2011年7月アーカイブ

・創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史
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演歌はいつから「日本の心」なのか?

昭和を歌う演歌は不思議である。登場人物の多くが、下積み中の流しの歌手であったり、不幸な身の上のホステスだったり、不倫で心中しようとしている女だったり、一般大衆というにはプロフィールが偏っている。その人生は経済成長の時代背景に反して「暗く、貧しく、じめじめして、寒々しく、みじめ」なイメージに満ちている。

著者はまず「日本の心」としての演歌は60年代にはじまり70年代に完成した比較的新しい文化なのだということを明らかにする。明治・大正には社会批判を歌う演歌の伝統があったが、昭和の演歌とは別物であり、それは昭和40年代のレコード業界の再編と専属歌手制度と密接な関係があったそうだ。流し、ドサ回り、長い下積みといった要素は歌手のおかれた背景に由来する。

「推測するに、設立当初のクラウンレコードは経営難であり、派手な広告も打てず、レコードを立て続けに発売することもできなかったため、結果として地道な実演や各地の盛り場の「流し」との連携を通じて一曲を長く売らざるをえなかったのではないでしょうか。それがいつの間にか「演歌の世界の常道」として定着してゆき、今日まで繰り返される苦行のような商店街のレコード店や有線放送局でのキャンペーンといった各種の「言葉」が、業界の「伝統」や「しきたり」としての意味を負わされるようになってゆくのです。」
そして著者は、明るく豊かになった人々が、近代化や経済成長から取り残され疎外されたアウトロー的人物像に対して、ある種のやましさと憧憬を持ちながら称揚したのが「日本の心」としての演歌であると結論している。

「「演歌」ないし「艶歌」が「日本的」なものとして真正性を付与されるにあたっては、股旅やくざと遊女、その現代版としてのチンピラとホステス、そうした人々の空間である「盛り場」といった、「健全なお茶の間」の公序良俗の空間から危険視されるアウトローと悪所にこそ「真の」民衆性が存するのだという発想があった、ということです。」

時代遅れになってしまった人たちを歌っているわけだから、演歌は最新の楽曲でも常に古臭いものなのだ。下層・アウトサイダーの逸脱がメディアを通して、民衆的・大衆的な「国民文化」として定着していく事例は他国の音楽文化にもある普遍的な現象として位置づける。アメリカのルーツミュージックしかり、ブラジルのサンバしかり、アルゼンチンのタンゴしかり。

逆に、エリートやお金持ちを歌う国民文化というのは、大衆社会の力学的にありえないのであろう。流行歌というものが、個の才能(歌手や作詞家、作曲家)によるものであると同時に、同時代の社会学的な構造に規定されて、生まれてくるものだということを明らかにした本でたいへん面白い。研究的にも相当価値のある内容だと思う。

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記念日、発売日、記者発表日、放映日、講演イベントなど、あと何日かをカウントダウンするアプリが私は大好きで過去にも何本も取り上げているが、このいつだっけメモ Count It ! は雰囲気が楽しくて愛用中。

「あと何日」でも「から何日」(経過日数)でも表示させることができる。複数の日程を登録しておいて、一覧で見られるのがいいかんじ。「目ざまし時計の電池を取り換えてから」で取り換えペースを知るなんてこともできる。

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アイコンバッジ機能があり、予定のなかからひとつだけ選んで、スターをつけることで、アプリを起動しなくても日数がわかるようになる。

用途はいろいろある。(開発者の説明より)

★カウントの例★
美容院行ってから何日たった?
子供の予防接種してから何日たった?
禁煙はじめて何日目?
ダイエットはじめて何日目?
DVDレンタルしてから何日たった?
ペットのトリミング行ってから何日たった?
エアコンの掃除っていつしたっけ?
シーツの洗濯っていつしたっけ?
ジム行ったのいつだっけ?
恋人とつきあいはじめて何日目?
結婚してから何日目?
子供が生まれて何日目?
お客さんに挨拶行ったのいつだっけ?

いつだっけメモ Count It ! - Goodia Inc.

・2100年、人口3分の1の日本
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歴史人口学者が書いた刺激的な本。長期的視野で人口オーナスの行方を鮮明にする。

  "人口ゼロ成長"をめざせ
 15年ぶり 白書で6項目の提言
    子供は2人が限度

1974年(昭和49年)4月16日の毎日新聞記事の紙面複写が引用されている。戦後2度目の「人口白書」では、当時1億1千万人の人口増加傾向を、いかに早期に止めるかが国家の課題であった。「静止人口」を目指して政府主導の「少子化」がすすめられた。現在の「少子化対策」の逆で出生率を下げる施策がうたれた。そしてついに2005年には人口の減少が確認された。今日の日本の人口減少は37年前の"夢の実現"にあたる。
そもそも縄文以来の歴史を振り返ると日本列島の人口は4回減少したことがあったそうだ。過去の減少も、気候変動や戦争、災害ではなく、「文明の成熟化」が主な原因だったというのは興味深い。ただし今回はエネルギー資源や原材料があまり残っていないから、人口の再増加が期待できないかもしれないという予見も示される。

現在の変動傾向が続けば、100年後、日本人口は4000万人になる。この本には、人口4000万人時代の暮らしと経済、都市と地方、人間関係、そして外国人5000万人の未来、人口100億人の世界が論じられている。

マクロの変化も重要だが、一般読者として興味深いのは、人々の暮らしや人間関係、都市と地方の様子がどのような影響を受けて、どのように変貌を遂げるのかだ。

・人口の4割が高齢者で独り暮らしの老人が2030年には700万人
・人生90年時代の長すぎる老後・長い結婚生活。「永遠の愛」は誓わない時代に?
・四国、東北、北海道は2035年までに人口が20%減り、一部の大都市が増える
・人口の3分の1が外国人になる?
・豊かな田園国家という方向性もありえる

歴史や人口統計という現実的なデータにもとづきつつも、著者が語るのは、現状とは大きく違う刺激的なイメージだ。人口論がただの計算ではなくて、文学的構想力、社会的想像力をふくみうるおもしろい学問分野なんだなと見直した。

人口減少の問題は労働人口の比率が低下して、経済を支える層が少なくなってしまうこと。日本の場合は、高齢者の高い労働意欲や女性の低い社会進出度に大きな成長の可能性がある。そして、成長を続けるには大胆な産業構造の変革が必要だとのこと。私はIT畑だからどうしても○○×ITで掛け算したくなるわけだが、

女性 × IT =
高齢者 × IT =

もしくは

女性 × 高齢者 × IT =

で、ブレストしてみるか。

・人口負荷社会
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/07/post-1474.html

・国語教科書の中の「日本」
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いやあ、おもしろいなあ、痛快だな。子ども時代からのもやもやがすっきりしていく。昔からそうだったよ、国語の教科書は。

著者は、小中学校の教科書を精査し、国語教育が「古き良き日本」ばかりを教える偏った道徳教育になっている実態を批判する。私の頃もそうだったがトップシェアの光村図書の教科書を中心に、そこは保守イデオロギーの塊なのだ。

