2010年1月アーカイブ
高橋源一郎の明治大学大学院における「言語表現法」講義の書籍化。全13回の授業が学生とのやりとりを含めて収録されている。とてつもない名講義。言葉で語らず、インタラクションで考えさせるという高度な教授法を、毎回繰り出す。
初日、スーザン・ソンタグの「若い読者へのアドバイス」という名文が配られる。死期が近いことを悟った思想家が若者に向けて「心の傾注」という言葉をキーワードに真摯な忠告を短い手紙のように書きつづったものだが、「読み終わったら、その紙から目を上げ、窓の外を眺めてみてください。なんて美しい風景でしょう。このキャンパスのいいところは、こういうものが見られることです。すぐ横に、そんなに美しいものがあるのに、活字ばかり追いかけてはいけません。読んだものは忘れて、見ることに、傾注してください。」と先生。
オバマ大統領の演説、斉藤茂吉のラブレター、しょこたんのブログなど、古今東西の名文を取り上げて読ませる。私は毎回それだけで感動してしまった。読ませた後、その解説講義が始まるのかなと思っていると、この授業では大抵はそうではない。何が大切なのかを考えさせる対話が始まる。考えることが、書くべきことを生みだすのだ。
よく出される宿題もユニークだ。カフカの『変身』と日本国憲法前文を読ませた後に、『変身』の国に憲法があったらどういうものか、次回にみんな書いてこい、と異界の憲法前文を書かせる。一般に詩として認められていないが、あなたが詩だと思うものを集めてきなさいという出題には意外な傑作が日常の中から採取されて集められる。
そして1日だけ休講がある。この日、著者は深刻な人生の困難に見舞われるのだが、それさえも授業の題材として、その次の回で題材に取り上げる。教授と学生の間のライヴな緊張感が伝わってくる。学生から引き出される言葉にも、「本当に君、ただの学生?」と問いたくなるような、名文が飛び出してきたりして、驚きだ。結局、自己や他者との真剣でライヴな対話からこそ、名文も生まれてくるのだと、この授業自体が教えている。
この大学の学生がうらやましい。
・言語表現法講義
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/post-1144.html
・文章をダメにする三つの条件
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/10/post-860.html
・文章は接続詞で決まる
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/10/post-856.html
・文章読本 (三島由紀夫)
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/09/post-837.html
・自家製 文章読本
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/07/post-797.html
・文章のみがき方 - 情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/04/post-737.html
・自己プレゼンの文章術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004915.html
・日本語の作文技術 - 情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/10/post-641.html
・魂の文章術―書くことから始めよう - 情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/05/post-564.html
・「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004702.html
・「書ける人」になるブログ文章教室
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004805.html
・スラスラ書ける!ビジネス文書
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004499.html
・全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004488.html
・相手に伝わる日本語を書く技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003818.html
・大人のための文章教室
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002489.html
・40字要約で仕事はどんどんうまくいく―1日15分で身につく習慣術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002286.html
・分かりやすい文章の技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001598.html
・人の心を動かす文章術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001400.html
・人生の物語を書きたいあなたへ ?回想記・エッセイのための創作教室
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001383.html
・書きあぐねている人のための小説入門
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001082.html
・大人のための文章法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000957.html
・伝わる・揺さぶる!文章を書く
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002952.html
・頭の良くなる「短い、短い」文章術―あなたの文章が「劇的に」変わる!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003740.html
・文化庁海外展 大英博物館帰国記念 「国宝 土偶展」
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6908
開催期間:2009年12月15日(火)~2010年2月21日(日)
東京上野の国立博物館で開催中の「国宝 土偶展」を見てきました(昨年末の話ですが)。国宝級の有名な土偶・土器が勢ぞろいで、縄文造形マニアにはたまらない内容です。裏表がはっきり見られる配置とライティングもよかった。見学時には必ず音声ガイド(日本語のみ、300円)を借りることをお勧めします。展示につけられた対応番号を押すと、音声解説が聞こえるわけですが、これがよくできていて鑑賞の楽しみが倍増します。
・〈文化庁海外展 大英博物館帰国記念「国宝 土偶展」〉音声ガイド
http://www.ca-mus.co.jp/myguide/myguide-dogu.html
なんとこの音声ガイドはサイトから有料でダウンロードしてiPodなどで聴くこともできるそうです。国立博物館進んでますね。これからは先に音声ガイドを聴いて、おもしろそうだったら展示を見に行くという逆転の発想もありかもしれません。
で、この土偶展は大英博物館からの帰国記念なのですが、同様に昨年、英国博物館に展示されたのが、この宗像教授なのです。ついに星野之宣もグローバルにデビューだと長年のファンとして感動しました。
・日本漫画、大英博物館に大抜擢 「宗像教授」展開催へ
http://www.asahi.com/showbiz/manga/TKY200910240185.html
最新刊『宗像教授異考録 12』ではちょうど縄文土器の謎に迫る話が二編収録されています。土偶はなんのために作られたのかはいまもまだ不明のままですが、女神イザナミの神話と結び付けた宗像説、結構説得力ありました。宗像教授を読んでから土偶展へ行くのがおすすめです。
来週木曜(2月4日)夜に、久々のイベント『テレビとネットの近未来カンファレンス』を開催することになりました。
今回は日本印刷技術協会(JAGAT)様との共催ということと、先日のAppleiPadの発表を受けまして、電子書籍についてお詳しい特別ゲストを招いての緊急番外編という位置づけで開催致します。
差し迫った告知で大変恐縮ですが、ご都合があえば是非お越しください!
・開催概要&申し込みフォーム
https://spreadsheets.google.com/viewform?formkey=dFZfS01MbnVVb3J6cGJwQWR1V0RQdEE6MA
※なお、今回のセミナーについては早期に定員が埋まることが予想 されるため、なるべく早いタイミングでの申し込みをお願いします。 (定員に達し次第、受付機能を停止予定です)
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●開催概要
・日時:2010年2月4日(木) 18:00開場、18:30開演、20:00終了予定
・場所:池袋サンシャインシティ文化会館710号室
・参加人数:例年通り100名程度の来場を想定しています(入場無料)
・二次会については今回は特に企画しません
● 進行予定
1)神田敏晶、橋本大也より2010年のトレンド大予想
2)メタキャストからのクロスメディア提言
(TV 視聴+Twitterの現状、Facebook日本上陸によるソーシャルアプリケーションの展望)
3)緊急開催:ディスカッションの部
「アップルタブレット登場でどうなる、電子出版?」
● 登壇予定者
神田敏晶
ビデオジャーナリスト。神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の企画編集とDTPに携わる。その後、 CD-ROMの制作・販売などを経て、1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局KandaNewsNetwork」を運営開始。ビデオカメラ一台で、世界のIT企業や展示会取材に東奔西走中。現在、impress.TVキャスター、関西大学総合情報学部非常勤講師、デジタルハリウッドスクール非常勤講師。2002年4月1日より日本で法人化。世界で初めての"SNS"をテーマにしたIT-BARを渋谷で展開し、現在は世界で初めてのビデオ投稿スタジオを併設した BAR
「BarTube」を展開中!2007年参議院議員選挙東京選挙区無所属で出馬11200票で落選!
