北朝鮮 金王朝の真実
金正恩政権になって不気味さを一層増している北朝鮮。
大宅荘一ノンフィクション賞を受賞したこともある北朝鮮事情に詳しいジャーナリストが、金正日時代の知られざる内情を暴く。
著者はまず金正日時代とは、
1 軍事独裁であった
2 核開発をして反政府機運を反米へすり替えた
3 父親・金日成を殺した
4 300万人を餓死を装って殺した
という4つの大きな動きに要約できるとまとめている。かなり刺激的な内容。
金日成は1980年に金正日を後継者として披露して以降、息子に内政のほとんどを任せていたが、それが破たんしていたことを長く知らなかった。権威がない息子に箔をつけえるために核開発を実行し、米国との緊張の駆け引きに持ち込んだ。上に上がってくる報告を信じて、農業はうまくいっていると思っていたが、現実には飢餓で数百万人の人間が死んでいたという。息子正日は飢餓を使って敵対する勢力を大量に殺してもいた。そして米国との関係で意見が対立していた金日成の急死にも金正日が深く関わっていたと著者は断言する。
この本の情報からすると金正恩はかなり危険な人物だ。むしろメディアで放蕩なドラ息子と報じられてきた長男の金正男が教養や正常な判断力を持った人材であるらしい。
「北が通常兵器で攻撃するだけで、朝鮮半島の死者は100万人規模。負傷者はその十数倍。核兵器を使うならばその被害は想像を絶する。」
日本にとっても北朝鮮は大地震と同程度にリスク。どちらもどうなるか予測できないのが共通点。ここに書いてあることがどの程度真実なのかは確かめるすべがないわけだが、やばそうな雰囲気が漂っていることはよくわかった。
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