読まずに小説書けますか 作家になるための必読ガイド
面白い本は対話の中で記憶の古層から発掘されることって多い。「最近読んだ本で何が一番よかったですか?」なんて漠然と聞かれてもなかなか出てこないのだが、本好き同士であんなのもあるよ、こんなのもあるよとやると、芋づる式に引き出されるものだ。
書評家の岡野宏文氏と豊崎由美氏が小説家になるための必読書を教える対話式ブックナビ。特別ゲストに桜庭一樹氏。
「ファンタジー小説が書きたかったら、得意分野をひとつ持て!」
→ハリポタのJKローリングに学ぶ
「巧みなプロットを立てたかったら、分析する目を持て!」
→「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎に学ぶ
「コミック・ノベルが書きたいなら、自分は笑うな」
→「太陽の塔」の森見登美彦に学ぶ
「うまい比喩を使いたかったら、言葉を知れ」
→「博士の愛した数式」 小川洋子に学ぶ
など、各章では一つの小説のテクニックとお手本になる一人の作家を論じる、はずなのだが、どんどんキーワードが芋づる展開していって、多様な分野の面白そうな本がいっぱいあがってくる。
そもそも岡野氏と豊崎氏は書評家であって、小説家ではないわけだから(書いたことがあるかもしれないがメジャーとはいえないでしょう)、ここにある言葉通りにしても人気作家になれるわけではないと思う。だが、これらの本が人気作家になるために役立たないはずもないように思えて、作家志望の私はとりあえずまた10冊ほど買ってしまった。
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