「光村図書の『こくご 上』を読んでいたときのことだ。小学校に入学してはじめて手にする国語の教科書である。だから、「あいうえお」を学ぶことになる。それに例示されているものが気になったのだ。「あ」は「あめ・あり・あひる」、「い」は「いす・いるか・いのしし」、「う」は「うし・うみ・うちわ」、「え」は「えき・えほん・えんとつ」。いまの子供が「うちわ」や「えんとつ」にどれだけのリアリティーを感じるだろうか。しかし、もっとおかしいのは「おけ・おに・おの」。どれも「古い日本を象徴するものばかりなのである。」

「動物に関する教材」が多く、全体として「自然に帰ろう」で「都会生活の無視」は国語の教科書のパターンのひとつだそうだ。高学年になってくと保守イデオロギーは、どんどん顕著になっていく。いまだに母親は「かっぽう着を着て、白いてぬぐいをかぶっている母」のイメージがまかり通っており、戦争中や戦後は「物の豊かさ」はなかったが「心の豊かさ」はあったことになっている。そして「過去から現代、そして未来へと暮らしは変化していくが、人々の心は同じはずである」という「心」に関するメッセージ。

私の小学校時代の国語の記憶といえば井上靖の『しろばんば』だが、あれも田舎で昔はよかったという話だ。教科書に頻出する「少年時代の思い出」や「父親の不在」「田舎の生活」で典型的要素たっぷりの作品だった。

著者はこうした偏りを指摘するが、出版社の編集者や教科書の編集委員を批難するわけではない。「おそらく意識しないで「自然」な感覚で編集したらこうなってしまったことこそが大きな問題」だとしてイデオロギーの恐ろしさを指摘する。

相対化し、客観化し、批判的に見る能力を養うべきだというのが著者の教育への提案のようだ。曰く日本語に「正しい」も「美しい」もないし「乱れ」もない。基準がないのだから主観に過ぎない。「古き良き日本」の保守イデオロギーは教科書に浸透し、子供たちに偏ったパラダイムを植え付けるている。さらには受験勉強で求められる正解としての答えとして、思考回路に刷り込まれていき、多様な解釈の可能性を阻む。

国語に置いては「論理的思考力」もまた相対的なパラダイムのひとつに過ぎないという。
「「論理的思考力」は普遍的なものだと思い込むと、「あなたは論理的ですね」「あなたは論理的じゃあありませんね」という振り分けが必ず起こってくる。そうではないのだ。パラダイム・チェンジによって「論理も変わるということが理解されていれば、「あなたの言っていることはこういうパラダイムの中でならば論理的ですよ」という教育ができるはずだ。」

ここに著者の教育観の真髄がみえる。いろいろな道徳がある、いろいろな価値観がある、ということこそ教えるべきことだという意見に、天の邪鬼な子供だった私(今でもか)はものすごーく共鳴してしまうのである。

正解はひとつじゃないと教えるのが難しいという教育の現場の問題はきっとあるのだろうけれども。

・ヴァレンタインズ
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面白くて、読みやすくて、上質な味わいの外国文学。とてもおすすめできる作品。

現代アイスランド文学の旗手オラフ オラフソンの第一短編集。2006年度アイスランド文学賞を受賞、O・ヘンリー賞受賞作を含む。

短編作品が「一月」から「十二月」まで12編収録されている。夫婦や恋人たちに破滅が訪れるような瞬間という切り口で、少し意地悪に人生の機微をとらえる。どんなものか、たとえていうなら、恋人とのベッドの中で違う異性の名前を呼んでしまった気まずい瞬間みたいなものが、12個並んでいると思ってもらえればいい。

人の不幸は蜜の味というけれども、12種類もの不都合な人間関係がカタログ商品みたいに次々に出されると、なんだか可笑しくなってしまう。ヤバイのは少なくとも読者の私じゃないのだからね。人生の闇がテーマでありながら、ほほえましい感じがする、絶妙な仕上がり。

抑制が効いた文体で、そこはかとないユーモアを感じる。日本人好みの作家だと思う。そしてこの作家が面白いのは、実はビジネスの世界での相当の実力者だということ。著者はソニー・インタラクティブ・エンタテイメント初代社長をつとめ、プレイステーションの世界展開の立役者だそうだ。今はアメリカのタイムワーナー副社長をつとめる。だが作品は経営小説的要素やプラグマティズムの気配をまったく感じさせない。

夏にホテルのプールサイドで読書するのにいいとおもう。

・NHK-DVD ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる [劇場版]
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★アマゾンの奥地で1万年以上に渡り独自の文化と風習を守り続ける「ヤノマミ族」
を世界で初めて長期同居取材敢行!
★人間という存在、生と死の意味を深く見つめてゆく、奇跡的な問題提起作品に多く
の人が衝撃と感動を覚えた!
★TVでは放送することができなかったシーンを加えた、劇場特別公開版でDVD
化!

放送文化基金賞優秀賞受賞作品

先日紹介した傑作ノンフィクション『ヤノマミ』の著者はNHKディレクターであり、そもそもは、この番組を作るために取材にでかけたわけである。撮影した映像は劇場版映画としても公開された。

書籍で読んだ戦慄の光景が生々しく映像で襲ってくる。死んだ嬰児や屠殺された豚の内蔵などテキストでもインパクトがあったものが、これでもかといわんばかりに映し出されている。血が苦手な人は目をつぶってしまうことだろう。

ヤノマミ族の無表情さも恐ろしい。喜怒哀楽を表わす顔の所作がもしかしたら私たちの文化と異なっているのだろうか。なにかを話しかけてきているのに、感情がまったく読みとれないのだ。撮影にやらせもなさそうだ。取材班とヤノマミ族はどう考えてもなれあい関係がなくて、むしろ相当の距離感があるのだ。テキストにある通り、取材班はやっかいもの、よそもの扱いされていたようなのである。

監督インタビューでは距離感を認めつつも、それでも白人よりはモンゴロイドの顔だから、ヤノマミ族と距離を縮められたはずと答えている。平和だったのは、取材班が40過ぎのオヤジだったため、部族の男たちと若い女性を奪い合うライバルとみなされなかったからだろうとも。部族の女性たちからは軽くあしらわれている雰囲気もわかる。スリル、緊張感が常にあった。対象に棲みこんで本質をみるエスノグラフィー的アプローチがうみだしたドキュメンタリとして名作である。

・ヤノマミ
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/07/post-1477.html

・おそらに はては あるの?
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子どもを理系に導くならこの絵本がおすすめ。小学生くらいがいい。

"おそらに、はてって あるのかな。
 それとも、はては なくて
 どこまでも どこまでも つづいているのかしら。
 よるの ほしぞらは
 はてしなく どこまでも どこまでも
 つづいているのかしら。

 あなたは どちらだと おもいますか?"