橋本大也
データセクション株式会社取締役会長。起業家。株式会社メタキャスト 取締役。大学時代にインターネットの可能性に目覚め技術ベンチャーを創業。主な著書に『情報力』『情報考学--WEB時代の羅針盤 213冊』『新・データベースメディア戦略。』『アクセスを増やすホームページ革命術』等。(株)早稲田情報技術研究所取締役、(株)日本技芸取締役、、デジタルハリウッド大学准教授、多摩大学大学院経営情報学研究科客員教授等を兼任。
山崎隆広
群馬県立女子大学文学部専任講師/株式会社キャスタリア研究員・編集委員。大学卒業後、出版社での書籍編集、企画等の仕事を経て、ニューヨーク支社立ち上げの為、渡米。その後ニューヨーク大学大学院にてメディア論修士号を取得。帰国後は電子書籍ビジネスの企画・編集などに携わる。2009年より現職。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得
井上大輔
1996年、早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。情報システム部門、マサチューセッツ工科大学(MIT)社費留学、IT企画室、新規事業開発室、経営企画室を経て2005年3月同社を退職。同年4月、メタキャスト社設立
※電子出版の部(ディスカッション)については、当日発表の飛び入りゲストも登場予定です
※入場は無料です。申し込みが定員に達し次第、受付を停止致します。
・開催概要&申し込みフォーム
https://spreadsheets.google.com/viewform?formkey=dFZfS01MbnVVb3J6cGJwQWR1V0RQdEE6MA
iPhoneのカメラ関連アプリだけを集めたムック本。食べ物がキレイに撮影できるアプリ、パノラマ撮影ができる簡単にできるアプリ、撮影した画像を加工するアプリ、Flickrなどにアップロードするアプリ、などなど100種類もある。アプリ画面と写真の作例が豊富に掲載されていて選びやすい。紙で出版する意味のある本だなあと思った。
この本のおかげでまたインストール数が10本くらい増えてしまった。なかでも楽しい体験ができたのが、心霊カメラ。撮影した写真の暗い部分に心霊を浮かび上がらせることができるイタズラアプリ。
・心霊カメラ:これぞ夏の風物詩、奇っ怪な写真アプリで遊ぼうぜ!544
http://www.appbank.net/2009/05/22/iphone-application/26803.php
説明はAppbankが詳しい
以下は私の作例。
↑これは鎌倉の八幡宮で夕方に撮影した池の写真。いかにもなかんじで仕上がった。何もコメントをつけずにFlickrにアップしたら、見ず知らずのイタリア人のおじさんから「un bel lavoro 」というコメントをもらった。驚かせちゃったかなと思ったが、翻訳してみたら「いい仕事!」という意味だそうで...。
こちらは表参道にある青山セントグレース大聖堂の写真。ムンクみたいなゆがんだ顔のゴーストは大聖堂にマッチしている。
ホテルの廊下。完全に真っ暗でなくても出る。個人的にはこれが怖いんですけどね。
知識創造のダイナミズムとケースリサーチに基づく経営学の有効性を語った新書。暗黙知をビジネスにおいていかに扱うかが大きなテーマ。
「社会の現実は自然界のそれと違って、現在の判断が未来の現実を作っていく」。だから過去を見るだけでは将来の確実な見通しを作ることはできない。ビジネスは常に状況に依存する。法則が再現しないことが多い。実証的な経営には限界がある。しかし、だからといって闇雲に、場当たり的な解決や試行錯誤に頼るのは非合理だ。そこでこの本の言う総合的に情報を勘案して将来を見通す力=ビジネス・インサイトが重要になる。
「そうそう、そういう商品が欲しかったんだ」という需要創造型の商品・サービスは、市場調査の結果からでは作り出すことができない。それまでになかった新しい価値の創造は演繹でも帰納でもないアブダクションからこそ生まれてくる。
「消費者が、どのようなインサイトをもっているのかを、言葉で質問しても答えは返ってこない。無意識の中で行われがちな生活課題設定と課題解決だからだ。そこに、「オブザベーション」という手法の価値がある(西川英彦2007)。消費者を観察し、それを通じて彼の生活を追体験し、彼の課題を自分の課題として理解・共感できることが必要になる。これは、次の章で言うところの「対象である消費者への棲み込み」にほかならない。そうして初めて、その商品に向けてのインサイトが現われてくる。」
ビジネスインサイトを得るには、消費者を観察し、その生活を追体験し、その課題を自分の課題として理解・共感できることが必要になるという。成功したITベンチャーの創業者がしばしば技術者であり、自分が最初のユーザーとしてサービスを設計していたという事実は、まさに対象への棲みこみの典型例だと思う。
現実の経営者はどこかで見切って跳ぶ必要がある。そのとき有能な経営者は跳躍の先に何かが潜んでいることを感じ取り、しかもそれが経営的努力に見合う「価値ある何か」であることの確信を持っているものだという。なんだか超能力みたいに思えるが、人間の才能の真理を突いた表現であるように思える。多くの道で達人と呼ばれる人は、暗黙知の直観で対象を正確に見極めることができる。経営者でも同じことが言えたっておかしくはないのである。
・「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち
嫌消費とは、1979年から83年までに生まれた(現在20代後半)バブル後世代に強く現れた消費行動パターンのこと。彼らの生活を調べると、収入が十分にあって、さらに増えても、消費を増やさない傾向が顕著に出ている、という。独自の大規模調査により、欲しがらない若者たちの実態を明らかにし、企業が彼らに物を買わせるにはどうすべきか有効な戦略を分析する。
嫌消費世代の62%は独身社会人で、22%は子育て中、14%は既婚子なし、全体の58%は親と同居している。正規雇用は48%。平均年収は300万円未満が62%を占める。ただし、嫌消費傾向が強いのは、中でも300万円~400万円の常時雇用層であり、必ずしもお金がないから物を買えないというロジックでの消費抑制ではない。むしろ彼らは買い物好き、みせびらかし好きという傾向が認められるそうだ。
嫌消費世代が買わないのは3K(自動車、家電、海外旅行)。逆にゲーム、ファッション、食、家具インテリアなど日常性、必需性、ローリスク性の高いモノを積極的に求める。衣・食・住が3種の神器だ。本書後半では彼らの停滞した消費意識に対して需要刺激の方法論を著者は提案している。
劣等感と、上昇志向、他者指向、競走施行が彼らの世代意識だと著者はいう。14歳で阪神大震災、地下鉄サリン、17歳で金融ビッグバンと相次ぐ金融機関の破たん、大学卒業時に就職氷河期を迎えた彼らは、未来に明るい希望を持てない。10歳以降インフレ体験がなかったため、物価はゆるやかに下降するもの、発売後すぐ買うより待った方が得という経験知を体得してしまった。物を売りたい企業にとっては難敵であり、こうした層がさらに拡大していけば、日本経済の発展に影響する。
「嫌消費は、企業や産業に市場の量的な縮小をもたらすが、変革の機会ももたらす。そして製品革新、売り方やマーケティング革新、産業イノベーションによって、過少消費を最適消費へと変えることができる」と著者は前向きなとらえ方も示している。
嫌消費は恋愛市場における「草食男子」に通じるものを感じる。良い悪いというよりは、もはやそういうものなのであり、がんばって肉食を売るのでなくて、洗練された草食食品をつくってうるべきなのだ。彼らに売れるものは外の世界でも通用するものかもしれない。
ところで本屋でこの本をみたとき、嫌消費というネーミングは、著者やこの本の想定読者層(おじさん、おばさん)の消費は美徳という価値意識を表しているなあと思った。「堅消費」とか「賢消費」だったらだいぶ印象が異なっただろう。余暇と浪費の世代と比較したら、彼らのほうが道徳的に(地球環境的にも)まっとうなのだから。
本書は出版社より献本いただきました。ありがとうございます。中身はおもしろかったのですが、この本を献本されちゃう立場というのが、なかなか複雑なのです。精神的にはともかく外見的に脱オタは果たしていると思うのですが...?。どのような意図で献本していただいたのでしょうか、出版社殿。
