ソーシャルもうええねん
著者紹介。
「村上福之(むらかみ・ふくゆき)
株式会社クレイジーワークス代表取締役 総裁
1975年大阪生まれ、37歳。8歳からプログラミングを学ぶ。関西の家電メーカーでの開発職を退職してオーストラリアを放浪中、Webデータベース開発を受託したことからWebプログラミングを独学で学び、業績から永住権を得る。帰国後、フリーエンジニアとして漫画喫茶で開発した独自の動画コーデックが、経済産業省主催のビジネスプランコンテスト「ドリームゲートグランプリ」で国内2位となり、審査員を務めたGMOインターネット熊谷会長の支援で上京。その後に電子書籍プラットフォーム「androbook」や、音楽配信プラットフォームである「andromusic」などを開発。」
この脈絡不明気味の著者の村上さんと私はフェイスブックでつながっている。のだが、実は、いつどこでお会いしたのか覚えていない。社長なのに日常的に「金ない」「富士そばなう」「死にたい」的つぶやきを連発する。それに釣られてタイムラインをクリックすると、ソーシャルメディアやインターネットの本質を探究した独特のおもしろーい長文記事を書いているのがみつかる。その独特のおもしろーい記事を集めたのがこの本である。
「僕のように、よくブログを書きなおかつそのブログの文章が長い人はだいたい「なんらかの意味で面倒くさい人」です。」という法則な話とか、
「しかしながら、1万2000人というフォロワーがいるいもかかわらず、僕は土日を一人で過ごしています。嫁も恋人もいません。」という自虐的な話とか、
「フォローワーも、「いいね!」もカネで買える」(5000フォロワー3800円、5000いいね!15000円が相場)というあからさまな話、そして
「楽天で1位」「iPhoneの○○ランキング1位」は実はたいしたことがないという話。
他にも1日で作ったサイトを150万円でヤフオクに売った話とか、3日で280万円集めたソーシャル募金とか、年収12億円アフィリエイターとマック赤坂を信用調査してみた話など生々しい体験談も読みごたえがある。業界人の私でも新発見や再認識できてよかったと思える情報がいくつもあった。
タイトルからするとソーシャルのブームに踊らされてもいいことないよという後ろ向きな本かなと思ったが。実は後半はネットベンチャーとしてのサバイバル論や仕事のうまい進め方なんかもたっぷり書いてあって案外にポジティブ指向。ソーシャル大好き人間でも決して厭な気分には終わらない。著者のサービス精神旺盛さを端々に感じる楽しく、そしてITベンチャーな人には参考情報満載の本。
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