてなブックマーク数ランキング
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/12/2010-4.html
・KING JIM マウス型スキャナ ブラック MSC10クロ
発売日に購入して会社で使っている。かなり気に入っている。ポメラのキングジムが考えた。
上から見たら普通のマウスだが、背面にスキャナーがついている。ヨコについたボタンを押すとスキャナーモードになる。スキャナーを立ち上げるという感覚がゼロ。
新聞や雑誌、印刷文書をマウスの下においてなぞると、なぞった部分がデジタル化されていく様子をPC画面で確認できる。すべての領域を広くなぞって全部をデジタル化してもいいのだが、A4などではなぞる対象として結構大きいので、むしろ必要な範囲をちゃちゃっとデジタル化する方がこのスキャナには向いている。
スマートフォンで書類をデジタル化するのとどちらがよいかという問題があるが、このマウス型スキャナは紙面に密着するので読み取り精度はスマホ撮影より遥かに高精度だ。照明の問題もない。雑誌の記事をここだけちょっととっておこうとクリッピングするのに向いている。
付属ソフトウェアが色の調整、トリミング、回転など簡易編集機能を持っている。Evernoteと連携できる。紙の情報をこまめにデジタルクリッピングするためのツールとして、常に手元で待機してくれている。スマホやスキャナーよりも便利な存在である。
オフィシャルサイト
http://www.kingjim.co.jp/sp/msc10/
PS3のネット配信ゲームにはときどき名作がある。『The Unfinished Swan』『風ノ旅ビト』今年のこの2本は絶対おすすめ。どちらのゲームも一切の操作説明がない。ゲームの目的も示されない。だから、何をどうするとどうなるのか、結局何をすればいいのか、ゼロから自分で見つけ出していく。
・The Unfinished Swan
http://www.jp.playstation.com/scej/title/theunfinishedswan/
The Unfinished Swanはなにも識別できない真っ白な画面で始まる。ボタンをおすと墨がまかれることがわかる。そして墨が飛び散ることで、部分的に構造が浮かび上がり、自分が小さな部屋にいることがわかる。まずは墨をもっとまいて部屋の全体像を明らかにしてこの部屋を出ればいいのだなと気がつく。だが部屋を出れば実は広大な真っ白世界が広がっていた。次どうする?という風に、操作方法をつかんだと思うと世界が広がり、次の謎が示される。墨をまく、外へ出るというのは第1章の話に過ぎなくて、後の章でも仕組みはどんどん追加されていく。ネタバレになるからあまり書けないが、圧倒的に美しいゲームだ。
・風ノ旅ビト
http://www.jp.playstation.com/scej/title/kazenotabibito/
もはや伝説の"flOw" "Flower"につづくThat Game Companyの傑作。砂漠の広がる異世界で旅ビトとなって、長いスカーフをはためかせながら風に舞ってシンボルにタッチして世界を解放していく。風にのって高速で滑空する爽快感が最高。音楽も素晴らしい。このメーカーの作品を見ていると、ゲームはお金をかけてリッチにつくればいいってもんじゃないとよくわかる。アイデアとデザインで感動がいくらでも生み出せる余地があるのだなと。
・「意識高い系」という病~ソーシャル時代にはびこるバカヤロー
イマドキの若者の風潮を絶妙にとらえていて面白かった。
「意識高い系」というのは、著者によるとこんな特徴を持っている。
1 やたらと学生団体を立ち上げようとする
2 やたらとプロフィールを「盛る」
3 すべては自己アピール 質問が長い
4 ソーシャルメディアで意識の高い発言を連発
5 人脈をやたらと自慢、そして利用する
6 やたらと前のめりの学生生活を送る
7 人を見下す
この本、読んでみて思ったことは、いやー、この意識高い系って学生時代の私じゃないか、いや完全に昔話じゃなくて、その延長線上に今の私がいるじゃないかということ。実は著者もかつては同じだったらしくて「そう、今では、ビジネス書にハマる人たちについて「そんなもの読む前に仕事しろ!」「自己啓発難民になるな!」とドヤ顔で説教をするアラフォー親父になったのだが、それは自分の経験があったから言えることなのだ。私にもそんな痛い時代があった。」なんて素直に吐露している。ですよね。
私は著者と違って意識高い系の若者が大好き。そういう学生を見ると応援したくなる。今は浅い気がしても、やり続けているうちにいろいろ経験して、やがてその浅さを自覚して乗り越えるだろうとポジティブに考えて。ただ少し気になる部分もある。
バブル時代の「意識高い系」学生も十分に軽かったのだけれど、今の「意識高い系」の学生の方がよりフワフワに軽くなったなと感じる。会社立ち上げました、とか、学生団体の代表で、とか軽く報告してくるが、実力、実践力が、昔の意識高い系の方が高かった気がしてならない。
