ぼおるぺん 古事記 一
古事記成立1300年ということで今年はとにかく古事記ものが多いのだが、これは『夕凪の街桜の国』などで知られる漫画家こうの史代がボールペン画という手法で挑んだ異色作。
冒頭に古事記全文を写経の如く小さな字でびっしりとボールペンで書き写したページからはじまる。巻物のように見えるように敢えて裁断していない装丁が意表をついている。著者はとにかくこの原文にこだわる。現代語訳を一切使わないつもりのようだ。コマには常に原文が書かれていて、脚注でのみ現代語の解説がつく。
オフィシャルサイト
http://webheibon.jp/kojiki/
漫画の絵柄はこのサイトで見ることができる。
長いマラソンが始まった。この1巻では天地創生、国生み、天の岩戸、黄泉の国、ヤマタノオロチといった物語が描かれる。古事記の序盤というのは、神様が次々に生まれてくるだけの記述が多いので、どうしてもドラマチックにはなりにくい部分だが、淡々とした絵でドラマチックな物語をつくるのがうまい人なので、2巻以降の展開に大いに期待してしまう。
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