しおんの王
久々に夢中で読んだ将棋漫画。
幼い時、目の前で両親を惨殺されたショックで口をきけなくなってしまった少女紫音(しおん)は、棋士の家で大切に育てられて、今は女流プロ棋士を目指している。財閥令嬢で名人に弟子入りしている二階堂沙織、賞金稼ぎのため女装してまで将棋を指す斉藤歩などライバルたちとの運命的な出会いから全8巻の幕が開く。
両親を殺した犯人は将棋に縁があるものらしく、棋界で頭角を現した紫音をつけまわし脅迫メッセージを送ってくる。紫音は犯人をみつけるためにも、一生懸命にトーナメントを勝ち進む。紫音の将棋人生と殺人事件の犯人探しが同時進行で進むスリリングな構成。
難しい状況にも明るい顔で果敢に立ち向かう紫音の健気さが最大の魅力。振り返ってみると設定にはやや無理もあるわけだが、脇役含めて、キャラクターの魅力で最後まで引っ張っている。だれずに面白かった。
各話の間に物語内の対局の棋譜解説がついている。作者は実際の将棋の局面をストーリーに反映させているのだ。将棋に対する愛を感じる作品であり、私はこの漫画に感化されて最近、将棋の実況番組を見るようになってしまった。将棋は内面のドラマだ。
テレビアニメ化された人気作品らしい。まだ観ていませんが。
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