20年前と比べていろんなハードルが下がっているのだ。学生団体や会社を起業する、広く自己アピールをするのが簡単になった。昔は会社を作るには資本金1千万円必要だったが今では1円でも起業できる。ソーシャルメディアがあるから、シャイな性格でコミュニケーション能力が弱くても、学生団体をつくりやすい。自己アピールの場はいくらでもある。そんな環境変化が、意識高い系のフワフワ度を増すことにつながったのではないだろうか。
ハードルをあげて、起業してすでに売上1億以上あります、NPOだったら認定NPO化達成してますくらい言ってくれれば、結構、君やるじゃんと思えるのだが。
著者の分析では、「意識高い人たち」と「意識高い人たち(笑)」がいて主に後者を中心に批判する本なのだが、特にフワフワしたセルフブランディングが批判の対象になっている。底の浅さが見えるプロフィールなんて無意味を超えて有害だろうと。
「いわゆるこの「セルフブランディング」に対する私の最大の疑問は、その行為がそもそも「ブランディング」になっていないのではないかということである。むしろ、自分のブランドを壊すことになっているのではないかとさえ思ってしまう。」
若者へのダメ出しが多いが著者が好きな若者ってどんなのだろうと気になった。次はそういうのも書いてほしい人だなあ。
『血だるま剣法/おのれらに告ぐ』『薩摩義士伝』の平田弘史といえば臓物飛び散る過激で陰惨な時代漫画の作風で知られる人だが、この短編集は彼の作品群の中でも異色だ。江戸時代に無名でありながらも自らの命を賭して大義に殉じていったものたちの生きざまを描いたイイ話集なのだ。
いがみあう2つの村の争いを収めるために、村人たちの目の前で川に入って自らの首を斬った道慶根。癇症による短気が治らぬ主君を直すため自らの肉を献じた菅沼主水、崩御した天皇の土葬を命を懸けて主張して先例を変えさせた魚屋奥八兵衛など全11話。
史実を調べて、名もなき勇者たちをみつけて、すこし物語として膨らませて描いている。破滅的なオチが多い平田弘史作品だが、この作品は異質で、人は死ぬし、臓物が出るシーンもないわけではないが、最後は心温まるいい話として終わってくれるので、安心感がある。
薩摩義士伝
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/06/post-1656.html
今年もいろいろ観たけれどこれが間違いなく最高の映画。
映画『レ・ミゼラブル』
http://www.lesmiserables-movie.jp/
映画館で涙というのは珍しくないのだけれど、胸が震えて止まらないという体験はめったにない。見終わった後で15年ぶりくらいにパンフレットを買ってしまった。十年に一本くらいの大傑作だと思う。正月休みぜひ見に行ってください。相当の大予算映画だが、そのカネは見事に活かしきっていると思った。
監督は生歌にこだわっている。ミュージカル映画だがクチパクではなく生の歌唱で撮影されている。序盤ではフォンテーヌ役のアン・ハサウェイの『夢破れて』の絶唱からまず引き込まれる。小説もミュージカルも有名だからストーリーはよく知られている。平凡に筋を追うだけじゃ見るものを感動させられない。アン・ハサウェイはこの歌のために自身の髪を切り、20日間で7キロ減量して瀕死のフォンテーヌの魂の歌を、役になりきってワンテイクで歌い切っている。いきなり圧倒的な存在感に驚かされたが、物語が進んでいくとその他の俳優も凄かった。ソロだけでなく、ジャン・バルジャンとジャベールの確執関係の掛け合い、三角関係の3人の男女の掛け合い、革命軍の合唱など、あらゆるパターンで聴きごたえたっぷりの歌を聴かせる。
私はアン・ハサウェイ、ジャベール、エポニーヌの演技が凄いと思った。
憎しみにとらわれていた男が、人の優しさに触れて、人を愛する喜びを知るまでの波乱万丈の人生。キリスト教色が結構強い内容だが、なんだかストレートに心洗われた。158分の大作だが、長い尺を活かしてより細やかに心理描写を、より多くの背景を描けていたのもよかった。
先日Webを参照しながら同じ画面で原稿を書くスマホのテキストエディタ ブラウザノートというのを紹介したが、その進化版。ブラウザノートの機能はほぼすべて入っていると考えてよさそう。それに加えて類義語提案機能がついてパワーアップしている。約15万個以上の日本の語類語、約17万個以上の英語の類語を収録している。
類義語辞書の便利さは納得だが、これまでなかなか高頻度の常用ツールになりにくかった。当たり前だが辞書は引かないといけないからだ。執筆中は、いいたいことと、そのいいかたの二つを考えているわけだが、いいかたを考えるために辞書をひくと、いいたいことを忘れてしまったりする。だから、辞書を引く時間がどうもとりにくい。
この類語エディタでは、日本語入力の変換候補を確定させた瞬間に類語がずらっと並んで提案表示される。辞書を引いている気がしないのだ。もしも提案にもっといい言い方がみつかれば修正すればいい、というのは実にいい気分だ。
Webを参照しながら同じ画面で原稿を書くスマホのテキストエディタ ブラウザノート
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/web-10.html
読み込み時間がゼロのニュースリーダー。愛用中。ゼロの理由はニュース記事のすべてを定期的に事前ダウンロードしているから。ユーザーがアプリを起動すれば常に最新のニュースが読み込まれている状態になっている。
