小説 ファイナルファンタジーXIII エピソード0 -約束-
・小説 ファイナルファンタジーXIII エピソード0 -約束-
大ヒット中のPS3のRPGゲーム ファイナルファンタジー13の書きおろし小説。
FF13はストーリーが第1章、第2章...と小説のように区切られているが、この小説エピソードゼロが描くのは第1章以前の世界。だからこの小説のエピローグはゲームのプロローグに当たる。主要登場人物たちはまだ出会っておらず、共通の"使命"も帯びていない。多くの登場人物たちは最初は平和にそれぞれの人生を生きている。
FF13の開発は、まず舞台となる世界の神話体系を創造することから始まったそうで、厚みのある世界観が確立されている。同じ神話が関連作品としてリリース予定の『アギト』と『ヴェルサス』も共有するそうだ。ゲーム内でも、ストーリーが進行するのに従って、背景情報がテキストで明かされていくのだが、あれだけ膨大な情報をテレビ画面で読むのは面倒だ。登場人物たちの背景だけでなく、モンスターや小物(武器やアクセサリー)、コクーンとパルスについても詳しく書かれている。だから、この小説を読むとプレイ中に曖昧だった部分がすんなりと入ってくるようになる。
私の場合はゲームが第11章まで進んだところで、この小説を読んだが、本編ストーリーの楽しみを損なうようなネタバレはなかった。むしろ、本編ストーリーに深みを与える部分が多い。小説ではモンスターの容姿はわかりにくいので、ゲームをちょっとやってから読むとイメージがわきやすい。結論としては、ゲームと同時進行で読むのがおすすめ。それでゲーム進行が有利になるということは、まったくないのだが。
ノベライズ作品というと文章が低レベルなものも多いのだが、この作品は筆力のある作家がちゃんと書いているため、結構長いのだけれども、飽きずに楽しく読めた。ひとつだけ不満をあげるとすれば、ゲーム内のヴァニラの能天気なブリッコキャラクターは、小説では再現されていないように思えた。ゲームでも浮いているわけだから、まあ、しょうがないのか。
・新春ポッドキャスト 「ツイてる!ポッドキャスト新春2010」3日目 と ファイナルファンタジーXIII
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/2010xiii.html
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