スケルトン・クルー 骸骨乗組員
スティーヴン・キングの短編集。原著は85年の出版。キングが18歳の時に書いた『死神』などごく初期の作品も含めて6編。
映画『ミスト』の原作となった中編『霧』が収録されている。これ目当てで読んだ。
突然の嵐の後、湖畔の町に白い霧が降りてくる。主人公と幼い息子は車でスーパーマーケットへ買い物に行き、商品を見ている間に、店は視界を閉ざすほど濃い霧に包まれる。外から血まみれの男がかけこんできて霧の中に何かがいるぞと叫ぶ。不気味ななにかによって外へでた人々が惨殺されていく。閉じ込められた数十人のお客と店員たちは、恐怖の数日間を過ごす。得体のしれない怪物が襲ってくる怖さに加えて閉じ込められて追い込まれた人間たちが、派閥に分かれて争う様子がリアルに描かれていて怖い。
それからアメリカ人にとってのサバイバルというのは銃と車がポイントなのだなと改めて思う。このふたつがないと物語が成り立たない。日本のホラーパニックとの大きな違いをうんでいる気がするなあ。
この映画はパニックものとして傑作。エンディングほかいくつか変更もあるものの進行は原作のとおりにつくられている。女教祖は映像の方が怖い。テキストでは想像力にまかされていた怪物をこれでもかとばかりに映像化しているVFXも素晴らしい。監督は『ショーシャンクの空に 』『グリーンマイル』のフランク・ダラボン。
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