一覧から気になるニュースをクリックすると、"スマートモード"で読むか、オリジナル本文をダウンロードするかを選択できる。事前ダウンロードしてあるのはシンプルなニュース本文のみなので、配信元のレイアウトなどが欠けている。数秒待てばオリジナル本文をダウンロードして元サイトどうりのリッチなデザインで読むこともできる。
向かって左側がスマートモード。右側がオリジナル本文版。待ち時間ゼロで少なくとも左は表示できる。多くのニュースはそれでも十分のようにも思える。もちろんこうするとオリジナルの広告などが表示されないわけで、ニュースサイト運営のビジネスモデルとバッティングする。ニュースリーダーアプリとしては問題視もされているみたいだ。
「エンタメ」「政治」「テクノロジー」「2ちゃんねる」など11のチャンネルからカテゴリだけえらべば適当なニュース記事が配信される仕組み。ユーザーとしてはとても便利だ。
2009年に1,2,3巻を読んだ。連合赤軍や浅間山荘事件をモチーフにした過激な学生運動家たちの青春群像劇。このたび4,5,6巻をKindleで読んだ。
1,2,3ではまだ不穏な空気に過ぎなかった。ついにこの巻のあたりから、頭でっかちな若者たちが、机上の空論から、仲間同士を処刑して殺し合う殺人集団へと変わっていく。怖いものみたさでページをめくる。盛り上がってきた。やっぱり、この作品は名作になってきたと確信。
ホラー映画でいえば、出るぞ出るぞといってなかなか出なかったモンスターの登場まではとてもうまく描けている。後半でモンスターがその異様を全部丸出しにしたうえで、どう凶暴な牙をむくのか、読者を圧倒するか、7巻以降が大注目になった。
オフラインで政治的思想に生きるということができた最後の世代。アジトや山岳ベースに集団で籠って自分たちの信念を強化していくことができた。インターネットやケータイの時代ではここまで組織の思想は煮詰まらないと感じる。あるとしたら別の形のテロリズムだろう。
各話で死人ナンバリングと運命カウントダウンが緊張感を演出するのだが、単行本だとちょっと回数が多すぎて食傷気味かも。
・レッド 1969~1972
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/08/-19691972.html
芸術新潮という雑誌は特集テーマによって年に2,3回買うのだが、今年はやはりこの25年ぶりという縄文特集号が最高だった。土器、土偶の美しい写真でいっぱいの「縄文の歩き方」。
解説の小林達雄教授の解説がむちゃくちゃ面白い。どこまで史料的根拠があるのかよくわからないところもあるが、なぜ土偶はこんなへんな形に進化していったのか、とか縄文人の日常生活はこうだったとか、きわめてわかりやすい説明をする。
たとえば縄文時代は男はダラダラ、女はテキパキと暮らしていたのだという。男たちは狩りに出ても今日はどうする?とか話しているうちに日が暮れて「今日はもうダメだね」でだいたい帰ってきてしまう。女たちはテキパキ働いて植物性食糧を集めて食事を作っていたはずだと教授は言う。
「それでも肉を食べたいという圧力が強くなってくると、ちゃんと男も狩りに出かけます。狩りは危険も伴いますから、狩猟を担当する男というのは普段それなりに遊ばせてもらえるわけです。狩りがいつも成功するとは限らないが、獲物を獲り尽くさないで持続可能な狩りを続けていけるという利点となる。要はサボっているんだけど(笑)、それが上手い具合に全体のバランスを調整します。 いずれにせよ、しゃかりきに働きすぎることなく、冬場の何もしない余暇の存在が、縄文人の文化力を底上げしたのだと思います。」
頑張りすぎずテキトーに生きていると、環境と調和してよい感じになるよいう説。また土偶がなぜあんなヘンな顔になったかについては、初期は目には見えないナニモノカの気配を表現していただけのものだったが、顔をつけてしまったために人型に進化していったが、飽くまでもこれは人ではないので、人とは違うヘンな顔で進化していったという説。どちらも本当なのか?と思うが説得力のある文章。
MIHO MUSEUMの館長が「これこそ生の芸術。生命の力をひしひしと感じます。今の若い人が土偶に興味を持つのは、自分の中に絶滅危惧みたいなものあって、こういう血の騒ぐような力づよさを輸血しなきゃ、人間として危ないという飢餓感を覚えているからではないでしょうか」といっているが、ハイテクやデジタルなガジェットとは対極の存在感があっていい。
音声合成アプリ。HOYAが開発。
このソフトの出力音声は、あの声にそっくりだと思ったらやはりそうだった。
テレビ東京の毎週日曜夜の番組『もやもやさまーず2」の独特のナレーションの声。あれが音声合成の「ショウ君」だったのである。びっくり。
ショウ君のオフィシャル紹介サイト。
http://voicetext.jp/show.html
先日 IBMのフェローでアクセシビリティの研究者 浅川 智恵子氏のお話を聞く機会があった。その講演の中で読み上げソフトの音声を30倍速くらいで再生する。何をいっているのかさっぱりわからない。20倍速、10倍速くらいにしてもまだ難しい。3倍速、2倍速にすると誰でもわかる。だが10倍とかでも障害を持った人で聞きなれた人には十分に聞き取れるのだという。
