フィールド情報学入門 ―自然観察,社会参加,イノベーションのための情報学
・フィールド情報学入門 ―自然観察,社会参加,イノベーションのための情報学
「本書では、フィールドを「分析的、工学的アプローチが困難で、統制できず、多様なものが共存並立し、予測できない偶発的な出来事が生起し、常に関与することが求められる場(片井 修)と定義する。フィールド情報学はこうしたフィールドで用いられる起源の異なるさまざまな方法を、記述、予測、伝達という情報の視点から集約することを目指している。本書はフィールド情報学を志す初めての教科書である。」
社会科科学のアプローチを使って情報学的に、社会や自然というフィールドを科学する。
・リモートセンシングや地理情報システムで、広域から人々の行動情報を集める
・バイオロギングによって生物の活動を長期的に記録する
・社会をシステムダイナミックスとして記述する
・マルチエージェントシミュレーション
・参加型の観察による分析 エスノグラフィー
など、社会や自然をどう情報としてとらえていくかの研究が多数紹介されています。
ところで私の会社は先週、こんな研究成果のビジネス化の発表をしました。
・Twitter上の「つぶやき」や「プロフィール」からオピニオンリーダーを検知する 『Twitterオピニオンレーダー』を開始
http://www.datasection.co.jp/news/twitter_20100304.pdf
・Twitter上のオピニオンリーダー分析サービス、データセクションが発売(日経ネットマーケティング)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmg/20100304/213157/?ST=nmg_page
今年の私の会社としては、従来の統計と自然言語処理による定量的な分析から、定性的で創造的な「デジタルエスノグラフィー」に取り組むのがテーマです。具体的にはブログやツイッターを分析して、商品開発やプロモーション企画に活かすためのコンサルティングソリューションを展開しています。
こういったテーマに関しての論者として3月9日(火)
情報処理学会創立50周年記念(第72回)全国大会 フィールド情報学セミナー
http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/taikai/72kai/event/17.html
フィールド情報学とは?
http://www.ai.soc.i.kyoto-u.ac.jp/field/
にパネルとして出演することになりました。
橋本 大也(データセクション株式会社 取締役会長)
【パネルにおけるポジション】
データセクションではBlogosphere(ブログ生態系)というフィールドから、データを大規模に収集し、書き手の行動パターンやプロファイルを分析するビジネスインテリジェンスシステムを開発した。日々の書き込みを深く読むことで、消費者のマイクロトレンドを発見したり、オピニオンリーダーの行動を予測することができる。大手広告代理店と連携した"流行創出"事業、保険会社と共同で上場企業の風評リスクを早期に察知する"風評リスク事業"など、フィールド情報分析の事業化に取り組んでいる。
略 歴 1970年生まれ。起業家。データセクション株式会社取締役会長。大学時代にインターネットの可能性に目覚め技術ベンチャーを創業。主な著書に『情報力』『情報考学--WEB時代の羅針盤213冊』『新・データベースメディア戦略。』『アクセスを増やすホームページ革命術』等。(株)早稲田情報技術研究所取締役、(株)日本技芸
取締役、株式会社メタキャスト 取締役、デジタルハリウッド大学准教授、多摩大学大学院経営情報学研究科客員教授等を兼任。
フィールド情報学セミナーではビジネスにおける事例や展望をご紹介する予定です。
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