ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)
・ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)
ベンチャー経営者におすすめの本を聞くと「ローマ人の物語」を挙げる人が多い。私も経営者だし、なかなか手が出なかったけど、そろそろ読んでおくかということで第一巻を読んでみた。いやあ、おもしろいじゃないのって当たり前か。傑作の誉れ高いシリーズ。
ローマの長い歴史には何百人ものリーダーが登場する。そこに共通点はない。頭脳明晰で徳の高いリーダーもいれば愚かな暴君もいる。頭がよくて仕事ができる人、人民を思う良い君主が必ずしも国の運営に成功するわけではないのが現実の歴史だ。どんなリーダーが成功するかは結局、ローマの置かれた状況による。独裁的で好戦的なリーダーが必要な時代もある。国の経営に普遍的な正解はない、それがベンチャー経営者が好きな部分なのかもしれない。
ローマを強くしたのは、実は英雄的なリーダーの力ではなくて文化や風土だったのかもしれない。ローマは伝統的に戦いに敗れた国の住民を奴隷にせずに、対等なローマ市民として迎え入れて、元老院の議席まで与えた。勝者も敗者も共に国づくりをすすめたのだ。「敗者を同化する彼らのやり方くらい、ローマを強大にした要因はなかった」というのはプルタルコスの言葉。企業の合併を連想する言葉でもあるなあ。
ローマについては、
「人間の行動原則の正し手を、
宗教に求めたユダヤ人。
哲学に求めたギリシア人。
法律に求めたローマ人。」
という要約がある。
「宗教は、それを共有しない人との間では効力を発揮しない。だが、法は、価値観を共有しない人との間でも効力を発揮する。いや、共有しない人との間だからこそ必要なのだ。」
最近、経営における企業文化の重要性が見直されているが、価値観とそれを実現する仕組みづくりって組織にとって本当に重要なのだなと思う。まあ、まだ第一巻しか読んでいないので、まとめみたいなことは言えないんですが...。
・ROME[ローマ] コレクターズBOX
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/12/rome-box.html
このドラマも傑作。
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