正しく決める力―「大事なコト」から考え、話し、実行する一番シンプルな方法
・正しく決める力―「大事なコト」から考え、話し、実行する一番シンプルな方法
冒頭で2つの問題が掲げられる。
旭山動物園が大成功した本当の理由は?
ケータイ小説が成功した理由は?
こういうオープンクエスチョンは好きなので、ページをめくる手を止めて、あれこれ考えてみたが、著者の答えはそのどれでもなくて誰もが納得の本質的シンプル回答だった。あれこれじゃだめなのだ。これだというのが本質なのだなと思わせる鮮やかなツカミ。
まず人間は大事かどうかではなく差があるかどうかに目が行ってしまって、大事なコトをとらえそこなうのだ、という。正確さを大切にするエンジニアや、細部に神が宿ると感じるアーティストは、こういう本質思考を苦手とする人が多いと思う。でもマネジメントにはこの本に書かれている大事なコトをとらえる訓練法こそ最重要だ。
ボストンコンサル、アクセンチュア出身でビジネススクール教授をつとめる著者が、長年のコンサルティング経験のエッセンスを
考える = 『重要思考』大事なコトから三段階で考える
議論する = 『Q&A力』大事なコトを問う、答える
実行する = 『喜捨法』捨てることを強制する、楽しくする
という3つの段階で語っている。
大事じゃない枝葉をいかに刈り取るかを教えてもらった気がする。
ビジネスの意思決定では、複雑な物事を簡単明解にする必要があるが、正しいやり方で簡単化しないと誤ってしまう。シンプルな理解は自信にもつながるものだ。
「割と短時間でできる、良いシミュレーションゲームを見つけよう。別に小難しいものじゃなくていい。楽しく「トレードオフ」を学べるはずだ。」として、昔MBA時代に徹夜で遊んだという『信長の野望』を勧める面白い先生でもある。わかりやすくて楽しく読める本だ。
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