ええ、ええ、私は確かに大学入学時に"バンダナ"をしていた過去がありますよ。80年代から"マイコン"をいじっていた人なんて、100%オタクだったのですから。"ハイテクシューズ"も大好きで、実は今も土日は履いています。"通勤・通学中の一人観賞会"も通勤電車でiPodで映画観てますが私の勝手でしょ。誰かがジョークを言ったら「ワラワラ」って声に出して言うのは"不自然な言葉遣い"ですが、いけませんか?。結構楽しいと思うのですが、という私見はともかく...。
これはオタクに向けて、脱オタ(モテ化)するためのファッションガイド。"改"がつくぐらいのベストセラー最新バージョン。オタク男子が幼馴染の女の子のアドバイスで洗練されたファッションを身につけていく成長物語。マンガとキーワード解説で構成されている。
バンダナ、ウエストポーチ、ハイテクシューズ、リュックサック、ツータックチノパン、大量ポケット付きベスト、指貫グローブ、十字架アイテムなど、まずこれを外せばオタク臭さが抜けるというバッドアイテムと、とりあえずこれを選んでおけば大丈夫という無難なアイテムが紹介されている。小物や身だしなみ、日常の動作や行動パターンに対する指導もある。かなり実用的。
「勘違いしてはいけないのはオタクだから批判されるのではなく、オタクのイメージが悪いから批判されるという点です。「オタクで何が悪い!」と声を荒げてみても、そのイメージを変えられなければ虚しいだけです。マイナスのイメージをプラスに持ってくる、その一番手軽な方法が「脱オタクファッション」なのです。」
ファッションは学校で教えてもらえない。著者が言うようにオタクっぽい格好はその他の人々を遠ざけるというのは事実だ。この本で救われる若い人って結構いると思う。マンガだし、幼馴染の女の子が話すという形式で、まったくおしつけがましいところがないため、とっつきやすいと思う。
とはいっても、オタク、なかなか自分では買わないんだよね、こういう本は。だから出版社さんは私に好意で送ってくださったのかもしれませんが、私自身はそんなにひどくないと思いますし、もう我が道を行くから結構です。でも、いい本ですね(他人事)。
2009年にこのブログで紹介した小説・創作作品の中から、これは本当によかったと思う本をランキングで1ダース並べてみました。私が2009年中に読んだというのが基準なので、昔に発表された作品もかなり含まれています。
小説に順位をつけるのは難しいのですが、1位は万人におすすめできるということで選びました。URLをクリックすると書評エントリへ、表紙画像をクリックするとアマゾンへ飛びます。
・2008年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/01/2008-3.html
・2007年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/01/2007-5.html
・2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004849.html
■1位 学問
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/12/post-1130.html
テーマは性と生だが、本質はまっすぐな青春小説だ。思春期の性の衝動。「まったくセックスというやつは、どれほど多くの枝葉を携えているものなのでしょう。幸せに喜ばせ合う夜もあれば、怒りを噴出させる昼もある。神聖な儀式にも、しこしこの鍛錬にも配属される。まったく、油断も隙もありゃしない」欲望にときには翻弄されながらも、しっかり自分を持って人を愛することを覚えていく少年少女の成長がまぶしい。欲望の奴隷ではなく、欲望の愛弟子になる。だからそれは学問。
■2位 太陽を曳く馬
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/10/post-1080.html
主人公の刑事 合田雄一郎は、光のビジョンに狂った青年画家の奇妙な殺人事件と、てんかん発作で寺を飛び出し車にひかれた僧侶の死亡事件の不合理を追究していくうちに、裁判過程では決して取り上げられない真理を見出す。事件の調査の枠を超えて僧侶達との禅問答に深入りしていく。現代における宗教とは何か、芸術とは何か、意味と価値を問い直す心身問題、9.11事件、オウム事件以後の日本と世界の変容。
■3位 聖家族
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/01/post-905.html
異なる時代を生きた数十人の登場人物のそれぞれの生き様が、異世界の超越ネットワークを通じて呼応して、大きなうねりを未来につくりだしていくという、作者の壮大な歴史のビジョンに圧倒される。私はこれを読みながら本当に熱を出してしまった。心身準備を整えてから挑戦しないと受け止めきれないくらい、作者の心的エネルギーが注ぎ込まれた魔性の作品である。
■4位 冷たい肌
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/05/post-994.html
解放運動の夢破れた主人公は絶海の孤島での気象観測の仕事に志願する。前任者と交代するべく島に上陸すると、灯台には何かに取り憑かれたような正体不明の男がいた。対話をひたすらに拒む男に主人公は当惑する。そして日が沈んだとき島は、人間ではない異形の何かの襲撃を受ける。死の危険を前にして、二人の生き残りをかけた戦いが始まる。
■5位 花宵道中
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/02/post-936.html
新潮社のR-18文学賞というのは単なる官能系文学賞ではなくて「女による女のための R-18文学賞」である。応募者は女性作家に限定されているだけでなく、下読みレベルから審査員まで選考にかかわるスタッフすべて女性である。男の好みを入れずに、女が感じる官能小説の凄いのが大賞に選ばれる。大賞と別に読者賞があり、その投票も女性限定である。それで本作品は大賞と読者賞ダブル受賞している。女のエロティシズムの極みである。
■6位 デンデラ
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/10/post-1095.html
姥捨て山に捨てられた老婆たちが50人、村の反対側の"デンデラ"で何十年も密かに生き延びて、自分たちを捨てた村への復讐の機会を虎視眈々と狙っていた。新参者の斉藤カユ(70)は、"お山参り"で死に切れなかった自分を情けなく思うのだが、三ツ屋メイ(100)を頂点とする超高齢者コミュニティは、山奥の厳しい生存環境と戦いながら、仲間を増やし、懸命に生き続けることを考えていた。
■7位 ヘヴン
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/12/post-1132.html
いじめにかかわる双方の張りつめた対話が続く。登場人物はいじめる側も、いじめられる側も雄弁に自分の立場を語る。現実にはこれだけ気持ちを整理して話せる少年少女はいないだろうが、その超現実的につきつめたやりとりが、いじめ問題の本質を白日のもと晒す。朝まで生テレビで一晩議論するより、この作品を読んだ方が、いじめとは何かがよくわかるはず。その根の深さにやりきれなくもなるのだが。
■8位 ブロデックの報告書
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/04/post-963.html
ブロデックの立場は国の正史を書く歴史家の立場と同じでもある。正史の書き手は現状の権力関係の正統性を肯定するように、過去を物語化することが求められる。ブロデックは屈辱的な服従の経験を振り返りながら、村の歴史をどう書くべきかを苦悩する。虚偽を書いて村の一員になるか、真実を書いて制裁を受けるか。ミステリー仕立ての作風だが、テーマは重たい。圧倒的な疎外の物語である。
■9位 粘膜人間
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/03/post-948.html
