iPadで教育が変わる
中学受験進学塾の経営者でカリスマ講師の著者が、iPadを早速教育現場で実践してみましたというレポート。自分はITに詳しい人間ではないと最初に白状しているが、実践した経験を生徒の感想と合わせて、良い点も悪い点もオープンにしているところがよかった。仮説や予想ではなく迅速のフィードバック第一波なのだ。
実際にやってみた経験から、
・授業が紙の資料を使った時より早く終わってしまう
・画像や動画で子供たちの理解が進んだ
・子供たちが「紙に書かないとおぼえられない」という意見を出した
・小学校低学年には向かない
・見る、聴くに優れるiPad、書く、読むは課題
・重い紙の教科書を持ち歩かないで済む
などたくさんの事実や判断がでてくる。こどもたちの授業後のアンケート結果も公開されている。教員たちはデジタル教科書導入による負担の増加を不安に思っていたり、それらを使った理想的な授業を思い描けないでいることなどが明かされている。
本書でも紹介されているが、有識者が組織するデジタル教科書教材協議会では、次のような目標を掲げているそうだ。
デジタル教科書・教材の3つの目標と 10 の条件(試案)16
http://ditt.jp/about/aim
■デジタル教科書・教材で実現する3つの目標
全ての子どもに与えよう。
1 どこに住んでいても世界中の知識に触れる機会を。
2 創造力、表現力、コミュニケーション力を育む最高の環境を。
3 友人、先生、家族とつながる手段を。
■デジタル教科書・教材の機材が備えるべき 10 の条件
1 小学一年生が持ち運べるほど軽く、濡らしても、落としても壊れにくい。
2 タッチパネル。
3 8ポイントの文字がしっかり読めて、カラー動画と音楽が楽しめる。
4 無線でインターネットにアクセスできる。
5 学年別に全ての教科書が納まる。
6 作文、計算、お絵かき、動画制作、作曲・演奏ができる。
7 学校でも家庭でも使える。
8 学校でも家庭でも手に入れやすい価格。
9 電池が長持ちする。
10 セキュリティ・プライバシー面で安心して使える。
試案としてだいたいよいのではないかと思うが、本書の内容のように、今は実践とフィードバックで、方向性を探っていくことが大切なように思った。
デジタルハリウッドも参加する
電子書籍を活用した教育スタイル創造研究会
http://blog.study.jp/digitalbook/
という団体もあって、実践とフィードバックで研究している。
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