リアル公務員
「多くの人に、わかりやすく伝える。 現実をデフォルメしたマンガが公務員を取り巻く世界の「おかしさ」「哀しさ」「ややこしさ」を伝えてくれればと願っています。」
面白い。
公務員歴10余年の著者が、エッセイと漫画(かたぎりもとこ 画)で職業としての「お役所仕事」のウラオモテを伝える。新卒1年目の純粋で熱意に燃える公務員の水野くんに、ベテラン職員の吉田係長が、公務員としての歩き方を教える。
真面目で9時~5時のツマラナイ仕事だが一生安泰で結婚相手に困らない。「一度決まったことだから」「法律に書いてありますから」「1のリスクに100の準備」で融通がきかない、というのが典型的な公務員のイメージ。確かにそういう面があるけれども、中の人も、実はいろいろと考えてやっているのだということが、しみじみと伝わってくる内容。
国、都道府県、市町村の職員の仕事内容の違い。厳然たる序列の階級社会のルール。なにかと玉虫色のアウトプットになる原因。わかりやすく整理されていて腑に落ちるページが多数。公務員の対極のようなベンチャービジネスの私にとっても、この本はお役所攻略に役立ちそうな情報もいっぱい見つかって役立つ本でもあった。
公務員の内側から見た公務員への改革提言もエッセイには書かれている。多くは民間企業では当たり前の考え方だが、「一度決まったことだから」なかなか難しいのだろうなあ。やっぱり。
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