河童が主要登場キャラとしてでてくるが、この妖怪の描き方が昔話や伝説に出てくる河童とかなりずれている。ぐにゃりとした体つきで低知能で兇暴な性格。怒りだしたら何をするかわからない。想定外の要素に満ちた河童。正体がわかっている恐怖よりも、得体の知れないもの、異形のもののほうが底なしに恐ろしい。明らかに人間ではないのに話が通じる(しかし感情や常識は共有していない)ところがこの河童の不気味な怖さの理由なのかもしれない。
■10位 新世界より
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/05/post-983.html
一人の人間がコミュニティを壊滅させる力を潜在的に持っている社会。これって現代社会の縮図なのだと思う。9.11テロを例に出すまでもなく現代人はその気になれば一人で大勢を殺すことができる。飛行機を乗っ取ってビルに激突させる、炭疽菌を送りつける、銃を乱射する。知識や設備があれば爆弾や強力な毒ガスで何万人、何十万人を殺傷することも考えらる。異者との共存、異文化理解、科学と宗教など現代的で重いテーマを幾つも抱えつつも、ミステリあり冒険とパニックあり、恋愛ありと娯楽性もたっぷりに最後までぐいぐい引きつける大作。
■ 11位 やんごとなき読者
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/06/post-1006.html
「「陛下はどんな本がお好きですか?」女王は躊躇した。実を言うと、何が好きなのか自分でもよくわからなかったからだ。昔から読書にはあまり興味がなかった。もちろん人並みに読んではきたが、本を好むなどということは他の人にまかせてきた。それは趣味の範疇であり、趣味をもつのは彼女の性質にふさわしくなかった。」
■12位 1Q84
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/12/post-1140.html
・Simplism Dockコネクター用ネックストラップ TR-DSI
ドックに接続するタイプのネックストラップ。
iPhone用ストラップはいろいろ試したのちに、これに落ちついた。てがすべっての落下と、どこかに置いてきてしまう心配がなくなる。私の場合、iPhoneをスーツのどのポケットに入れたっけ?と3か所も手を突っ込んで探したあげくに、外套のポケットに入れていたことに気がつくということが年中ある。ネックストラップだと万事解決する。
シリコン製ストラップ部分はゴムのように伸縮する。ドックコネクター部分が回転するためねじれない。
私のような中年がiPhoneを首からぶら下げているとかっこ悪い気がするので、iPhone本体はスーツの内側のポケットに収納している。完全に底についている。そうすると懸念事項であるドック接続部分への負担がほぼゼロになるというメリットもある。
アマゾンの購入者レビューを読んでいるとドック部が壊れたという人が何人かいる。2キロまで荷重に耐えられる仕様らしいが、ぶら下げていれば遅かれ早かれ確実に壊れるものだろう。ぶら下げて大丈夫にするにはジャケットと一体化するしかないのではないだろうか。
ドック接続タイプでの不便は、当然のことながら充電する時にははずさねばならないので、充電後に取り付け忘れることが多いということ。
#画面写真はWind OS。
今日のアプリ第500回:エンターテインメント:"あのOS"をソックリに再現したiPhoneアプリ「Wind OS」 - ITmedia +D モバイル
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0912/21/news028.html
昨年末に息子のクリスマスプレゼントとして贈ったのが、この新型DS。我が家にはこれでDS Lite、DSiと3台揃ってしまった。LLは画面サイズが4.2型。DS Liteと比べると画面の面積が93%アップ、DSiと比べると67%アップ。とにかく画面が大きくなりましたが特徴である。
ゲームの迫力が増して、文字が読みやすくなった。DS→DSiのときの小さな変化と比べると、劇的な変化である。大画面化で電池の持ちを心配したが、フル充電で中輝度利用なら9~10時間(DSiは6~9時間)と逆に改善されている。重量は314グラムで、DSiより100グラム重い。
大画面化でWebブラウザー機能はどうなんだろうかと期待したが、画面サイズは大きくなっても解像度が変わらないわけで、情報量という点ではほぼ変化がないのであった。文字が読みやすくなったことは確かである。
このブログを表示させてみた。
上の画面で全体表示、タッチパネルの下画面に拡大表示。
Twitterを表示させるとこんな感じ。
これでブログを読むのはちょっと厳しい、かな。もっさりした操作感覚、読み込みも時間がかかる。
DSのネット接続率はというと、
・株主・投資家向け情報:2010年3月期 第2四半期(中間)決算説明会 質疑応答
http://www.nintendo.co.jp/ir/library/events/091030qa/index.html
「非常にざっくり言いますと、Wiiのネット接続率は35%前後、これは日本国内の数字ですが。それからDSは、恐らくですが20%台です。この間、マクドナルドさんとのニンテンドーゾーンの取り組み等で、実際にお店に行ってDSをネットとつなぐということの敷居を下げる努力をしましたので向上いたしましたが、それでも30%には到達していないと思います。」
ということだが、飽くまでこれはゲームソフトによる接続率。Webブラウザーで一般のWebサイトを見るユーザーというのは、たぶん数パーセントくらいな気がする。DSは飽くまでゲーム端末であって、DSのネット端末化というのは大画面のLLでも、ないなと思った。あまり便利にすると子供がネット上のトラブルに巻き込まれるという心配もあるのだろうし。上述のマクドナルドの接続も一般のWebアクセスには制限がかけられていた。
7万語収録の国語辞書「明鏡国語楽引辞典」を内蔵したのがちょっとうれしい機能。家族で出かけた先で、ちょっと言葉を調べたいときに便利。もちろんタッチペンで手書きができるので、読み方がわからない漢字を調べるのにはパソコン以上に便利。
・明鏡国語楽引辞典
http://www.nintendo.co.jp/ds/dsiware/kd4j/index.html
・小説 ファイナルファンタジーXIII エピソード0 -約束-
大ヒット中のPS3のRPGゲーム ファイナルファンタジー13の書きおろし小説。
FF13はストーリーが第1章、第2章...と小説のように区切られているが、この小説エピソードゼロが描くのは第1章以前の世界。だからこの小説のエピローグはゲームのプロローグに当たる。主要登場人物たちはまだ出会っておらず、共通の"使命"も帯びていない。多くの登場人物たちは最初は平和にそれぞれの人生を生きている。
FF13の開発は、まず舞台となる世界の神話体系を創造することから始まったそうで、厚みのある世界観が確立されている。同じ神話が関連作品としてリリース予定の『アギト』と『ヴェルサス』も共有するそうだ。ゲーム内でも、ストーリーが進行するのに従って、背景情報がテキストで明かされていくのだが、あれだけ膨大な情報をテレビ画面で読むのは面倒だ。登場人物たちの背景だけでなく、モンスターや小物(武器やアクセサリー)、コクーンとパルスについても詳しく書かれている。だから、この小説を読むとプレイ中に曖昧だった部分がすんなりと入ってくるようになる。
私の場合はゲームが第11章まで進んだところで、この小説を読んだが、本編ストーリーの楽しみを損なうようなネタバレはなかった。むしろ、本編ストーリーに深みを与える部分が多い。小説ではモンスターの容姿はわかりにくいので、ゲームをちょっとやってから読むとイメージがわきやすい。結論としては、ゲームと同時進行で読むのがおすすめ。それでゲーム進行が有利になるということは、まったくないのだが。
ノベライズ作品というと文章が低レベルなものも多いのだが、この作品は筆力のある作家がちゃんと書いているため、結構長いのだけれども、飽きずに楽しく読めた。ひとつだけ不満をあげるとすれば、ゲーム内のヴァニラの能天気なブリッコキャラクターは、小説では再現されていないように思えた。ゲームでも浮いているわけだから、まあ、しょうがないのか。