世界最先端の自然な音声合成の音声というのも聴かせてもらった。感情、イントネーションや微妙な表現にまでこだわったソフトだ。映画の俳優の会話のようなものが完全に機械合成で再現されていて驚いた。だが普段の作業の中で、パソコン操作に使うにあたって画面の文字情報を高速に聞き取るには、ちょっと昔の平板なイントネーションの機械読み上げのほうが聞き取りやすくて実用的だなどという感想もあった。音声合成もまだまだ深い技術。
このショウ君はちょっととぼけた感じで人を和ませる。
LINEのツールである必要がまったくないが、かなり便利だな、これ。
[測定ツール]
●定規/分度器/方位磁針/水平器/騒音測定器
[時計]
●ストップ・ウォッチ/タイマー/祝日カレンダー(日本向け)
[便利ツール]
●懐中電灯/鏡/虫眼鏡/パスタメジャー
[計算]
●計算機/年号・年齢チェック(日本向け)
という14種類のツールが入ったアプリパック。
ツールの数はまだまだ増えていくらしい。
計測すべき位置をデジタルで動かして確認できる定規や分度器はかなり便利だ。
水平器は写真撮影に、騒音測定器はポッドキャスト収録の環境測定にと、意外に日常的に使うシーンがあったりする。
いろいろなツールが一式このアプリの中にあるというのがよい。常用しそう。
週刊アスキー 2013年 1/29増刊号 は、指に着ける「ウルトラマウス」が付録としてついてくる。580円。オマケのマウスなんてたぶんロクなモノではないだろうなとわかっていながら、こういうガジェットをコスト的に無理してでも、年末号の付録にする出版社の心意気が大好きなので、即購入してみた。
質感としてはそれほど安っぽくはない。
雑誌の表紙イメージだけ見ているとまるでワイアレスみたいだが、さすがにこの値段でそれは無理だったみたいで普通にUSBケーブルでPCに接続する。人差し指にマウスを装着して、光学読み取り面を下を向けてマウス操作を行う。人差し指でマウスパッドの上をなぞる感覚。
これはジェスチャー操作がやりやすいからウェブブラウジングと相性いいんじゃない?と思ったが読み取りが雑なために、カーソルを思うように動かすのが難しい。それに比べると左右のクリックボタンとマウスホイール部分は操作性が良い。
クリックとホイールだけで操作するアプリを、寝転がりながら行うのによいと思うのだが、それってどういうアプリだろうかが不明。
結局、実用性としては大変な疑問符がつくシロモノだったが、質感が悪くないし用途を考えるのが楽しいのでかなり気に入っている。2週間くらいは遊べそうだ。
偏執的ストーカーの男が主人公のサスペンス。10年前、大学時代にたった一度だけお茶をしたことがある憧れの女性を思い出して、主人公の男は探偵事務所を使って居場所を調べる。彼女が結婚してある街で暮らしていることを知った男は、その家の近所に熱帯魚屋を開店して熱帯魚が好きなはずの彼女の来店を待つ。そして彼女と再会するがこれといった特徴のない男のことを彼女は忘れている。男は彼女の家に忍び込み、隠しマイクを仕掛ける。それだけでは我慢ができず侵入して夫婦の寝室のベッドの下に潜り込んで息をひそめていたりもする。
うわ、そこまでやるか、という偏執ストーカーなのだが、その侵入と盗聴によって、彼女の夫がひどい暴力夫で、妻を虐待していることが判明する。放っておけば彼女が殺されてしまうかもしれないが、ストーカーとしてはベッドの下から出てしまうわけにもいかない。妙な葛藤に苦しみながらも、一方的に愛する彼女を救う方法をストーカー男は考える。実は彼女もこの家に第三者が侵入している気配に気がついていて...。
この大石圭という作家は半分ホラー小説家で半分官能小説家という立ち位置の人で、その持ち味をうまく本作では活かしていて、サスペンスとエロスを絶妙にブレンドすることに成功している。ちょっと猟奇趣味、変態趣味入っているものの、娯楽小説として面白いと思った。
Kindleで読書。
読むのは3回目。中学時代、大学の頃、そして今、Kindle版で読んだ。若いときに読んだ二十四の瞳を、私は反戦や反貧困の社会的メッセージの本として受け止めていた。感想文を書く、教養のために読む古典という意識が強かったからかもしれない。なんだか硬い単語を交えて、真面目でつまらない感想文を書いた記憶がある。
いま四十を過ぎて、自由に読む二十四の瞳は、そういう社会的メッセージの印象が薄れて、人のつながりの素晴らしさの方が印象深かった。大石先生は足をけがして、12人の生徒と一旦は別れるがまた4年生で担任として再会する。そして大人になってからもまた生徒たちに呼ばれて旧交を温める。戦争や貧困で子供たちも先生も時代の波に翻弄されて大変だったけれども、こんな素晴らしいつながりは、恵まれた環境でもそうそう作れない。
ソーシャルネットワークができて、卒業生同士や教員が常につながり続けることができるようになった。これは良いことなのだけれども、二十四の瞳で描かれたような再会の重み、切ない思い出というのは、だいぶ薄れてしまう気がする。フェイスブックに投稿したデジタル写真はいつまでも色褪せない。原題にはないセピア色の美しさがこの小説にはあるなあと。
日本映画の傑作のひとつとして数えられることも多い名画。
