式の前日
メディアで絶賛レビューが相次ぎ発売3日で増刷、その後入手困難となり、私の場合、予約から配達まで一ヶ月もかかったコミック(今は品薄も落ち着いた)。泣ける読み切り6篇。やっと読んだ。
これ、イイ!絵柄は少女漫画系だが、わずか20ページでこんなに余韻の残る切ないドラマを描くなんて、この新人やるなあ。短いけれど必ず読み返したくなる。技巧派だけどちゃんと人生が描けている。特に1作目『式の前日』と2作目『あずさ2号で再会』が傑作だ。
大切な人との別れがすべての作品に共通するテーマ。別れといっても悲しいだけではなくて、読後感はむしろ明るい。さだまさしの歌みたいな情感たっぷりの人間ドラマ。ああ、いいもの読んだ、で安心して終われる。
オーディションで2010年に突然出てきた作家らしいが、月刊フラワーズではじめての長編を連載中とのこと。この作品集を読む限りでは、短い作品ほど良いものを書く人かもしれないので、長編はどうなっているんだろうか、とても気になるなあ。少女漫画雑誌は買いにくいが...。
もしこの短編レベルが毎回描けるのだとするとすごいのだが。
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