REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方
ローレンス・レッシグが語る新しい文化と商業の理想形。
レッシグは2つの文化を定義する。
RW文化 リードライト文化 多数の人たちがプロ・アマともに文化創造に参加する
RO文化 リードオンリー文化 多数の人たちはただプロのコンテンツを消費するだけ
RW文化に象徴的なのは既存のプロの楽曲をアレンジするリミックス音楽だ。リミックスは新たな作品と価値をつくりだす再創造行為だが、現行の著作権法の枠組みでは違法になってしまう。YouTubeやFlickrなどWeb上のユーザー参加型コンテンツも、無断で権利作品を使用したものが多くあって、著作権法的にはアウトと判断されてしまう。
何十年も前の文化や商業の実態に合わせて作られた著作権法が、現代の実態に合わなくなっており、このままでは、大多数の若者たちを犯罪者扱いすることになるし、再創造の文化発展を阻害することになってしまうとして、著作権法の新しいあり方、考え方を提唱する。特にアマチュアの創造に対する規制を緩めよという。
レッシグは、お金を核として価値を作る商業経済と、お金を無視して価値を作る共有経済のリミックス=ハイブリッド経済こそ未来の可能性だと話す。ハイブリッド経済はクレイグリストやFlickrやYoutubeのようなコミュニティ空間、WikiaやSlashdotのように協力してメディアを作り上げる協働空間、あるいはコミュニティそのもののような形をとる。コミュニティによる文化創造と、その基盤を持続可能にする経済活動(多くは企業が担う)が幸福な形で両立するのが未来だという。
「ハイブリッドをつくるあらゆる企業は、ずばり同じ問題に直面する。自分の仕事や期待する利益を、コミュニティを怖がらせない形でどうやって述べるか。「相互ただ乗り」がポイントになるだろう。少なくとも双方にとっての価値がもっと明確にできるのであれば。」
たとえばFlickrやYoutubeでコミュニティの運営企業が丸儲けで、参加者がまるで小作人のような意識になると、このモデルはうまくいかなくなる。参加者に公平だと思われることがハイブリッドのバランスをとるカギになる。新しい経営者、新しいコミュニティーリーダーの資質の再定義が必要になってきたのだと思う。
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