もしも宇宙が無限の広さを持ち、星が無限にあるならば、夜空は星の光りでみたされてしまうのではないか。1826年に提唱された"オルバースのパラドックス"を材料にして宇宙論の研究者 佐治晴夫教授がつくった子供向けの絵本。

オルバースのパラドックス自体は現代ではその前提が否定されているが、この本では、こどもに宇宙の果てがあるかもしれないことを理論的に想像させる、知的な道具として実に見事に使っている。親もいろいろと考えることができて名作だとおもう。

うちの息子も小学生になって、理系の資質をあらわしはじめている。先日の寝る前の質問は「4次元とか5次元とかはあるの?」だった。私は得意になって「いや実はだな、最新の物理学によると、この世界は11次元なんだ。3次元+時間で4次元あるよね、で、残り7次元はすごいミクロのレベルで折りたたまれていて、人間にはわからないんだよ」と本で読んだ知識を答えてやったら不満そうな顔で寝た。この疑問をすっきりわからせる絵本ないかなあと探している。

・あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術
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『ブログ 世界を変える個人メディア』を書いた著名ジャーナリストのダン・ギルモアの最新刊。前著から6年、個人メディアが世界を変える動きは着実に進んでいる。原題は"Mediactive"。メディアとアクティブをつなげた"行動するメディア"という意味の造語。賢いメディアの消費者から、行動する利用者へ。メディア変革、次のステップの指南書だ。

信頼できる次世代のメディア空間をつくるためには、

・信頼できる情報源を見つける
・信頼できなくなった情報源を仕分ける
・会話に参加する

という個の資質が求められると著者はいう。メディアクティブ時代のリテラシーとしては、深読み能力だけでは不足だ。地域やネットの会話に加わって、知識を活かすことで、、自分が属するコミュニティをもっと豊かにしていく能力が求められている。

「スローニュース」という緩やかなニュース文化というコンセプトも

速報ニュースとツイッター、ブログの時代には、我先にと入手したばかりの情報に、反射的に物を言うコメントダービーになりがちだ。しばしばデマや不正確な情報に基づいて情報を発信してしまう。Wikipediaの編集のように、事実と推論をコミュニティの会話によって線引きして表示するような、ニュースの減速の方法論をダン・ギルモアは推奨している。

・コミュニティーに根ざした信頼のネットワークをつくり、評判を最も重要な要素として利用する
・アグリゲーション(集約)やキュレーション(編集)を通じて情報を発見し、文脈づくりをするためのツールを改善していく
報道はテーマ主導型に。"記事"のスタイルは、新しい情報を入手しだい、逐次取り込むというダイナミックなものにし、読者の理解を促進していく。

など未来への提言がいっぱいある。

コミュニティと会話がメディアの未来に深くかかわっている。メディアは読むものではなく参加するものになってきた。だからタイトルが「あなたがメディア!」なのだ。フリーのジャーナリストやブロガーにとっては明るい話題が多い。

基本的に、ソーシャル時代のビジョナリとしてダン・ギルモアはかなり楽観的なタイプだが、もちろん影の部分も少し紹介されている。たとえば、オバマ大統領の発言の引用はこれからの問題の先取りになっている。

「ここにいるみなさんは、フェイスブックへの書き込みには注意してください───なぜならユーチューブ時代には、みなさんのあらゆる行いが、その後の人生のどこかで再び取り上げられるかもしれないからです。そして若い時には、過ちを犯すし、愚かなこともしてしまう。そんな様子をフェイスブックに投稿し、いきなり就職活動を始め、そして誰かがネットを検索したら...。これがみなさんへの政治家としての実践的なアドバイスです。」 バラク・オバマ アメリカ合衆国大統領 ホワイトハウス講演録。

すべてが記録に残ってしまうデジタル時代。過去に対してある程度寛容に社会をつくらないと、こどもたちにソーシャルメディアへの早期の参加を薦められないということにもなる。ちょっとした"時効"ルール、"免罪符"みたいなものをつくる必要があったりして。

・ぴあ [最終号]
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ついに出ました、ぴあの最終号。準備に時間をたっぷりとっただけあって、完全保存版の特集が素晴らしい。

学生時代は大変お世話になった雑誌であり、休刊は本当に残念で仕方がないけれど、よく考えてみると私自身が10年以上買っていなかったわけで、そりゃあ、続かないのも当たり前である。チケット情報誌として、強力な競合インターネットが登場してから、約15年間は持ちこたえたのだから、健闘したといえるのかもしれません。おつかれさまでした。

内容的には、

・メモリアル企画1:表紙を飾った「ぴあの顔」
 奥田民生、爆笑問題、広末涼子など著名人約20名のメッセージと
 撮り下ろし写真で表紙イラストを振り返ります。
・メモリアル企画2:表紙イラストから考察する洋画40年史
 『ロッキー』『地獄の黙示録』『E.T.』......表紙を彩った圧巻の洋画作品!
・メモリアル企画3:マイ・ベスト・ぴあ
 表紙作品1300点一挙公開!
 みうらじゅんの私的ぴあ表紙ベスト10発表&読者の選ぶ表紙ベスト10発表!
・メモリアル企画4:及川正通ロング・インタビュー(後編)
 ぴあの時代、そして未来へ。
・メモリアル企画5:ぴあMAPで振り返る「東京」
 70年代「新宿」、80~90年代「渋谷」、00年代「六本木」
・メモリアル企画6:「今週の客人」プレイバック!
 ゆず、ウルフルズ、ロンドンブーツ1号2号...... 編集部を訪れた若かりし日をプレイバック!

・メモリアル企画7:復活! はみだしYOUとPIA

で、

特別付録に「1972年「ぴあ」創刊号<復刻版>」がついてくる。これがすごいのだ。

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なんとロードショー情報に「ゴッドファーザー」が紹介されている。シネコンなんて存在しない。まだまだ場末の映画館が数としてはいっぱいあって、ピンク映画と一般映画が混在して紹介されていたのも時代を感じるところです。

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かつて情報がなくて飢えていた昔と、情報が多くて迷う現在とどっちがよいかといえば、やっぱり現在の方がいいのだが、雑誌を食い入るようにみて、内容を想像したあの頃も楽しかったなあと懐かしく思える復刻版なのでした(そうはいっても72年は私にとっても古すぎる年代だけど)。

・裸のプレゼンター
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今クールなプレゼン様式のトレンドといえば、ガー・レイノルズのプレゼンテーションZENは間違いなくそのひとつだ。私は先日のTEDXTOKYOで生で体験して、やっぱり洗練されているなあと感じた。それに真似のできない属人的方法論でもなさそうだ。

「抑制」「シンプル」「自然」を特徴とする現代的プレゼンテーションの解説書。スティーブ・ジョブズ流ともいえる。「プレゼンをパフォーマンスではなく「大きな会話」だと思え」「論理と感情の両面に訴えるために「物語の力」を使え」「」など、いいアドバイスがあるが、一番共感したのが「弁解の言葉でスピーチを始めてはならない」ということば。