・新春ポッドキャスト 「ツイてる!ポッドキャスト新春2010」3日目 と ファイナルファンタジーXIII
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/2010xiii.html
来る1月29日に「OVALLINK」と株式会社クォンタムアイディの共催で、"立体映像ビジネスの現在と未来"をテーマにしたセミナー&パーティを催します。 大口孝之(おおぐち たかゆき) 吉村司(よしむら つかさ) 古瀬学(こせ まなぶ) 前田 邦宏 日時:2010年1月29日(金曜日)19:00開始 23:00終了予定 ------------------------------ お申し込みは下記よりどうぞ http://quantum-id.com/event/form.php?id=2 備考欄にOVALLINKサイトよりとお書きくだされば幸いです。
「AVATAR」や「カールじいさんの空飛ぶ家」の興行成績が好調で国内でも3D対応の映画館が300館を超えています。
またソニーやパナソニックが3D対応TVの生産に力を入れたり、PS3が3Dコンテンツに対応したりと、映画館のみならず、家庭にも立体映像の波が押し寄せています。
今回はアールテクニカの古瀬学氏に、こういった現況を踏まえながら、業界全体の動向を俯瞰して説明を頂くとともに業界関係者(映像ジャーナリスト・大口孝之氏/ソニー・吉村司氏)との鼎談を行います。
なお会場の都合で今回は定員を30名(先着順)に限らさせて頂きます。
(OVALLINK会員は定員以上でも入場可能ですが、数が多い場合は立ち見になるかもしれません。)
講師紹介 (敬称略)
立体映画研究家 1959年岐阜市生まれ。日本初のCGプロダクションJCGLのディレクター、世界初のカラードーム3D映像「ユニバース2~太陽の響~」のヘッドデザイナーなどを経て、フリーランス映像クリエータ/ジャーナリスト。NHKスペシャル「生命・40億年はるかな旅」のCGでエミー賞受賞。「映画テレビ技術」「CG WORLD」等に執筆。代表的著作「コンピュータ・グラフィックスの歴史」(フィルムアート社)
ソニー株式会社クリエイティブセンター デザインR&D プロデューサー
ソニー株式会社ブランドマネージメント FPO シニアビジネスプロデューサー
株式会社ソニーコンピューターサイエンス研究所 TPO エグゼクティブアドバイザー
慶応大学特別招聘講師(メディア文化論)
三菱電機暖房機営業を経て1985年ソニー入社。事業部の商品企画、マーケティング業務従事後、1998年より自由視点映像の研究開発のマネージメントを行う。現在は新規技術をビジネス化するプロデューサ-。
アールテクニカ有限会社 代表取締役
株式式会社エイガアルライツ 取締役
先端研究集団オーバルリンク 理事
1994年に"音と映像のソフトウェアカンパニー"アールテクニカを創業。放送局・家電メーカーなどの研究開発・製品開発に携わる。
漫画『コブラ』の作者寺沢武一の著作権管理会社エイガアルライツではビデオグラム化&デジタルコンテンツ化を担当。
テクノロジーとクリエイティブの交差点付近で奮闘中。
株式会社クォンタムアイディ代表取締役。株式会社関心空間ファウンダー。東京大学大学院情報学環講師。ウェブ草創期から「見えない関係性の可視化」をテーマにネット上での人と人とのつながり方をデザインし、2001年にその活動を発展させたコミュニティサイト『関心空間』を立ち上げる。趣味や嗜好の共感にもとづくコミュニケーションをウェブ上で生み出すネットワークオーガナイザー。主な受賞に、グッドデザイン賞新領域デザイン部門入賞、日本広告主協会WebクリエーションアウォードWeb人賞。
会場:東京都渋谷区神宮前4丁目19-8 アロープラザ原宿301
URL: http://bit.ly/5GRteQ
会費:5000円
セミナー費用/食事代+1ドリンク
当日、受付にてお支払いください。領収書の発行が可能です。
定員:30名(OVALLINK会員除く)
18:30 開場
19:00-20:45 「40分で分かる立体映像業界」古瀬学
20:45-20:15 夕食 + 立体映像制作フロー紹介
20:15-21:30 「立体映像ビジネスの現在と未来」鼎談
21:30-23:00 懇親会
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非常に面白い。わかりやすい。いい本だ。
日本人の島国根性の本質を「辺境人」としてずばり言い当てる。
「ここではないどこか、外部のどこかに、世界の中心たる「絶対的価値体」がある。それにどうすれば近づけるか、どうすれば遠のくか、もっぱらその距離の意識に基づいて思考と行動が決定されている。そのような人間のことを私は本書ではこれ以後「辺境人」と呼ぼうと思います。」
かつては中国であり、欧米列強であり、今はアメリカあたりが中心になっている。
「私たちに世界標準の制定力がないのは、私たちが発信するメッセージに意味や有用性が不足しているからではありません。「保証人」を外部の上位者につい求めてしまうからです。外部に、「正しさ」を包括的に保証する誰かがいるというのは「弟子」の発想であり、「辺境人」の発想です。」
この本が面白いのは、辺境人だからダメだ、というのではなくて、辺境人の強さもあるという、ポジティブな開き直りのベクトルで書かれているところだ。たとえば「外部に上位文化がある」というロマンは無限の「学び」につながる。どこまでいってもまだまだ上があると思い込んで道を究めていくことができる長所がある、という。
劣等感は個人において成長の糧になるものだが、民族レベルでも文化的劣等感というのはが役割を果たすことがあるのだと思う。著者は敢えて開き直って、それを日本の強みであると論じている。それでいいのだという肯定の本である。
明解な論旨で総論納得なのだが、よく考えてみると、完全に開き直ってしまえば成長もないわけである。この本はベストセラーになったが、グローバル志向の人たちからは、批判も多くあるようだ。結局、一筋縄ではいかなくて「だから日本はダメなんだ」と言い続けるのも日本の強さなのじゃないかなあ。
世界で1000万部を突破したベストセラー。
自閉症の秀才の視点で書かれたという設定のミステリ風小説。主人公のクリストファーは養護学校に通う自閉症児。他者の感情を読み取ることができず、対人プレッシャーがかかるとすぐパニックを起こしてしまう。その一方で数学の能力は飛びぬけていて、もうすぐ大学レベルの上級試験を受けようとしている。
母親は亡くなっており、面倒を見てくれる父親と二人で、閉じられた世界の中で静かに暮らしていた。ある日、隣の家の犬が何者かによって殺されるという事件が起きる。クリストファーはその第一発見者になるが、説明が誤解されて犯人扱いされてしまう。調べに来た警官を殴って警察へ連行されてしまう。
濡れ衣を晴らすというよりも、事件という難解なパズルを解くことに興味を覚えるクリストファーは、犬殺しの犯人を捜すべく、自ら近隣の聞き込みを始めることにした。その捜査はまたトラブルを招き、多くの騒動を巻き起こすが、やがて意外な真実を明らかにする。
健常者は他人が笑ったり、涙を流していれば、直感的に相手の感情を感じることができる。しかし、自閉症の患者は、その表情や態度を客観的にデータとして分析しないと、他人の心理が理解できない。ああ、この人は大きな声を出しているから怒っているのだ、とか、眉毛を上げたということは気に入らないという合図だとか、論理的に感情を推測する必要がある。
すべてが終わった後に事件を振り返って、劇中の主人公のクリストファーが書いた小説ということになっているが、本当は自閉症児とのつきあいが深かった著者が書いたフィクションである。その観察に基づいて不自由な他者認識を完全シミュレートしたのがこの作品なのだ。マイノリティの世界認識では世の中すべてが奇妙なミステリみたいなものだということがよくわかる。
"新潮文庫の100冊"というキャンペーンは文庫本マーケティング史上、もっとも成功した宣伝文句ではないだろうか。10冊でなく、1000冊でもなく、100冊というのがよかった。よりぬきの名著をお手軽に探すなら新潮文庫の100冊(毎年入れ替わるようだが)を当たればいいという感じがするし、全部読破に挑戦する気になる絶妙な数だから(何度か学生時代に挑戦して挫折した記憶が...)。