1位 映画『二十四の瞳』(木下恵介監督、高峰秀子主演)。音楽の使い方が素晴らしすぎる。ちゃんと3番まで歌わせる。繰り返す。現代の映画にはない時間感覚が新鮮。1年生時代と6年生時代の子供たちがよく似ているのはオーディションで、よく似た兄弟を選んで出演させたからというのはトリビア。
ソーシャルメディアの記録をアーカイブするサービスとしてTimehopとMemolaneが大好きだ。今日紹介するのはTimehopのiOSアプリ。
Timehopは1年前、2年前、3年前...n年前の今日、自分がソーシャルメディアに投稿した記事を思い出させてくれるサービス。TwitterやFlickrなどのアカウントを登録しておくと、メールで毎日のように過去の投稿一覧送られてくる。たとえば私は昨年の12月14日は京都駅前で飛行船を撮影していた、6年前はなんだかうまそうなパスタを食べていたなんてことがわかった。
昨年の今頃はこんなことを考えていたのか、とか、毎年同じことを繰り返してばかりだなあとか、過去の同じ日を見直すことで感慨深い発見がある。ソーシャルメディアをもう何年も使い続けているというヘビーユーザーほど、味わい深いアプリだ。
取引先の会社の統括部長が、自由が丘のバーで主宰するロック縛りの会というのに参加してきました。このイベントは参加者が60、70、80年代のロックから、テーマに沿ったオススメ2枚を持参して、楽曲紹介した後大音量でみんなで楽しむというもの。ロックオンリーで、テーマで縛るからロック縛りの会というらしいのですが、それなりのポジションにいるはずの、いい年齢の大人たちが弾けていて、とても楽しい会でした。
私が持って行った2枚をブログにもアップしておこうと思ったのが今日のエントリ。
1 ボブ・ディラン 時代は変わる
Bootleg Series Vol.6 Bob Dylan Live 1964 -Concert At Philharmonic Hall より
私の人生のテーマソング。言わずと知れたディランのプロテストソング。淡々とした節回しだが歌詞は熱い。世代間闘争の歌。時代は若者によって変わっている、手を貸す気がないならば、出て行ってください、と年長者に抗議する。
ディランの中でも特別な思い入れのある一曲ですが、最近この歌詞を聞いていると、自分がかつての抗議する側から、抗議される側になってきたのではないか?時代が変わるとは、変えているはずだった自分の立ち位置がいつの間にか抵抗勢力に変わるということでもあったかと、初めて聞いてから三十年くらいして悟りました。ディランの深みを知るです。
理解できないものを批判するな。Don't critisize what you can't understandというフレーズが好きです。座右の銘です。
ブートレグシリーズから。1964年のフィルハーモニックホールのコンサート録音版。時代は変わるは一曲目です。
ディランの元恋人のジョーン・バエズが後ろの方の曲で共演します。バエズもすきなんですよ。日本ではドナドナの印象が強過ぎますがディランのカバーがいい。
2 フェアグラウンドアトラクション ファースト・キッスよりパーフェクト perfect
良いことも悪いことも両方あってこそ本物の人生。商売繁盛で社員旅行は昨年の沖縄に続いて北海道へ。二泊三日ですすきの、旭山動物園、楽しんだ後、大雪で飛行機が欠航、帰れなくなり、延泊するはめに。大人数だから何をするにもイレギュラーには費用がかかる。
今年はこの合宿に象徴されるように花見で調子に乗っていたら転んで骨折とか、頼りにしていた部下の退職とか、悲喜こもごもありましたが今年もまたいろいろあっての完璧な一年でした。紹介する曲名はパーフェクトです。
フェアーグラウンドアトラクションの最初で最後のアルバム。ザファーストオブアミリオンキッシズ。日本でも人気の写真家エリオットアーウィットがアルバムジャケットの写真を担当。
その後ソロになり来日時に渋谷のライブハウスで間近でみました。ボーカルのエディリーダーは本物の方がCDより美味かった。
これも常用確定のアプリ。あまり考えなくてもデフォルトのデザインで、十分きれいに注釈がつけられる。
最初見たとき、基本メニューがとても考えられているなあと感嘆した。写真を撮影、写真を選択、地図に描画、白紙に描画、Webからキャプチャ。画像に注釈をつける主な用途が列挙されていて、すぐにその目的に取り組める。任意の地図やWebを表示させてキャプチャするのが簡単。
矢印やテキストのコメントはデフォルトの配色で充分に美しいので、適当に拡大縮小レイアウトするだけで、スマートな注釈を残せる。フリーハンドで描くことももちろん可能である。モザイク処理、や部分切り取り処理もある。
これは定番アプリリスト入り。こんなのが欲しかった。
機能はおよそ一目瞭然だと思うが、発表の時間管理を円グラフのタイマーでリアルタイム表示する。全体の何割くらい終わったか、いま喋っているパートはどこか、どれくらい押しているかなどを直観的に把握することができる。
最初にまずプレゼンの構成をパート名と所要分数で登録する。
プレゼン中は注意が集中しているから、時間管理画面は相当わかりやすい画面でないと使い物にならないが、このアプリのデザインはかなりわかりやすい、実用的だと感じた。
