羊の木(1)

| | トラックバック(0)

・羊の木(1)
51dtXsPbVPL._SL500_AA300.jpg

すごい傑作が誕生する予感の第一巻。

『がきデカ』の山上たつひこが原作、近年は『アイ』や『かむろば村へ』で傑作を出している『ぼのぼの』のいがらしみきおが作画。ふたりのギャグ漫画巨匠が取り組んだ青年漫画。

かつては海上交易で栄えた魚深市。いまは住民の高齢化、企業の撤退、過疎化、人口流出が進み人口は13万人に減っている。

魚深市長は、凶悪事件の受刑者11人を市に受け入れることを決めた。公共事業が減る中で出所者の社会復帰にかかわる事業は成長を見込めると考えたのだ。受刑者の更生政策をすすめたいという国の思惑もあり、受け入れ自治体への特別交付金も見込める。市長の先祖は江戸時代に多くの囚人の更生の面倒を見たことで知られる地元名士でもあったこともあって更生促進に特別な使命感を持っている。

極秘の試行プロジェクトなので、受刑者を受け入れることは市民には一切知らせない。受刑者にも誰が他の受刑者なのかは教えない。市長は親しい友人の市民3人に世話役としての協力を依頼して、密かに受け入れを開始する。

市にやってくる受刑者たちは表面的には更生しているものの、強盗殺人、強姦魔、詐欺、恐喝傷害、覚醒剤、窃盗、誘拐、殺人死体遺棄など、ひとり残らず相当ヤバイ過去を持っている。情緒不安定が露見するものもいる。

受刑者たちは知ってか知らずか、町のあちこちでつながりはじめる。性質のよくない新聞記者も、市長まわりになにかあるなと嗅ぎつけてきた。愛を持って取り組んだプロジェクトであったが、しだいに不穏な空気が漂い始める。そしてもうすぐ運命の「のろろ祭り」の日が近づく。

ということで、まだ物語の本筋もみえないが、極めて面白そうな展開が期待できる予告編みたいな一巻であり、二巻は2012年の夏ごろとのこと。

・かむろば村へ
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/09/post-1513.html

・【アイ】 第1集
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/08/i-1-1.html

・Sink
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/08/sink.html

Clip to Evernote

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 羊の木(1)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.ringolab.com/mt/mt-tb.cgi/3446

このブログ記事について

このページは、daiyaが2011年12月17日 23:59に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「回転寿司の経営学」です。

次のブログ記事は「PlayStation Vita (プレイステーション ヴィータ) 3G/Wi‐Fiモデル クリスタル・ブラック (初回限定版) (PCH-1100 AA01)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.1