・新潮文庫の100冊サイト
http://100satsu.com/
この本はその新潮文庫の100冊で20世紀を振り返る。
1901年(明治34年)から2000年(平成12年)まで、新潮文庫になった本から毎年1冊ずつその年の代表作を選出し、あらすじと内容解説、世の中の動きデータを見開きにおさめた。100冊は編集部討議で選び、本書の著者が全部読み直して、内容解説を書いた。この解説文はもともとは「20世紀の100冊」特別カバーに印刷されたものだそうだ。
20世紀の名著選び。これに異論はいくらでもあるだろうが、新潮文庫化されたというフィルターがかかることで、それなりに納得感のある100冊になっている。やっぱり読んでおこうというのが、いくつか見つかったのが収穫。
あくまで100年間を21世紀現在から振り返る企画だ。歴史的な観点から価値の高い100冊とみていいだろう。仮に100年間、その年の1冊を選び続けたら100冊のラインナップはどんなだったのか気になる。
このブログで取り上げた本は2冊あった。朗読者はちょうど映画化されたところ。
・朗読者 ベルンハルト・シュリンク 2000年の1冊
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/08/post-818.html
かつて愛し合った男女が一度もことばを交わすことなくプラトニックな関係を何十年間も続ける。別の人生を歩んだ二人だが、そこには切ることの出来ない絆があった。その関係性は「恋愛」とか「友情」のような、わかりやすい既成の言葉に収まらないものだ。読者の年齢や経験によって多様な解釈が生まれそうだ。
・孔子 井上靖 1989年の1冊
http://www.ringolab.com/note/daiya/2004/11/post-168.html
主人公は孔子ではなく、架空の愛弟子。孔子没後数十年が経過して、孔子の研究会が盛んな時期に、師の教えを弟子が回想する独白形式で小説は進んでいきます。この研究会の成果がやがて「論語」として出版されることになるわけです。執筆時、井上靖は80歳。主人公の弟子が語る孔子観や、孔子の言葉の解釈は、著者自身の解釈でもあるのでしょう。
なお、この「新潮文庫20世紀の100冊」は新潮文庫ではなくてなぜか新潮新書である。
1 iPhoneの落下防止や手探りで発見ができるようにストラップをつけたい
2 いつでもどこでも充電とデータ転送のケーブルを携帯したい
この2つのニーズを同時に満たしてくれるUSBケーブル機能のついたストラップ。
ドックコネクターに接続する。この接続部分にはUSB端子が内蔵されていて、必要な時には引き出して使うことができる。
ストラップ部分の全長が13センチと長めで素材が硬い。これをつけるとポケットに入れるのは難しくなる、USB着脱があまりスムーズとは言えない、という欠点はあった。しかし、値段が安いので、とりあえずコンパクトな持ち歩き用ケーブルとして、使っていけそう。
Amazonサイトでは3Gと表記があったがiPhone 3GSでの充電およびデータ転送も可能だった。
かつて一緒に働いた友人が バリューイノベーション株式会社 という会社を立ち上げたと報告があった。「今度はどんなITサービスをやるの?」と聞こうとしたら、先に「こんなのをつくりました」と言って、名刺入れと財布を差し出された。「abrAsusというブランドです」。ニッポンの技とデザインで、ものづくりをするのだという。
ファッション知識が豊富でブランド論を語るのが好きだった彼は、ニッポンの技術力とデザイン力を掛け算して、いいモノを生み出すことに挑戦するのだという。革製品の加工は熟練工のいる工場とのコラボだが、製品企画から商品デザイン、Webデザイン、販売、広報まで社長がほぼ一人でやっているらしい。前職でも投資分析、Webデザイン、カメラマンと幅広い業務をこなす男だったが、この完成度は超人的だ。
・販売サイト スーパークラシック
http://superclassic.jp/
で、私は昨年にサンプルをもらって以来、abrAsus(アブラサス)ブランドを愛用中。薄い名刺入れと薄い財布、保存するメモ帳と3商品があるがどれも"薄い"+機能性がポイント。
まず一番シンプルな薄い名刺入れを紹介。
片手で名刺入れのサイドを押すと、中の名刺がぐにゃっとポップアップする。収納する名刺の枚数はだいたい10枚から15枚くらい。私は仕事では一度にもっと大量の名刺を配ることが多いので、こちらは個人名刺用のセカンド名刺入れとして使っている。
個人名刺を渡そうとするフランクな関係の相手の前で、
私 相手の目の前で"ぐにゃっ"とするのを見せる
客 「それおもしろいですね」
私 「でしょ。abrAsus(アブラサス)という"超高級"ブランドです」ロゴを見せる
客 「超高級。さすがユダヤ系みたいな名前ですね」
私 「そうです。ユダヤの言葉で「削る」という意味だそうです」
客 「へえ」
私 「でもデザイナーは日本人で、油をさす、とダブルミーニングらしいですけどね」
客 「へえ、へえ」
と、コミュニケーションの潤滑油になる名刺入れである。
レザーだがエラそうではなくて、シンプル、スマート。
名著。文章を磨きたいと考えている人は必読。
著者は、物事に深く感動して書くと力強い文章が書けるとか、物事を完全に理解すればいいものが書けるという常識を否定する。
「どんなに感動が深くても、どんなに苦悩が深くても、それは、それとして、文章がいいことの保証にはならないんです。すごく苦しんだ人がすごく凡庸にすごい苦しみを書く、なんて、文章の世界ではザラです。むしろ、すごく苦しむとそれに囚われちゃいますから、余り、苦しまない人のほうがいいかな、というくらいのことさえ言われているんです。」
感動の重力から自由になれ、いったんその感動は伝達不能と思ってあきらめろ。するとヨソから書く契機がやってくる。それは実は「書けない」という抵抗や、間違いのような、一種の妨害者のようなものだと著者はいう。書けないで苦しむと、自分自身のなかではなくて、外から思いもつかぬ方向からゴミが降ってくる。それにぶちあたっていくべきだと言っている。
「話が、その時のいきおいで、ずれる。ヨットが東に行く風を帆に受け、その風で北に行こうとするときには、バタバタと震えるでしょう。そんなふうに、そういうときの文章は、力を持ちます。」
わかったことを書くだけではメッセージを伝えるメッセンジャーボーイにしかならない。立て板に水では、力のないものになりやすい。「さらに考えて、つぎのわからなさまで到達して、そこから書くことが大事です。」という極意が披露される。
まっすぐに書いても伝わらないテーマもある。社会正義のような主題は真っ向から取り組んでも説教くさくて退屈で読み手に伝わらない。この本では、仕事に貴賎はないというテーマを書く際に、その仕事に誇りを持つ父親を娘の視点からドキュメンタリタッチで書いた記事が取り上げられている。するとテーマが嫌みなく自然にはいってくるのだ。
「「ほんとう」のことは、大事だし、それをめがけてしかヒトは生きられないが、しかし、その「ほんとう」のことは、笑い飛ばされる必要があるのです。そうでないと、「ほんとう」のことは、何ものもこれを否定できない僭主のような存在になってしまうでしょう。それは、「ほんとう」のこと自身の望まないことではないでしょうか。その僭主化をふせぐもの、そこに風穴をあけるものが、僕の考えではフィクションなのです。」
この講義が素晴らしいのは、このような極意を概念的な説明に終わらせず、プロの名文や学生の作例を通して、実物で示してくれるところだ。そして多くの書き手が陥りがちな罠にも警句を鳴らす。
たとえば、終わりに美辞麗句を書くな。著者は学生に作文を読んでこう指摘する。
「皆さんの文章、いつも、終り近くになると改行になるんです。気がついているかどうか、原稿が規定の枚数に近づくと、終了モードに入る。そして、最後、だいたい、「こういう世の中は、早く変えられないといけないと思う」か「明るい明日を信じて、なんとかやっていきたいものだ」か、「そんなことを思って暮らしている今日この頃である」かで終わる。 そして、この「まとめ」が、たとえそれまで個人の声を伝えようとしていても、それを台無しにしてしまう。」」