アラートにはサウンドとバイブレーション、残り時間をしめすカウントダウンと、経過時間をしめすカウントアップの両方のモードを切り替えることも可能。
iPhone5にしたら改めて学んでみようと思ってダウンロード。
何年も使っているのに知らなかった技がいくつもみつかって満足。
このアプリにはiPhoneの裏技がカテゴリ別に整理されている。内容はときどき更新追加される。裏技は人気ランキングでもみることができる。気になる技はお気に入りに登録したり、ランキングに投票を入れることができる。
多くの技は標準の機能、標準アプリの細かい機能を紹介していく内容。
就寝時に聞くのによい音声コンテンツはないかなあと探していて見つけたのがこれ。三省堂の高校の教科書をひたすら読み上げる。
全史で12時間47分もある。古代編、中世編、近世編、近代編、現代編と5部に分かれており、ばら売りでは一部800円。5本セットで3300円。
1.古代編(第1部 1~5章)旧石器時代から平安時代まで
2.中世編(第2部 6~9章)院政から室町時代(応仁の乱)まで
3.近世編(第3部 10~13章)戦国時代から寛政の改革まで
4.近代編(第4部 14~17章)天保の改革から大正政変まで
5.現代編(第5部 18~21章)第一次世界大戦から終戦まで
6.戦後編(第6部 22~25章)占領から現在まで
漢字が見えず、音声のみで聞くとわかりにくい言葉がいきなり出てきて、用語解説がなかったりするが、その不親切さも、ぶっきらぼうさも実に教科書的で、学生時代に戻った気になれる。(わからない言葉をWikipediaで調べ始めると眠れなくなる)。
私は今ちょうど戦国時代を聴いている。戦国時代というと、さまざまな武将の活躍とドラマがあったわけだが、高校の教科書は、信長、秀吉、家康の流れでさえ、かなりあっさりと大きな出来事を語っているのみだったことにきがついて愕然とした。私の戦国武将に対するイメージや知識は、学校で習ったものではなく、大河ドラマや小説で知ったものばかりだったのだなあ。
総時間12時間47分。聴いても聴いても終わらない。日本の歴史はひたすら続いていく。淡々と。ノリノリにはならない。そして最後まで聴かねばならないなんて気がまったく起きない。飽きたところで止めて眠る。そういう目的では最適。
もちろん世界史版もある。そして速聴用の倍速版というものもある。
iPhone4SからiPhone5にして困ったこととして、端子が新しいLightning規格に変更されてしまい、ケーブル類が足りないということがある。ケーブルは会社用、自宅用、携帯用の最低3本が必要だ。
私はiPad、iPodとも併用しているため、端子の変換アダプターを購入しようかとも思ったのだが、変換アダプターは思いのほか価格が高くて、サードパーティ製ケーブルを新規購入してしまった方が安いことが判明。選んでこの2つを購入した。
ひとつめは、ライトニングUSBケーブル(1メートル)と2ポート搭載のUSB-ACコネクタのセット。コンセントに挿すUSBコネクターに2つポートがあるので、一度に2個のデバイスを充電できる。こちらは自宅で据え置きで使う。
そして携帯用に購入したのが巻取り型のケーブル。80cm リールタイプ。
HORIC(Hi.PREGIO) iPhone5対応 Lightning ライトニング USBケーブル 80cm リールタイプ
ケーブルがバネで巻き戻るタイプ。小さくまとまるので持ち歩くのに向いている。コンセントに挿すには別途USB-ACコネクタが必要。
こうしたサードパーティ製のケーブルは品質にばらつきがあるらしい。Amazonのレビューを見ると厳しい意見も多かったりすることもあるのだが、私の個体は良好に動作している。
全5巻で劇画忠臣蔵。これホントに素晴らしい。時代劇漫画が好きな人にイチオシ。
松の廊下で刃傷に及んだ主君が切腹、残された大石内蔵助筆頭の浪士たちが、敵討ちを見事に果たすという大筋は誰もが知るところだが、忠臣蔵には魅力的なサイドストーリーがたくさんある。47人全員とはいかないが、討ち入りにいたるまでの主要人物たちの個別のドラマを丁寧に描いている。その支流が合流して大義の奔流となっていく。厚みがものすごくある忠臣蔵である。歴史の解説もしっかりしている。
浅野内匠頭は少し短慮な人物として描かれている。吉良にも吉良なりの意地悪の理由があったという事情もちゃんと書かれている。松の廊下の刃傷の本当の理由はわかっていないわけだが、史実や史料をもとにして、かなり納得させる創作部分が見事。
12月14日は討ち入りの日。そして年末はテレビで忠臣蔵放映が続く。いまが旬。
というわけで先日、赤穂浪士の墓所、泉岳寺に初めて行った。
並ぶ47人の義士の墓。赤穂浪士たちの法名には切腹を意味する「刃」の字が使われているが、1人だけ使われていないのが寺坂吉右衛門。映画『最後の忠臣蔵』のモデルとなった。寺坂は討ち入り後に大石内蔵助から討ち入りの仔細を遺族に伝える密命を与えられ長く生きた。役目を終えて自首したら時効扱いで切腹に至らなかったのだという。泉岳寺には赤穂義士記念館もあり陣笠や連名書状など見たが、おまけ的な別館でズラッと並ぶ義士木像館がよかった。
・LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?