「その日の聴衆のための準備を怠ったことに対して謝罪をしてはならない。それを匂わせてもいけないし、ましてはっきり認めてしまうのはご法度だ。準備を怠ったのは確かに真実かもしれない。あなたの謝罪は(単なる弁解ではなく)心からお詫びしたいという気持ちの表れかもしれない。だが、その思いは決して聴衆には伝わらない。思い通りの準備ができなかったことに対する嘆きなど、聴衆にとってはどうでもいいことだ。わざわざそれを口に出して、彼らの頭に刻みつける必要などない。」

「資料を準備する時間がなくて」「昨夜はあんまり寝ていなくて」「いますごく緊張しているんですけど」なんて言葉ではじめては絶対にいけない、マイナス評価につながることはあってもプラスにはならないから禁句なのである。

そしてなにより本質は真実味。ありのままをさらけ出すことが「裸」の意味だ。

「真実味は、話し手の存在感の重要な構成要素である。「本物」は人を魅了する。聴衆が求めているのは完璧さではない。過度にリハーサルを繰り返し、巧みな言い回しで、論点をぺらぺらとまくしたてる人間などいらない。彼らはありのままの自分を素直にさらけ出した「リアルな人間」の言葉をききたがっているのだ。」

そういった意味ではYoutubeではなくライブで見ないと伝わらないプレゼンでもある。Youtube動画でも洗練されているのはわかると思うが、当日の会場ではライブの迫力と緊張感があった。

基本編の『プレゼンテーションzen』、実践編の『プレゼンテーションzenデザイン』とあわせて読むとよい応用編。


ソーシャル読書セミナーを今年度も開始します。著者をお招きして講演とディスカッションをするイベントです。第一回はサイバーエージェント取締役人事本部長の曽山哲人さんを講師に迎えて、私がナビゲーターをつとめます。ビジネス、経営、リーダーシップ、先端ITの話題と、参考図書に限らずオモシロイ書籍の話題を広げていく予定です。

今年は参加者の相互交流による人脈づくりのお役にも立ちたいと思って少し企画を変えています。興味のある方、ぜひお気軽にご参加ください。

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多摩大学知識リーダーシップ綜合研究所・大手町サンケイプラザ同開催
ソーシャル・リーダーシップセミナーのご案内
http://www.ikls.org/archives/274
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【2011 キックオフセッション】
■ 高成長組織の作り方レシピ公開!~サイバーエージェント流人材育成術~


特別講師  曽山哲人 (株)サイバーエージェント 取締役人事本部長
ファシリテーター 橋本大也 研究所客員教授
参考図書「サイバーエージェント流 成長するしかけ」日本実業出版社
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参考図書「サイバーエージェント流 自己成長する意思表明の仕方」プレジデント社
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「21世紀を代表する会社を創る」を目指し、急成長を続けるサイバーエージェント。
しかしその成長は平坦ではありませんでした。離職率30%を超えるベンチャー企業が、
いかにして「働きがいのある会社」に変身したのか!」
その仕掛け人とともに高成長組織の作り方について議論します。

・開催日時  8月19日(金) 18:30~20:30(18:00会場)
・費  用  5,000円
*本セミナーは後半、ドリンク、軽食を取りながらのカフェ形式開催となります。
上記費用には、ドリンク、軽食代が含まれます。
・会  場  大手町サンケイプラザ
(東京メトロ大手町駅A4、E1出口直結))
http://www.s-plaza.com/map/index.html

【ソーシャル・リーダーシップセミナー】
ソーシャル・リーダーシップセミナーは、書評アルファブロガー、橋本大也(研究所客員教授)
のナビゲートで話題の本、話題のテーマについて、直接著者をお招きしながら議論する、
対話形式の読書会です。参加者の相互交流を交え、互いに成長できる実践的学習の場を目指します。


■お支払いについて
本セミナーは、受付にて当日のお支払いとなります。
なるべく釣銭の無いよう会費のご準備をお願いします。
また開始直前は受付が大変込み合うかと思いますので、
早めの来場をお願いします。

■お申し込み方法
必要事項を下記アドレスまで返信ください。

大手町サンケイプラザ セミナー申込窓口
◆ seminar@s-plaza.com

お申込メールの必要事項
1 お名前
2 ふりがな
3 ご連絡メールアドレス
4 会社名
5 部署名

当日は参考図書が読まれている前提で進行いたしますので、
なるべくお読みになったうえでご参加ください。


以上

・マクルーハンの光景 メディア論がみえる [理想の教室]
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マクルーハン生誕100周年だそうだ。ちょうどわかりやすい入門書がでていた。

3つの講義形式をとる。親切で落ちこぼれをつくらない授業だ。

マクルーハンの難解な『外心の呵責』の全文和訳を素で読んだあとに、著者による行レベルの丁寧な解説がつく第一講。専門家に横についてもらいながら、本物を体験できる感じで、安心して読める。

第2講ではマクルーハンの生涯と主な著作についての解説、そして「メディアはメッセージである」の解釈。第3講では「地球村」の概念の再検討と、その思想の芸術面への広がりについて語られる。

マクルーハンの思想の中心にあるのは「メディア=テクノロジー=人間の身体と精神の拡張」という考え方だ。その著作は、インターネットもケータイもなかった時代の執筆にも関わらず、現代に起きていることを予言していたかのようなことばで満ちている。

「文字文化以後の人間が利用する電子メディアは、世界を収縮させ、一個の部族すなわち村にする」「あらゆることは起こった瞬間にあらゆる人がそれを知り、それゆえにそこに参加する」。マクルーハンのいう地球村は、ツイッターであり、Facebookであり、「あらゆることは起こった瞬間にあらゆる人がそれを知り、それゆえに参加する」環境は現出している。」

マクルーハンの主張は、

(1)電子メディアの到来が「新しい環境」を生み出すこと。
(2)「新しい環境」の特徴とは「同時多発性」であること。

ということ。

マクルーハンの文章は文学的芸術的表現が多いので、著者によって骨子と、その核心に触れるさわりだけ抜き出して紹介してもらえるのがありがたい本だ。

個人的にはホットとクールについての正しい理解ができたのがよかった。

ホット・メディア:高精細度=低参加度(ラジオ・活字・写真・映画・講演)
クール・メディア:低精細度=高参加度(電話・話し言葉・漫画・テレビ・セミナー)

「メディアの伝える情報の密度が高いと、補完する必要がない。それを受け手の「参加度が低いと表現します(高精細度=低参加度)。これが「ホット・メディア」です。 逆にメディアの伝える情報の密度が低いと、受け手は、不足の情報を頭で考えて補完する必要がある。それを「参加度が高い」と表現します(低精細度=高参加度)。これが「クール・メディア」です。」

マクルーハンはアフォリズム(警句)は「不完全ゆえに奥深い参加を求める」クールメディアだと言ったそうだが、マクルーハンの著作自体が、豊饒な意味を内に秘めた究極のクールなメディアのように思える。