この本は深い。大学の講義を書籍化したものだが、情報伝達のための文章指導に終わっていない。プロの書き手として読ませる文章を追究している。文章を日々書いている人が上を目指すのために効きそう。ここで駄文を日々書き続けている私なんかは、ページをめくるたびにアイタタタと反省しまくりだ。
・文章をダメにする三つの条件
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/10/post-860.html
・文章は接続詞で決まる
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/10/post-856.html
・文章読本 (三島由紀夫)
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/09/post-837.html
・自家製 文章読本
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/07/post-797.html
・文章のみがき方 - 情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/04/post-737.html
・自己プレゼンの文章術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004915.html
・日本語の作文技術 - 情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/10/post-641.html
・魂の文章術―書くことから始めよう - 情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/05/post-564.html
・「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004702.html
・「書ける人」になるブログ文章教室
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004805.html
・スラスラ書ける!ビジネス文書
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004499.html
・全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004488.html
・相手に伝わる日本語を書く技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003818.html
・大人のための文章教室
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002489.html
・40字要約で仕事はどんどんうまくいく―1日15分で身につく習慣術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002286.html
・分かりやすい文章の技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001598.html
・人の心を動かす文章術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001400.html
・人生の物語を書きたいあなたへ ?回想記・エッセイのための創作教室
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001383.html
・書きあぐねている人のための小説入門
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001082.html
・大人のための文章法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000957.html
・伝わる・揺さぶる!文章を書く
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002952.html
・頭の良くなる「短い、短い」文章術―あなたの文章が「劇的に」変わる!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003740.html
若手研究者による意欲的なグノーシス主義研究書。
2世紀頃のキリスト教異端の一派であるグノーシス主義という思想は、反権威、反伝統の知のかたちとして、しばしば20世紀の思想家によって語られた。おかげで現代のSFやアニメにも広く影響を与えている。最近では、ファイナルファンタジー13は明らかにグノーシス主義の影響を受けている。"悪い創造主"が出てきたらまずグノーシスを疑えである。
グノーシス主義は二重構造が特徴だ。みんなが神様と崇めているのは偽物の劣った神(造物主)であり、本当の至高神は天界の最上部にいる。人間は至高神の性質を受け継いでいるので、やがて叡智とともに神のもとへ帰昇することができると信じた。現体制は偽物で、本物はきっとどこかにあるんだという反権威主義的な発想である。
グノーシスの神話は筋立ても含意もかなり難解であり、こうした研究書を通して、読み解くしかないのだが、本書は「グノーシス主義は、プラトン主義的形而上学、ストア主義的自然学、混淆主義的変身譚を内部に取り込み、それらの要素を縦横に紡ぐことによって物語を構築しながら、同時に、それらすべてに反逆するという「離れ業」をやってのけた」と3つの要素の関係性でグノーシスを解釈していく。この分野では若手の一冊目だそうだが先行研究に対する批判も含む挑戦的な内容。
著者はグノーシス主義に登場する鏡のモチーフに対して、精神分析の理論でアプローチする。そもそもグノーシスとは認識という意味であり、私とは何かという自己認識の問いをを突き詰めていく鏡の思想だ。その鏡の認識と、古代末期の父なる存在の動揺と喪失という時代精神を結び付ける。
「グノーシス主義の思想が示しているのは、自分自身を知るということが、実に終わりのない変転の過程である、ということにあると思われる。鏡を見ることによって自分自身を知ることは、知的な自己同一性を獲得させるものであるとともに、見られる自己の発見、感性的主体の発見、性的主体の発見と同義であり、主体は自己を知ることによって、逆説的にも他者の欲望のネットワークへと常に譲り渡されていく。その過程で「わたしとは何か」という問いに最終的な答えが与えられることはない。また同時に、他者との関わりが完全に安定したものになるということもない。」
グノーシス主義とは何か。この本は同時代の他の宗教や思想との関係性を丁寧に説明していて、その文化的な位置づけの理解を深めることができた。他の研究に対する意見表明もある所からも、グノーシスについて"かじったことはある"レベルの読者を対象にしているようだ。情報量は多い。次の2冊とともにグノーシス一般向け文献としておすすめ。
・グノーシス―古代キリスト教の"異端思想"
http://www.ringolab.com/note/daiya/2005/12/post-325.html
まず一冊目はこれがいいと思う。基本を教えてくれる。
・グノーシスと古代宇宙論
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/04/post-557.html
グノーシスは同時代の宇宙論から理解すると腑に落ちる。
橋本治の小説。
「自分のしていることが無意味でもあるのかもしれないということを、どこかで忠市は理解していた。しかし、その理解を認めてしまったら、一切が瓦解してしまう。遠い以前から、自分の存在は無意味になっていて、無意味になっている自分が必死になって足掻いている─その足掻きを誰からも助けてもらえない。絶望とはただ、誰ともつながらず、誰からも助けられず、ただ独りで無意味の中に足掻く、その苦しさ。」
近隣住民との対話を頑なに拒否するゴミ屋敷の主人の屈折した半生をたどる。