コグレマサトさんとまつもとあつしさんがタイムリーにLINEの人気分析本を出版した。
初期のLINEは面白さがわかる人とわからない人が明確に分かれたサービスだったと思う。かつてSkypeに飛びついたコンピュータのアーリーアダプター層とは異なる、ビギナーというかほんわかミクシイを楽しんでいる若者がよく使い、逆に大人たちは何が面白いんだろうと首をかしげていたように思う。それがあっという間にユーザー数8000万人。いまやフェイスブックやツイッターよりも成長スピードが速い。
この本ではLINEのメインユーザーとは、
・スマートフォン中心でパソコンを使わないような若者が中心
・スタンプを使ったカジュアルでエモーショナルなコミュニケーションを好む
・「アドレス帳のマッチング」を通じて毎月500万人以上の増加を続けている
だと簡潔に総括されていた。この勢いはフェイスブックが似たようなメッセンジャーを出しても衰えることがない。チャットの王者だったSkypeも大きく水をあけられた格好だ。LINEがこれまでのグループチャットと違うのは一目瞭然だ。会話よりもスタンプが目立つ。ビジュアルでエモーショナルな会話ができること。
本書のインタビューではLINEのプロジェクトを率いるNHN JAPANの舛田淳氏は、LINEの重要なポイントとなった大きなキャラクターのスタンプの開発経緯についてこう語っている。
「そういった「スマートコミュニケーション」に何が求められるのか?というと、スピード、リアルタイム性はもちろんですが、もう一つは、いかに感情をインスタントに、シンプルに伝えられるかということに腐心したんです。」
ソーシャルネットワークが発達したことで、私たちは互いの背景情報を共有することが簡単にできるようになった。だから交わされるメッセージは絵文字のように短くなっていく。互いの文脈を共有できているので、長々と説明をしなくても、短いつぶやきで、微妙なニュアンスまで伝達してしまうのだ。そして電話番号を知っている親密な関係性では、会話の内容よりも、つながっていること、会話をしていること自体が主なメッセージであることも多い。LINEのエモーショナルなスタンプによる会話は、SNSとスマホの時代のニーズを絶妙にとらえている。だから流行しているのだと思う。
もちろんエモーショナルなコミュニケーションはエモーショナルな関係性を産む。ケータイiモードの立役者だった夏野剛氏が、本書のインタビューの中で、LINEが出会い系になってしまうのでは?という懸念に対して「出会い系がいけないと言われているのは日本だけなんです。よく考えたら何でいけないのかわからないんです。渋谷でナンパするのと、mixiで出会うのと何がいけないのか分からないんですけれど、日本だけが特別倫理上の話をするんですね」と答えているのが面白い。そうかグローバルでは出会い系は問題なしか。
LINEの使い方ではなく人気の理由を考える材料がいろいろ入っているタイムリーな新書。
有名な作品だがKindle版がでていたのを機に読んだ。1973年、大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。元モデルだったが暴漢に顔を切られてライターになったという過去を持つ子育て中のライターが、底辺女性史を書きたいと思って選んだテーマが"からゆきさん"。
戦前の日本では貧しい農家の娘たちが、東南アジアに売春婦として出稼ぎにいった。元"からゆきさん"を探し出し、女性ライターが単独で密着取材したドキュメンタリ。1970年頃の話なので、戦前のからゆきさんもすでに老婆であり過去のことは隠してひっそりと暮らしている。真正面からからゆきさんを取材したいといっても断られてしまう九州天草の土地で、偶然出会った老婆がそうなのではないかとあたりをつけた著者は、家に押しかけて共同生活を始めてしまう。
居候させてもらう老婆おサキさんに対して、著者は自分がライターでからゆきさん問題を取材しているとは明かさない。だが水道もトイレもない極貧の家に孤独に暮らすおサキさんは、人懐こく近づいてくる著者のことを、優しく受け入れ訪問の理由を一切問わない。近所には怪しまれないよう息子の嫁が泊まりに来ていると説明してくれる。
著者は毎晩のようにおサキさんからサンダカンの娼館で身を売っていた時代の話を聞き出そうとする。そして聞いたすべてを記憶して翌日、おサキさんが見ていないところで、便箋に内容を書き、自宅へ郵便で投函する。何もない部屋で取材ノートがみつかってしまうとまずいからだ。つねにある種の罪悪感と緊張感を保ち続ける。
