三丁目の猟奇

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・三丁目の猟奇
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映画『三丁目の夕日』の舞台、昭和30年代の高度経済成長に入った日本。貧しいけれども希望に満ちた時代であったというイメージがあるが、実は経済成長の陰では、猟奇的な事件もいっぱいあったのだという事実を教えてくれる漫画。

銀座弁護士妻子殺人事件。硫酸溶解殺人事件。中一男子誘拐バラバラ・ホルマリン漬け殺人事件。天城山心中事件。饅頭屋夫婦殺人事件。スチュワーデス殺人事件。押しつけ嫁放火殺人事件。高島象山殺人事件。多情妻バラバラ殺人事件。不倫亭主自殺事件。『風流夢譚』嶋中事件。17歳少年切り裂きジャック事件。ロボトミー殺人事件...。15の事件が1話あたり十数ページの漫画で物語られる。

現代と比較すると、昭和の方が犯罪件数も凶悪事件も多かったわけで、猟奇犯罪も"充実"している。バラバラとか硫酸とか犯罪場面はショッキングだ。それから、高島易断の代表が殺されていたとか、『楢山節考』の著者 深沢七郎が右翼に狙われて筆を折ったなど、私の世代では、知られざる事実がいくつもあった。全体としては、絵に描きやすいからかもしれないが、痴情のもつれみたいな、男女関係に起因する殺人事件が多い。

昭和30年代は経済復興と共に科学技術や芸術文化において、あらゆるものが進化した時代であった。

「そして、犯罪もまた、例外ではない。それまでの金と女が大きな犯罪の要因であった時代の名残はまだ残っていたとはいえ、近代的な、理由なき殺人の萌芽があったのは、犯罪を犯す者の"心の進化"といえるだろう。」

猟奇犯罪への女性の進出が目立つ。そして動機が抽象的で複雑な猟奇犯罪の原型が登場したのもこの時期だった。現代に起きても不思議ではない事件も多い。

半世紀前にはなくて、現代にはあるものといえばネット犯罪だ。ネット犯罪は今が草創期で、確実にこれから増えて進化していくだろう。ネットで出会って殺人とか、練炭自殺とかいろいろネット猟奇も増えてきたが、2050年くらいのネット猟奇事件手のは果たして、どんな進化をみせてくれるのであろうか。漫画でしか見たくはないけど。

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このページは、daiyaが2011年1月25日 23:59に書いたブログ記事です。

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