・ポケモンの名前言えるかなファン必携 iPhone ポケモン言えTAP?
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TVアニメのエンディングソング『ポケモン言えるかな?BW』が小学生に大人気である。

"ミジュマル・クルミル・ダルマッカ ダブラン・マメバト・エンブオー・ゾロアーク ダンゴロ・ヤナップ・ゼブライカ バオップ・ホイーガ・ヒヤップ・ポカブ! チョロネコ・ツタージャ・マラカッチ ココロモリ・ハハコモリ ..."(歌詞)

この歌はイッシュ地方のポケモン153匹を次々に呪文のように唱える、ポケモン寿限無ともいうべき内容。しかも早口で歌うので曲芸みたいである。(かつての『ポケモン言えるかな?』の最新版)。

ある日、我が息子が全部を見事に歌いきるのを見て、こいつは天才か?と思ったが、イマドキの小学生は当たり前のように全部歌えるそうである。実際、この前、ポケモンセンターに行ったらBGMでこの歌が流れると同時に、来場していたこどもたちの大合唱が始まった。こどもの暗記力はおそるべしである。

アニメ制作会社は、次のバージョンをつくるときに、歴史の年号とか数学の公式とか役立つ知識を暗号的に織り込んでおいてくれると、こどもたちの暗記力が無駄に終わらなくてよいと思う。

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それでこのiPhoneの期間限定配信ゲームだが、典型的な音ゲー。『ポケモン言えるかな?BW』が流れて、ポケモンの名前をいうところでタイミングよくタッチする。ポケモンカードがつぎつぎに表示されるので、こども大満足。クリアするとむずかしいモードへ進める。iPadだとさらに大迫力。

ポケモン言えTAP? - The Pokemon Company

で、恒例の夏休みのポケモン映画が公開になっているので週末に観てきました。

映画『ビクティニと黒き英雄ゼクロム』『ビクティニと白き英雄レシラム』
http://www.pokemon-movie.jp/black/
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今回は黒き...と白き...の2本同時公開。といっても2本立てではないので、どちらかを選ぶ必要がある。黒き...を観たが、白きとのストーリーの違いが大変気になるところである。家族連れを2回呼び込むしくみになっている。ポケモンビジネスは1兆円産業といわれるが、本当に商売がうまい。

午前10時に映画館についたのに、長蛇の列。DSゲームへのデータ配信という特典つきの前売り券を鑑賞券に引き変えるのに40分もかかった。夏休み後半にいくのが吉かもしれない。

ちなみにポケモン映画のデータベースアプリもある。

ポケモン映画プレイバック・ザ・ヒストリー - The Pokemon Company

ヤノマミ

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・ヤノマミ
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これは傑作。

アマゾン奥地で暮らすヤノマミ族と150日間におよぶ同居生活をしたジャーナリストの体験ルポ。

ヤノマミとは人間という意味。彼らは1万年間独自の文化と風習を守って生きてきた。現代人から鉄器を入手したのは最近のことだから、ずっと石器時代に近い狩猟採集中心の暮らしを続けてきた。現在彼らの森は先住民保護区に指定されており、文明との接触が稀になっている。ほとんど世界最後の「未開」の部族だ。

著者が訪れたヤマノミ族は、シャボノと呼ばれる直径60メートルの巨大なドーナツ状の家に167人が集団生活を営む。中央の空洞の広場は共有スペース。屋根がある円周部分で生活をする。家族ごとの囲炉裏とハンモックはあるが間仕切りがない。彼らは食べる時も眠るときもそして性行為をするときも丸見えになる。

仲介者を通して取材の了解を得ていたにも関わらず、取材班が歓迎されたのは最初の1週間のみ。「あいつらはいつまでいるんだ?」と訝しがられ、貴重な食糧をわけてもらうこともなくなった。そして取材班は幻覚剤を服用した半狂乱のシャーマンに凄まれる。

「聞いているか! 聞こえているのか! 私の声が聞こえているのか!
お前らは敵か? 災いを持つ者なのか? 敵でないなら味方か? 味方なら何かいい報せを持ってきたのか? 本当は何なのだ! 味方か? 敵か? <ナプ>なら殺すべきなのか? この<ナプ>をどうするか?」

<ナプ>とはヤマノミ以外の人間、あるいは人間以下の者を指す最大限の蔑称。シャーマンの怒りは村人の集団ヒステリーを誘発する。質問への答え方によっては命を奪われておかしくない。よくあるテレビ番組のやらせ取材とは緊張感が違う場面が続く。

日本や欧米のモラル、価値観が通用しない。フリーセックスくらいは当たり前で、生死という根源的な部分でも私たちの道徳観が通用しない。たとえば取材班は生まれたばかりの赤ん坊を母親がためらいもなく絞殺する場面にたちあう。生まれた直後の赤ん坊はまだ人間ではなく精霊なので、母親が生かすか死なすかを決めることができる。そのときの経済状態などを考えて、殺して白蟻の餌にすることも日常の一部なのだ。

著者は150日間の共同生活を通して価値観の圧倒的な相対化に衝撃を受ける。これは貴重な体験だと思う。多様性(Diversity)の時代というが、物理空間的にも情報空間的にも人種が混ざってきた現在、白人と黒人、欧米人とアジア人の混在程度ではありふれている。真の多様性を求めようとするならば、これくらい根本的に異なる人たちを呼んでこないと、イノベーションの刺激にならないような気がする。

究極のエキゾチズムを味わえるノンフィクション作品だ。映画になっているのでDVDをこれから鑑賞してみる。

第42回大宅賞、第10回早稲田大学ジャーナリズム大賞受賞。

・エアプレス 0.7mm黒インク【トウメイボディ】 BC-AP20 AirPress
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トンボ鉛筆が開発した圧縮空気の力でインクを押し出す油性ボールペン。速書きや上向き書き、湿った紙への筆記に強い。

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ノック加圧機構によって、ノックするたびに圧縮空気がリフィルへ送られて、インクを加圧する。スケルトンモデルはメカニズムが丸見えで楽しい。丸見えだが仕組みはよくわからないというのも特徴だ。だが、なんだかわからないけれども、ノックすると空気が送られているような感じがするので、高性能で強力に思える。

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一般の事務用ペンより約3割太い直径13.7ミリ。私は本来は太いズングリムックリ型のボールペンは得意ではないのだが、これはとても握りやすくて使いやすい。そして実際に上向きでも書ける。

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スケルトンはインクの残量もわかりやすい。強力なクリップも特長。一本600円と高めの設定だが、「現場」を中心にヒット商品となっているそうだ。

・にゃんこ鍋パズル みけねこ
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ネット動画で流行した『ねこ鍋』のパズル化?。思わず衝動買い。

ばらばらのポーズの子猫6匹をうまく鍋のなかに収める。

フタが閉まったら成功。

不定形な形状の子猫どうしはぴったり合わさるのではなく、すきまもあるので、初見で解くパズル問題としては結構難しい。立体空間の把握能力が必要。

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コツとしては正解の状態を覚えてしまうこと。パーツは6つしかないから特徴的なネコの位置を2つくらい覚えられれば、なんとか完成できるようになる。

