いんちきおもちゃ大図鑑―中国・香港・台湾・韓国のアヤシイ玩具
・いんちきおもちゃ大図鑑―中国・香港・台湾・韓国のアヤシイ玩具
中国、香港、台湾、韓国のアヤシさ満開。アジアを中心に「どこかで見たような」「でもナニかが違う」玩具を集めた写真カタログ本。無版権キャラクターのオンパレード。(一部オリジナル商品も含まれます)。よく出版できたなあと感心、これもひとつの文化だし、記録を残す意義はあるはず。
表紙写真は有名ネコ型ロボットのいんちきで「ColorBear」。
・毒がありそうな紫色のピカチュー
・きかんしゃトーマスに変形するトランスフォーマーもどき
・補助輪付き自転車に乗るウルトラマン
・「Gondom」や「モビルスーシ」「機動戦士マルシア」いんちき日本語
・オレンジ色のジオングに足がついてギャンのシールドを持たせたフィギュア
・木工作ガンダム
など数百種類のコレクションがカラー写真で披露されている。
「俺は「いんちき」と「ニセモノ」は違うと思っている。例えば、日本の人気商品とソックリのコピー商品を造って、メーカーのロゴや証紙までもそのまま再現したようなものは「いんちき」ではなくて「ニセモノ」だよね。」
著者は、盗作ではなくパロディ、嘘じゃなくジョークっぽいものこそ、正当ないんちきだと熱く語る。いんちきには多少なりとも独創性や創造性が必要なのだ。確かにこの本に収録されたいんちき商品は、どれもこれも何かが、ヘンであり、コレジャナイロボ的なのだ。
業者は訴訟回避の目的でオリジナルそっくりを避けるということはあるのだろうが、つくるときに遊び心がもたげて、ついつい、へんな創作要素を入れてしまうという人間の性が根底にあるのじゃないかと思う。
つい30年くらい前までは日本でもこうしたいんちき商品は駄菓子屋や祭りの露天なんかでよく見かけた。子供なりにいんちきはいんちきと認識して、そのヘンさを楽しんでいた気がする。この本のようなアジアの奔放なアヤシさを見ると、実はオリジナルの本物しかない世界ってなんだか堅苦しい気がしてきた。
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