襲撃者の夜
ケッチャム『オフシーズン』の続編。
「オフシーズン」の惨劇から11年後の、あの海岸沿いのリゾート地で再び食人族の悪夢がよみがえる。原題は"Offspring"(子孫の意)、"Off Season"の生き残りが家族や仲間を増やして帰ってくる。登場人物には前作の悲劇の保安官ピーターズの姿もある。
ゲームデザイナーの夫婦と9歳の息子がすむ家に、夫の暴力を逃れて幼い子供を連れて泊まっている妻の友人。そこへ性格破綻した暴力夫が接触禁止の法を破ってやってくるのだが、同時に食人族たちもやってくる。6人の人間のいる家へ、外から食人族が押し掛けるという設定は前作と同じなのだが、ケッチャムの腕が上がったのか、本作の方がより恐怖度、猟奇度が倍増したように感じる。私は結果として3作目→1作目→2作目の順で読んだが、実はこれが最適なんじゃないかと思ったりする。
このシリーズ、ケッチャムの筆がいいのは当然として、ケッチャム作品を多数てがける金子浩の翻訳のうまさも大きい。分単位で進むテンポの良い構成だが、そのスピード感、緊迫感が日本語の文章にうまく表現されている。どんどん読めてしまう。
この2作目も過去に映画化されているが評判はあまりよくないみたい。予告編を見る限りではチープなB級映画だ。
オフシーズン
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1740.html
1作目
ザ・ウーマン
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1739.html
3作目
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