正解状態では置物としても使える。応接テーブルの上に置いておく楽しんでもらえるかも。

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・和暦+
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小説なんかを読んでいて、作品中に明治何年とか大正何年とかがでてきたときに、それって今から何十年まえだっけ?と西暦に換算したいことってよくある。

基本的には、和暦と西暦下二桁で

明治 -33
大正 +11
昭和 +25
平成 -12

例:平成23年 23 -12 = 2011年

と計算すればいいらしいのだがこの数字をなかなか憶えていられない。

和暦+は簡単に西暦と和暦の対応を確認するユーティリティー。

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明治、大正、昭和、平成の年号が西暦との対応で表になっている。干支とその年生まれの人の年齢が表示される。よくつかう項目はお気に入り的に登録しておくことができる。

面白いのはこの先も計算できること。平成30年は2018年なのだな。

和暦+ - Makoto Setoh

・Phone用 扇風機 dock fan IPHDOFAN
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iPhone/iPod touchのドックコネクタに挿して使えるポータブル扇風機。

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専用ケースにおさまっている。みせびらかすのによい。

ファン部分はやわらかいウレタン製。

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ファン部分を90度曲げることができるので、持ち方は変えられるのはうれしい。

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実用性としてはファン部分が小さいので風量は小さい。顔に近づけておけば、団扇であおぐ手間が省けるといったレベル。

使っていると絶対に「それなんですか?」と聞かれる。見ればわかると思うのだが、コミュニケーション誘発ツールとしてはかなり有効なデバイスといえる。

気になる連続使用時間だがiPhone4のバッテリー満タン時で最大約6時間の連続送風が可能とのこと。そんなに長時間使っていないので、実際の運転時間は未計測。

これって節電アイテムなのかどうなのか微妙ですが、充電式なのでピークタイムをずらすという効果は若干ある、だろう、たぶん、苦しい?。

・人口負荷社会
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地震予知や景気予測と違って人口動態は、かなり高い精度で未来を予測できることがわかっており、将来展望の基盤である。

少子高齢化の何が問題なのか、"人口オーナス"をキーワードに日本の未来に与える影響を明確にする。人口オーナス(負荷)とは人口の中で働く人の割合が低下することが経済的にマイナスに作用することを指す。プラスの作用を及ぼす人口ボーナスの反対後である。

2005年と2050年では、日本の人口には、

人口総数の減少 1億2800万人 → 9500万人
高齢化の進展  老年人口(65歳以上)の比率が20.2% → 39.6%
少子化の進展  年少人口(0~14歳)の比率が13.8% → 8.6%

という大きな変化がほぼ確実視されている。これまでの人口増加時代に設計された日本の社会保障制度は人口オーナス時代に問題を引き起こす。たとえば年金の破綻はわかりやすい例だ。労働力人口が減って高齢者人口を支えられなくなる。長期的には深刻な労働力不足、資本不足の原因にもなるという。労働力としての女性の社会進出と高齢者の就業率の引き上げなどが必要になる。

特に有効そうに思えるのが女性の社会参加だ。日本女性の経済・社会への参入度合いは国際比較で異常に低いというのは知っていたが「女性の貢献がそのまま現在の経済活動に上積みされると仮定されると、日本の女性がノルウェーやスウェーデン並みに経済活動に参画していけば、日本のGDP、一人当たり所得のレベルは23%も高まる計算になる。女性の経済参画の力は相当大きいのである。」というほどの改善の余地があるとは驚いた。

それから少子高齢化が民主主義を脅かすという著者の指摘は極めて重要だと思った。高齢者が増加することは、選挙民に占める高齢者の比率が高まる「シルバー民主主義」の原因となる。

「日本の投票者の分布は現在すでに大きく高齢者に偏ったものとなっており、その度合いは今後急速に強まることになる。これは人口オーナス期の社会的意思決定を方向付けることになる。 こうした投票者構成の変化によって、政治的意思決定は、勤労世代よりも引退世代の意思が反映されやすくなったり、将来世代への負担の転嫁が行われやすくなったりするだろう。」

未来の世代の意思が無視される民主主義はまずい。少数派でも若者の意思が反映されるように、投票制度などを改めないといけないのだ。多数決の論理でシルバー政策ばかり考えていたら、日本の未来はその先がなくなってしまう。

少子高齢化は日本を追う形でアジア諸国でも急速に進むことが予測される。日本は課題解決の先進国としてモデルを示すことで、再びアジアの経済リーダーのポジションを得ることができるという。いままさに考えるべき重要課題だと改めて強く認識させられる。

・勝負歌 トップアスリート達に勇気と力を与えたパワーソング
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有名なアスリート達20名に試合前や練習中に聞いている"勝負歌"についてインタビューした本。

B'zの「ultra soul」、ハウンド・ドッグ「AMBITIOUS」、ヴァン・ヘイレンのベスト盤などノリノリのアップテンポな楽曲をあげる選手はもちろん多いが、森山直太郎 「生きてることが辛いなら」 竹内まりや 「元気を出して」 平井堅「瞳を閉じて」のようなメッセージの入ったスローテンポを挙げた選手もいた。

登場するアーティストはミスチル、湘南乃風、浜崎あゆみ、マライア・キャリー、レディー・ガガ、MCソラー、マリア・カラスなどJPOP、洋楽、ラップ、クラシックなどジャンルを超えて幅広い。

何を聴いているかだけでなく、どういう聴き方をしているか、がわかるのが面白い。元金メダリストの鈴木大地によれば、水泳選手の場合は、78%の選手が音楽を聴いている。泳ぐ30分前まで聴いて、それを頭の中に流して泳いでいる選手が多いそうだ。イヤホン派が多い。

個人的な思い出が絡んだ曲を選ぶ選手も少なくない。

「「タッチ」は、高校時代、自分がバッターボックスに立つときにブラスバンドに演奏してもらっていた曲なんです。だから、今もこの曲を聴くと初心にかえれるというか、高校時代を思い出して、熱い気持ちがわき起こります。」(プロ野球選手 唐川侑己)

元マラソン選手の千葉真子は走っているとき「ひょっこりひょうたん島」が流れるとノリノリになるとカミングアウトしていて笑えた。感性は人によって大きく違うから、それぞれの勝負歌があるわけだ。ここに登場する20人の中から、自分に近い感性を選ぶと、聴くべき曲も決まるだろう。

アスリートでなくても、大事なプレゼンの前など精神を集中するのに勝負歌はきっと役立つ。

このブログで紹介してきた音楽関連のオモシロ書籍は、一般の本屋ではなくて、楽器や楽譜を販売するヤマハのショップで発掘することが多いのだが、これもなかなかユニークな掘り出し物。

これは面白い。人類普遍の遊びだ。

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JUST HALFは、画面を指でちょうど半分にわけるゲーム。どこまで完全な50%分割に近づけるかが勝負。

