新島八重 愛と闘いの生涯

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・新島八重 愛と闘いの生涯
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大河ドラマでは綾瀬はるかが演じるそうだが、本当はジャイアンキャラなのにしずかちゃんが演じるみたいなことになりそうである。実際の新島八重は夫の新島襄も書いているように、必ずしも美人というわけではなかった。盲目の兄の覚馬を担いで運んでいたという記録もあって、かなり体格がよく力持ち。この本で言及されているが、芸能人で言うなら森山中の大島美幸がイメージ的には近いらしい。そして性格は男勝りのリスクテイカー。ドラマではオブラートに包まれそうだが、本物の新島八重は戦争についてこんなことを書いている。

「随分ト戦ト云ふモノハ面白イモノデゴザイマシテ、犬死シテハツマリマセン。ケレドモ、戦ウトコロヲミマスト女デモ強イ心ニナルモノデ、モウ殺サレルトカト思ヒナガラモ丁度一町程先ノ所デ戦ッテイルノナド見マシテゴザイマスガ、ナカナカ面白イモノデゴザイマス。」

女性でありながら、自ら大砲、鉄砲、薙刀で戦いジャンヌダルクにたとえられた。どうも記述を見る限り、やむを得ず戦ったというだけではなくて、戦争が心底好きだったのではないかこの人と思える部分がある。

この本の後半は史料抜粋に解説をつけるという形で、本当の新島八重とその時代を明らかにしていく。鶴ヶ城籠城の空気が伝わってくる本人の回想、これも生々しい。史料の抜粋もこの本の魅力。

「お城のお廊下にまでまいりますと、入城者がたくさん集まってをります。門の前には、武士が抜刀で、『たとひお女中たりとも卑怯な事は許しませぬぞ』と声高く叫んでをります。いかにも殺気に満ちた有様で、あるご婦人などは、白無垢に生々しい血潮の滴っているのを着てをられました。これはたぶん、家族に卑怯者があって、城中に入って戦ふのは厭だといふのを手に掛けて、その足でまいられたのでございませう。」

新島八重の人生は3つの時代にわけることができる。これはだいたいどの関連本を読んでも同じだ。

初期 誕生~27歳 一度目の結婚と戊辰戦争を戦い鶴ヶ城に籠城、敗戦、そして離婚
中期 27歳~44歳 京都で新島襄と出会いクリスチャンになり同志社設立に立ち会う
後期 44歳~86歳 新島襄の死去で未亡人となり篤志看護婦、茶道家として活躍する

江戸と明治、会津と京都、看護と茶道など、3つの時期はガラッと内容が変わるはずで、ドラマの展開が楽しみ。後期は、赤十字に加盟し日露戦争で篤志看護婦として活動したりして、日本のナイチンゲールとまでいわれる。ただ新島襄がいなくて同志社とのつながりも薄くなるので、あまり大きな動きがなさそうだ。12月ごろのクライマックスをどう乗り切るかも気になる。

・幕末銃姫伝―京の風 会津の花
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/07/post-1677.html
新島八重の前期を描いた小説。ドラマの原作ではない。

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このページは、daiyaが2012年11月 4日 23:59に書いたブログ記事です。

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