昆虫食入門
このブログでは『楽しい昆虫料理』に続いて2冊目になるが、別に私は昆虫食をしたいわけではない。純粋に好奇心で、ムシって食べたらどんな味がするんだろうと気になってしょうがないから読んでいる。
昆虫食には4つのグループがあるそうだが、
1 狩猟採集活動としての昆虫食を自然な行為ととらえるグループ
2 おいしさを追求するグルメとしての昆虫食
3 虫食いを娯楽と考えるエンタテイメントとしての昆虫食
4 食料としての有効性を調べる科学としての昆虫食
私は3である。
実際には私はセミくらいしか食べたことがない。この本によるとアブラゼミはナッツ味だというがエビみたいだった覚えがある。表現があいまいなのは形容が難しいからだ。まずくはなかったのだが、妙な気分であった。
昆虫料理研究会で46種類の昆虫を食べて、参加者にアンケートをとったデータが興味深い。たとえば昆虫の香りや風味は、ナッツ、トウモロコシ、豆腐。、エビ・カニ、油っぽい、青臭い、鶏肉。味は甘味、うま味、苦味、酸味、コク、水っぽい。食感はクリーミー、硬い。
味覚センサーで科学的に虫の味を調べると、ハチの子飯はウナギの蒲焼に近く、セミはアーモンドに近いという結果も示されている。虫は痛みやすいので新鮮なほうがおいしいそうだ。
ゴキブリが結構食べられるらしいというのは驚きだ。頭をちぎって消化器をぬき、翅、脚もとって刺身でポン酢で食べるとホヤの刺身みたいだとか、腹に塩を詰めて焼くとエビを焼くような香ばしいにおいがするとか、うへえという感じであるが、著者は自宅で養殖しているくらい、慣れればうまいらしい。確かに清潔な環境で育てればゴキブリもそんなに汚くないわけである、か。
この本は、ゲテモノ、キワモノ趣味というより、昆虫食の真面目な研究書という面が強い。著者は昆虫も食材のひとつとして普通にとらえていて、人類の食料としての可能性についても真剣に検討している。読んでいると、昆虫食ってそれほどヘンなものじゃないのではないという気になってくる。そんなわけないんだけど。
タイ料理の調味料として使われているというタガメが気になる。
楽しい昆虫料理
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/10/post-1322.html
すごい虫131―大昆虫博公式ガイドブック
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/10/131.html
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