1 JUST HALF
指定されたマーカーを通る線で半分にわけよという出題がある。一定の精度で分けてGoodやExcellentがもらえれば次の問題へと進む。しだいにマーカーの数が増えて難しくなる。

2 PERFECT HALF
まっさらな画面を自由に半分に分けて精度を競う

の、ふたつのモードがある。

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妖怪HUNTER

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・妖怪HUNTER
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行えば必ず人死にや神隠しが起こる奇祭 大鳥町の「鬼祭り」が100年ぶりの断絶を経て、村興しのイベントとして現代に再現されることになった。成り行き上、祭りを監修することになった異端の考古学者 稗田礼二郎は視察に訪れた村で、祭りが呼び込む異形のカミと遭遇する。

大御所 諸星大二郎の代表作妖怪ハンターシリーズのなかでも傑作『闇の客人』を、若手漫画家がリメイクした。まったく期待していなかったというか、絶対駄作だと信じていただけに、悪くない出来であり好評価。原作ファンならば、おすすめ(原作未読の人は原作から読むべき)。

あのおどろおどろしい諸星タッチの画風が、新しい漫画化の手による現代劇画風になり、稗田礼二郎がすっかり若返ってイケメン化している。「僕もこのくらいのページ数で描きたかった」と諸星大二郎が帯でつぶやいているように、原作の4倍のページ数で描きなおしているので、物語のディティールが加わったのが魅力。

諸星大二郎の原作を超えることはできていないが、原作を知る読者は、こういうのもありだなあと、かなり楽しめるレベルに達している。

・妖怪ハンター 地の巻
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こちらが『闇の客人を原作本。

・一万年の進化爆発 文明が進化を加速した
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非常に面白い。知的好奇心をかきたてられる。

ヒトの生物的進化は緩慢になったのではなく、むしろ加速している?。

今日のヒトという種は、誕生以後600万年間の平均の100倍のスピードで進化しているという仮説。数万年から数十万年の長さが必要だと考えられてきた、ヒトの大きな進化も、数千年あるいはもっと短い時間で実現されていると著者はいう。進化の加速の前提はヒトが増えて混ざったことだ。

「そのような大きな集団で望ましい変異が広がるには、旧石器時代のような小さな集団で広まるよりもずっと長い時間がかかると思うかもしれない。しかし、有利な対立遺伝子の頻度は、よく混ざり合った集団ではインフルエンザのように時間とともに指数関数的に増大するので、1億人の集団に広まるのには、1万人の集団に広まる時間の2倍しかかからない。」

進化加速の大きな原因は約一万年前に始まった農業であると指摘されている。農業によって人口は爆発的に増加し、食事、病気、社会、長期計画など大きな変化と利益を得た。農耕社会では、求められる性質が狩猟社会とは異なるものになった。いま好ましいとされる心や知能も農業社会がつくりだしたものである。そして利己的で勤勉で禁欲的な人々の割合が、狩猟採集民を急速に駆逐していった。船乗りと酒場で働く女性たち、行商人と農家の娘たちが、最近の人類の進化に重大な役割を演じたという話もある。

著者が提唱する、生物学的な変化が歴史を動かす大きな要素であるという仮説もとても魅力的だ。土地面積に対して高生産性の酪農が広まるには、乳製品を摂取するヒトに乳糖耐性の遺伝子が広まっているという前提が必要だとか、アメリカ大陸をヨーロッパ人が簡単に征服できたのは、先住民が、武力にではなく感染症に対する抵抗力を持っていなかったからだ、など、人類の社会的歴史を生物学的歴史に読み変える。

本当に数百年や数千年でヒトは進化するものなのか?。人類は家畜や作物を大きくつくりかえてきた。たとえばイヌの品種のほとんどはここ数百年で人類がつくりだしたものだ。そもそも野生のイヌなどいなかった。

「イヌは品種によって、学習の速度と能力に著しい差がある。新しい命令を学ぶのに必要な反復の回数は、品種によって10倍以上の開きがある。平均的なボーダーコリーは、5回目の反復で新しい命令を学び、95%の確率で正しく反応できるのに対し、バセットハウンドは、80から100回繰り返し学習させても、正しい反応が得られるのは25%程度である。」

著者は最終章では人類にもアシュケナージ系ユダヤ人(アインシュタイン、ジョン・フォン・ノイマン、リチャード・ファインマンなど科学関連のノーベル賞の4分の1を獲得)の研究を紹介する。ヒトにおいても比較的短い時間で、顕著に能力を獲得することがありえるというのだ。優生学と差別の復活につながりそうな危険性をはらんでいるが、とても説得力がある内容で、ジャレド・ダイアモンドのベストセラー『銃・病原菌・鉄』の如く魅力的な物語が含まれている。

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Facebookで写真を見せることが多くなってきた。

たくさん撮影した写真を全部アップロードしてしまうと、迷惑なことこの上ないので、複数の写真をまとめて一枚にレイアウトする。Photo Messは、標準設定ではコルクボードの上に、写真を無造作にばらまいたかのようなイメージを簡単につくることができる。

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写真の場所、角度、大きさ(拡大縮小)を個別に指定できるが、面倒な場合にはシェイクすると適当な配置を提案してもらえる。無造作におきました感は自動配置がいい。

作成した画像はTwitter、Facebook、「写真共有サービス版のfoursquar」eといわれるteply、メールへと送ることができる。

Photo Mess - kenleewrites.com

iPhone、iPadのオモシロ系アプリ。実用性は使う人の発想力次第だが、プレゼンに活用したらインパクトがありそう。

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情報の階層構造を3Dでグラフィカルに表示するアプリ。入力に対して親子関係、リンク先を指定していく。つくりこむと上のサンプルのように階層的、ネットワーク的に複雑なメニューを作成できる。これが画面を傾けると動く。拡大縮小もできる。楽しい。

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日本語も使うことができる。

各アイテムにはチェックボックスをつけることができるので、ToDo管理に使うこともできるそうだが、わざわざこれでやる人っているのかな。

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Headspace Lite - Flat Black Films

・日本の農業は"風評被害"に負けない
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原発事故の影響で苦境に立たされている農家への取材と風評被害問題の解決の考察。

被災地東北の農家の応援はしたい。だが本当に政府が安全とする放射線の基準値は正しいのか。こどもに食べさせてもまったく問題はないのか。誰が安全を保証してくれるのか。今は悩ましい気持ちで過ごしている消費者が多い。農家に対する信頼不足ではなく、政府の対応に対する信頼不足が原因だ。

放射線がまったく検出されない農作物でありながら、東北の産物だというだけで消費者に敬遠されてしまうとすれば、それは確かに風評被害である。3月22日 茨城県で「イチゴの取引価格が1パック20円に急落」したそうだが、出荷はできても市場での価格がとんでもなく低くなってしまうことも痛い。