こうして意図を隠して潜入取材して聞き取ったじゃぱゆきさんの波乱万丈の物語はそれ自体がとてもドラマチックで面白く、昭和史、女性史にとっても貴重な情報であるが、それ以上にこの本が面白いのは、騙して取材を続ける著者と、騙されながら話し続ける老婆の交流だ。いわば偽物の関係で始まるが、やがて二人の関係は、真摯に向き合うことで、本物になっていく。そのプロセスこそ感動的だ。
戦前の女性底辺史とその取材プロセス。ふたつのドキュメンタリが折り重なって、相乗効果を成している。
・さいごの色街 飛田
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/01/post-1579.html
この本はサンダカン八番娼館の現代版と言っていい傑作。
【Amazon.co.jp限定】 Amazon.co.jp ロゴ版 アラーム クロック 目覚まし時計 オレンジ OC227E
毎朝起きるための目覚ましは2個使っている。アラームを止めるために叩いたり転がしたりするので、1年とか2年で寿命になる。実用的でありながら、毎日眺めるグッドデザインなものを探していて見つけたのがAmazon.co.jp限定のセイコー製目覚まし時計。
オレンジとブラックがあるがデザイン的にはオレンジがよいと思う。
この目覚まし時計のポイントは、
1 コチコチ音がならない静かな時計であること
2 オレンジ色のフラッシュライトがデザイン的にも機能的にもグッド
・アラーム時にライトが点滅(暗い場所でも時間がわかる)
・ボタンを押すとライトが点灯し、5秒間で少しずつ暗くなって消える
特にライトのギミックが気に入っている。ライトを押している間ずっと点灯しているタイプよりも気が利いていると感じる。
止めてもまた鳴るスヌーズ機能がついている。単3電池1本で動く。
いわゆるAmazonベーシックのシリーズではない。
任天堂の岩田社長がWeb上で頭を下げて品薄を謝罪するに至ったほど爆発的な人気で売れまくっている とびだせ どうぶつの森。ゲームキューブ時代からあるゲームだが、いまなぜ3DS版が売れたのかを考えてみるに、やはりこれは今時のソーシャルゲームそっくりだから?じゃないかと私は考える。
どうぶつたちとの交わりを楽しみながら、村で平和に日々の生活を送ることを楽しむゲームだ。最初のうちはローンで家を建てて、魚釣りや木の実ひろいでお金を稼いで、借金を返し、家を大きくしていく。村長として"公共事業"に寄付して橋をかけたり、施設をつくってもいい。村が充実していくといろんなどうぶつが引っ越してくる。プレゼントを贈り合ったり、会話をして仲良くなっていく。
勝ち負けや目的はなにもない。淡々と日々の生活を送る。10年前だったら、どこが面白いのかまったくわからない人も多かったと思うが、携帯ソーシャルゲームが全盛の今だからこそ、このゲームの面白さを受け入れる人が増えているのではないだろうか。
私の周りのIT業界の30代、40代たちもこのゲームにかなり反応している。人気ウェブサービスをどうぶつの森に学べると感じている人もいる。繰り返し訪問させ、飽きさせない仕組み、つまりゲーミフィケーションの工夫がどうぶつの森にはいっぱい仕込まれているからだ。
これはブロガーでiPhoneユーザーだったら必携と言ってもよい便利なツール。
ブログを運営しているとアクセスログを見るというのも楽しいのだが、最近はそれ以上にツイッターやフェイスブック、はてなブックマークなどソーシャルメディア方面でどのくらい取り上げられたかが気になる。
最初にまずブログを登録する。ちなみに自分のブログでなくてもよい。そしてチェックしたいソーシャルメディアをオンにする。
自分のブログとTechcrunch Japanを登録してみた。記事ごとにいくつの言及があったかが一覧で表示される。どんな記事がソーシャルメディアで人気になるのかがよくわかる。ブログのマーケティングに使える。
記事ごとに言及数の増加グラフを表示させることもできる。ただしこのグラフはこのアプリを立ち上げたたびに数字を記録しているだけなので、毎日起動していれば日別推移が見られるが、起動しない日があるとデータが欠損してしまう。バックグラウンドで記録し続けるサービスがあるとさらに便利なのだが。