新島八重 明治維新を駆け抜けた才女
数多あるNHK大河ドラマネタの便乗ムック本なのだが、これは八重の研究書や小説を書いた専門家が監修しているので情報がまとまっている。大量の写真と絵図を中心にビジュアルに新島八重周辺を解説する。「八重の桜」の脚本家山本むつみインタビューも収録。
冒頭で「八重を知るための4つのキーワード」が挙げられている。
1 故郷・会津の教え「ならぬことはならぬ」
2 男装して自ら銃を持った会津のはねっかえり娘
3 京都で開けた第二の人生 新時代のハンサム・ウーマン
4 篤志看護婦として兵士を救護した白衣の天使
このキーワードを意識しながら、当時の写真を見ると、江戸から明治の変わり目の烈婦八重のイメージがわいてくる。このひとつめの「ならぬことはならぬ」は会津藩士の子弟に伝わった掟であり、八重の生涯をつらぬくポリシーだったと考えられている。
「什の掟」
一. 年長者の言ふことに背いてはなりませぬ
一. 年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一. 嘘言を言ふことはなりませぬ
一. 卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一. 弱いものをいぢめてはなりませぬ
一. 戸外で物を食べてはなりませぬ
一. 戸外で夫人と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです。
随分と旧弊で封建的な教えに思えるが、その八重は新島襄と結婚するとキリスト教に改宗して近代的な思想も取り込んでいく。ファッションも着物と洋服をあわせていた。前近代と近代の変わり目を象徴しているような写真がある。徳富蘇峰に「頭と足は西洋だが、胴は日本、まさに鵺のごと
き女性がある」と誹謗された八重は、和洋折衷の日本の先駆け的な存在だったともいえる。
新島八重 愛と闘いの生涯
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1731.html
・幕末銃姫伝―京の風 会津の花
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/07/post-1677.html
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