この本に登場する農家たちは、

「安全・安心の根拠を作るため、あえて自分の畑を一度潰した」
「出荷先を市場ではなく、直取引にシフトする戦略を取った」
「自ら市場に安全の根拠となる資料を配った」

などの行動をとって、それぞれが風評被害に対処している。個々の安心安全を守ろうとする意識はとても高い。苦境にありながら、消費者には安心安全だといえるものだけを届けたいという信念の人がいっぱいいる。志の高さに感動する。

だが、思わぬ問題もあるのだなと知る。

ある茨城の農家は、風評被害によって通常の相場の10分の1(数十円)にまで値段が下がったトマトを泣く泣く直接市場で売った。どれだけ店舗で安売りされているか確認しにスーパーに行くと驚いたことに売り場では「風評被害に負けるな!茨城県産の野菜を食べよう!」というポップ付きで普段の定価(数百円)で売られていたという。値崩れを防ぐための販売手法なのかもしれないが、数十円で売った立場としては、なんともいえない気持ちで帰ってきたそうだ。風評被害に乗じて不当な利益を得ている業者もいるかもしれないと著者は指摘している。

日本の農業は"風評被害"に負けないという力強いタイトルの通りになってほしいが、問題はいままだ現在進行形である。これを機に直販を多くして経営を安定させる農家もあるかもしれないのがわずかな希望か。いま起きている風評被害の複雑さが印象的なタイムリーな内容の本だった。

・星を継ぐもの
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宇宙SF漫画『2001夜物語』の星野之宣が、あのジェイムズ・P・ホーガンの不朽の名作『星を継ぐもの』を漫画化。深紅の宇宙服を着た人間が月面で発見されて、しかも、死後5万年が経過しているという謎から始まる長編の第1巻。

よいできなので星野ワールド初体験の読者にもおすすめ。大英博物館に大抜擢されて「宗像教授」が開かれて、国際的な名声も高まりつつある漫画家。

大筋は変えないが原作にない要素も盛り込んでおり、往年の小説のファンも楽しめる。もともとシリアスな宇宙SFを得意としてきた星野が、SF文学史上に残る傑作を原作とすることで真骨頂の作品ができあがりつつある。連載完結が楽しみ。アーサー・C・クラーク作品も漫画化しないかなあ。

・星を継ぐもの
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「【星雲賞受賞作】
月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された......。ハードSFの新星が一世を風靡した出世作。」


・PILOTS初期画集成LEGEND ARCHIVES―COMICS
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/06/pilotslegend-archivescomics.html
・宗像教授異考録 12
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/-12-1.html
・私の好きな漫画家たち
http://www.ringolab.com/note/daiya/2003/12/post-46.html

自由の牢獄

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・自由の牢獄
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ミヒャエル・エンデ晩年の傑作寓話短編集。

標題の『自由の牢獄』

若者は悪魔によって神の意思が届かない巨大な円蓋の部屋に閉じ込められる。

そこには111の扉がある。それは地獄に続く扉かもしれないし、神の世界に戻る扉かもしれない。「ひとつの扉を開けば、その刹那に他の扉はすべて永遠に閉じ込められるのだ。やり直しはないぞ。よく選ぶがよい!」と悪魔の声はいう。

部屋は快適でいつの間にか食事や飲み物が現れる。若者は完全な選択の自由を与えられながら、無数の選択肢の中の一つを自分の運命として選びとることができない。やがて若者は、眠って起きるたびに、目の前の扉の数が減っていくことに気がついた。

自由意思とは何か、神の全能性とは何かを象徴的に描写した印象深い作品。これは読者の視点によって幅広く読みとれそうなので、読書会のネタによさそう。

『遠い旅路の目的地』もよかった。

莫大な遺産を相続した孤独な若者は、なんでも手に入れることができる境遇にありながら、故郷というものを持っていなかった。世界中を旅行して故郷を探したが見つからない。ある日、見つけた絵画の中の風景に、若者はどうしようもない郷愁を感じる。若者は、持てる財力と情熱のすべてをかけて、この世に存在しない風景を探し求め、やがて見つけた理想郷の中へと消えていく。

人生において、探すということの意味を読者に問う内容。

ミヒャエル・エンデの、幻想的な寓話と現代的な哲学解釈が光る。眠る前に読むと眠れない。

青空縦書きリーダー
https://chrome.google.com/webstore/detail/jkjlaidhndkfgjhchppdfipigaobmidh

青空文庫は素晴らしいけれど、横書きなのがどうもいけないという、縦書き大好き派におすすめのChrome用プラグイン。インストールして青空文庫の作品のXHTMLページにアクセスすれば、縦書きで表示されるようになる。ページめくりはなくて、マウスホイールで左右にスクロールする。

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早速青空文庫にアクセスですが、震災後になにかと引用される寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやってくる」と「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」の原典を見てみた。

「天災は忘れた頃にやってくる」は寺田の言葉ではないという説もあるが、一応、この『天災と国防』で似たようなことを言っていることは確認できる。

・『天災と国防』
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/card2509.html

「それで、文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を充分に自覚して、そして平生からそれに対する防御策を講じなければならないはずであるのに、それがいっこうにできていないのはどういうわけであるか。そのおもなる原因は、畢竟そういう天災がきわめてまれにしか起こらないで、ちょうど人間が前車の顛覆を忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう」

「ものをこわがらな過ぎたり」の方は浅間山爆発についての随筆にでてくる。原発爆発で引用されたのは的を得ているわけであったか。

・『小爆発二件』
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/card2507.html

・指定した期間の日数を計算する 日数計算くん
http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/personal/se346384.html
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2003年9月3日にブログを開始したのですが、いま何日目だろう?と思うわけです。他にも会社設立してから何日目だろうとか、結婚してから何日目だろうとか、経過日数を知りたいことって結構あります。

日数計算くんは、デスクトップですぐに日数を確認できるWindowsのフリーソフトです。開始日と終了日を入力すれば期間日数と通算年月日を表示します。これだけでも便利なのですが、さらに起算日と加減日数を入れると、たとえば1000日目は何年何月何日のように到達年月日を表示します。

〇周年はわかりやすいですが、何百日目、何千日目を手軽に計算することができて、記念日が増えます。うれしいです。

・○○まであと何日、○○からもう何日を表示するiPhoneアプリ Countdown Calendar
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/12/iphonecountdown-calendar.html

・残り時間をデスクに表示する あなたの寿命まで... 経過時間を表示する なんにち?
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/08/post-815.html

無印良品 ジーンズのラベル素材
http://www.muji.net/store/cmdty/section/S1070125
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無印良品が販売しているジーンズのラベル素材シリーズ。

このラベルは特殊な紙であるらしい。丈夫で耐水性がある。手触りがいい。

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こちらはA4のペーパーホルダー。

私のカバンの中は透明なペーパーホルダーだらけだが、重要な書類はこれに入れておくと区別ができる。プラスティック製と違って長持ちするのもよいところ。

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私のはまだ新しいが、使いこむと味がでていくそうで、ボロボロになっても味がある状態も見てみたい。

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