ドキドキしちゃう―岡本太郎の"書"
岡本太郎のユニークな書道アート。約40点収録。
「そもそも字と絵の表現は一体のものだった。象形文字のいわれや変遷などをたどらなくとも、無心に楽しんで字を書いていると自然に絵になってしまう」。
今にも文字が動き出しそうだ。
文字であると同時に絵である。
燃え上がる炎のような「喜」
女が男を支える「男女」
小さな「む」が大きな「挑」にまさに挑みかかるような「挑む」
"書"とはいっても、岡本太郎の書は黒の墨一色ではない。太陽の塔みたいに、赤、青、黄色と原色の絵具も使って、字形も大胆に崩した文字である。書画というものとも違う。意味だけでなくて、生命が吹き込まれている象形文字のアート。
作品の多くには岡本太郎の詩のような解説がつけられている。これもいいのだが、読む前にまず書だけを自分なりにじっくりと味わってから、二週目で文章を読むというのがさらによい鑑賞方法だと思う。書のイメージ喚起力が凄いから、付加情報がなくても、それだけで自分なりの解釈を楽しめる。
時間を忘れて見入ってしまう作品集である。
・美の呪力
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/01/izo.html
・岡本太郎 神秘
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004986.html
・今日の芸術―時代を創造するものは誰か
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005051.html
・岡本太郎の遊ぶ心
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005077.html
・岡本太郎の東北
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005167.html
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