寄稿「SDXCで変わる文字情報の富豪的未来」
・TOSHIBA Premiugate UHS-I SDXCメモリーカード64GB SD-E064GUA
いわゆるSDカードの最新規格SDXCは、ハイスピードのメモリアクセスが可能で、規格上の最大容量は2テラバイトもある(この記事執筆時点で市場で販売されているのは最大で64ギガのモデル)。これまでは携帯電話やデジカメのメモリとして裏方で活躍してきたメディアだが、これからはDVDやBlu-Ray、ハードディスクを凌ぐパッケージメディア、ストレージメディアに化ける可能性がある。
ということで、ブロガーが大集合して、SDXCの未来を語り合う場が、AMNさんによって開設された。私は書評ブロガーということで、電子書籍との関わりという視点から、次の記事を書いた。
・SDXCで変わる文字情報の富豪的未来
http://agilemedia.jp/sdxc/book/passion.html
そして、東芝のオフィスで開催されたブロガー座談会イベントにも参加してきた。
私は長い間、MicroSDカードのまわりを樹脂で太らせて、MiniSDカードやSDカードをつくっているのではないかという疑惑をいだいていました。SDの中にはMicroSDカードがまるごと入っているのではないか?というマトリョーシカ人形的な入れ子構造かもしれない、と思っていたのですが、「そういうことはありません、3つは別のつくりです」とのこと。
で、いろいろと考えたこと、上のサイトに書かなかったことをこちらに書いてみる。
SDXCの2テラバイト級が登場すると、こんな変化がありそうだ。
1 データの消去が不要になる
まず2テラバイトなどという超大容量のSDXCカードができたら、メモリ内のデータを消去すると言う必要がなくなる。2テラバイトもあれば、普通の人ならばデジカメ記録メディアとして、一生分の写真を入れることができそうだ。写真は一切消去する必要なくなる。連写もすべて保存しておけばいい。
2 大量に保存しておいてから選ぶ
自分で撮影する動画でも写真でも、映画や音楽のような商業コンテンツでも、まず大量に保存しておいて、観るもの使うものを選ぶ(+必要ならばアクティベートする)というコンテンツの流通が可能になる。
ロックやポピュラー音楽は、10代の頃聴いた20年前の音楽を30代が大人買いして市場を支えている、なんていう人がいるが、昔の音楽は変わらないので、60年代フォーク全部、70年代ロック全部、80年代JPOP全部とか、全部入りパッケージが人気になるかもしれない。
3 それでもまだ足りない?
座談会でSDXCの想定用途として、マルチチューナーのテレビ録画という話があった。たとえばテレビ8つのチャンネルを24時間同時に録画し続けるという使い方。SDXCのハイスピードと大容量を活かす用途なのだが、こうなると2テラバイトでもまだ十分ではない。寄稿記事でも書いたが、やはり、ストレージの不足というのは技術の進歩を、人間の欲望が上回ってしまい、常に不足するというのが、ムーアの法則以上に普遍的な法則なのではないだろうか。
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