テレビのワイドショーを見ていると、この作品の登場人物のようなゴミ屋敷の老人や、騒音をまき散らすおばさんがテーマになっていることがある。レポーターは本人を追い回すが、ほとんどの場合、意味不明なコメントしか取れない。テレビ的にはそれでいいみたいだ。その奇行に込み入った事情があるより、話が通じず、怒鳴り散らす老人というのが困った問題を象徴していて、絵的にはわかりやすいから。
この作品、戦後を生真面目に生きてきた男のなれの果てがゴミ屋敷の主という、やりきれない話なのだが、テレビと違って、そこには深い事情があるのだということがわかって、すっきりとする。おそらく現実のゴミ屋敷の一つ一つにだって、相当に深いドラマがあるのだろう。それをわかりやすさ追究のテレビ映像では表現できないだけなのだ。
大多数の人間にとっては高度成長と繁栄の時代だった昭和をうまく生きられなかった男の哀しい精神史。興味本位で読ませる出だしと、悲喜こもごもの男の半世紀、しみじみとして泣かせるラスト。とてもよく構成された上質な小説。いいものを読んだ。
ところで一軒家の持ち家を維持できた昭和の狂人は恵まれていたよなあと思う。平成のゴミ屋敷はバーチャルかもしれませんね。私も老後にゴミブログにならないように気をつけよう...。
2010.02.01 阿佐ヶ谷ロフトAで「2010年代の出版を考える」
2010年代の「出版」を考えるの出版を考えるイベントに出演します。
2010年代の「出版」を考える
グーグルの「ブック検索」、アマゾンのキンドル、
アップルのiPhoneや噂されるタブレットなど、
インターネットと結びついた電子出版・電子読書のしくみが登場
するなかで、出版の仕組みは大きく変容しそうな状況を迎えている。
今回は特に、書き手と出版社の仕組みを中心に徹底的に議論。
出版社は意味を持つのか、印税90%化は可能か、
読者を引きつけるコンテンツをどう生み出すのか。
毎日一冊の本を書評し続けるブロガー橋本大也、
文芸評論とフリー編集者として電子書籍を追い続けてきた仲俣暁生、
早くから出版活動のネット展開を手がけてきた
版元ドットコム(157社の連合体)の二人が意見をぶつけあう。
●出演
橋本大也 ブロガー・「情報考学」
仲俣暁生 フリー編集者、「マガジン航」編集人
高島利行 語研・出版営業/版元ドットコム
沢辺均 ポット出版/版元ドットコム
●日時 2010年2月1日(月) 18:30 open/19:30 start
●場所 阿佐ケ谷ロフトA
杉並区阿佐谷南1-36-16ーB1
JR中央線阿佐谷駅南口
パールセンター街徒歩2分
電話:03-5929-3445
●料金 1,500円 前売/当日(共に飲食代別)
●前売チケット
・阿佐ケ谷ロフトAの予約フォーム
・ローソンチケット
で「 2010年代の「出版」を考える 」で検索
・LOFT A電話(03-5929-3445)での受付
このイベントの前哨戦を、現在発売中の月刊ビジネスアスキーの特集記事で、私たちは展開しています。ご興味のある方はご覧ください。
こんなかんじです。Kindle談議や著者9割印税モデルの検討などを話しています。
年始にふさわしい壮大な話を読もうと思って今年はこれにした。
オラフ・ステープルドンの人類20億年未来史。素晴らしい。うっとりした。
20億年後の最後の人類(第18期人類)が、遠い昔の最初の人類である我々に語りかける形式で書かれている。現代の人類はこれから1千万年くらい生きた後に絶滅して、さらに進化した第2期人類の時代に入る。
火星人との接触の記述には思わずうなった。これほど現実的にファーストコンタクトを想像した作家が20世紀初期にいたなんて驚きだ。あまりに異なる生命(空を漂うアメーバのような生物)の様式を持った火星人と地球人は、お互いの高度な知性を認識することができない。その数億年先では第5期人類が別の星の知性と出会うが、このときにも相互理解に失敗する。
最後の人類は振り返ってこう語っている。「しかしこの議論はクラゲや微生物にもあてはまるだろう。入手できる証拠をもとに判断が下されねばならなかった。どのみち人間がその問題に判断を下しうる限り、人間がより高次の存在であるのは間違いなかったのである。」。結局、判断基準を設定するものが高次なのだ。
人類と火星人は相互理解には失敗するものの、第一期人類の細胞に入り込んだミトコンドリア(太古には別の生命体だったといわれる)との関係に似た共生関係に入り、共進化を進めていく。しかしそれもたかたか数千万年の間の人類史の初期の出来事。すべてが終わったところから眺めると、第一期と第二期人類などはさして重要な存在ではなかった。
やがて人類は地球を捨てて宇宙へと飛翔する。自らの種を改造して新しい形態に進化していく。私利私欲を制御して高い精神性を持った人類の時代が訪れる。それでも惑星レベルの危機は数億年単位でやってきて、人類の歴史は思わぬ方向へと展開していく。
すべてが地質学的年代のスケールで描かれるため、この長大な物語に名前を持った登場人物は一人もいない。固有名詞もほぼ出てこない(最初の数章には国名がいくつか出てくるが)。世紀の大事件も20億年の大河においては一滴の水に過ぎない。人類史を大きく変えた大発明も、結局は遠からず誰かがそのうち見つけるのだから、誰が見つけたというのはあまり意味がない話になる。
グーグルアースで自分の自宅近辺の地図から、市や県、国、地域、そして地球、宇宙と表示を拡大していくと、自分の見えている空間はなんてちっぽけなんだろうと思ったりするが、この本は、その遠近スケール体験を極限的に味わうツールである。
ステープルドンが代表作となるこの作品を書いたのは1930年のこと。「エーテル」のように科学的な誤りだとか、実際にはそうはならなかった20世紀の歴史予測が含まれるが、話のスケールがあまりに大きいため、そんな多少の間違いは歴史の流れにまったく関係がない。重要なのは人類の普遍的な性質と宇宙レベルの年代スケールである。想像力の限界に挑んだ歴史的な奇書。
・スターメイカー
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/10/post-470.html
『最後にして最初の人類』の次は宇宙の最後を五千億年のスケールで描くステープルドンの究極「スターメイカー」をおすすめ。
・愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN V シャア・セイラ編
毎年ガンプラとともに一冊ずつ読んでいる愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGINも5冊目(敢えて連載中のガンダムエース誌は読まないことにしている)。ついにアニメでは語られなかった登場人物たちの過去が描かれる部分に突入した。感動的でほとんど泣きそう。安彦良和はやはり天才だ。
ジオン建国の政治的指導者を父に持つ姉妹が、どうして姓の異なるシャア・アズナブルとセイラ・マスになったのか。ガンダムが大地に立つ一昔前の時代が今回の舞台。幼い二人がザビ家との政治抗争に巻き込まれていく悲劇が緻密に展開される。よって今回はアムロらはほとんど登場しない。本編ストーリーはほとんど進まない。
この過去編の脚本の完成度の高さに絶句した。アニメ放映時にはそこまで深く考えられていなかったであろう背景ストーリーが、四半世紀してから精緻化された。後付けでつけられた陰影のはずなのだが、ファーストガンダムの世界に圧倒的な厚みを持たせることに成功している。
過去編によって特に存在感が高まったのが、ランバ・ラルとハモン。ランバ・ラルは「見ておくがいい。戦いに敗れると言う事はこう言うことだ」という最期のセリフ(劇場版)が印象的だったが、その「戦い」というのが、直近の戦闘という意味ではなくて、ラルが10年以上も戦ってきた長い負け戦を指していたんじゃないかな、だとするとあの言葉はなおさら重いなあ、ちゃんと受け止めろよ、ホワイトベースの諸君、なんて思ってしまった。安彦良和は昔から情念を内に秘めた強い女を描くのがうまい。愛人ハモンの人生も泣けた。
ここ数年続いている年末年始のガンダム三昧、自ら気分を盛り上げるために同時購入していたのが、話題のMS動画図鑑。Vol.1はファーストガンダム(+一部のOVA)に登場するすべてのモビルスーツ、モビルアーマーが一体60秒の動画(テレビアニメから)とナレーションで収録されている。
・ガンダム MS動画図鑑 [宇宙世紀]編 Vol.1 [DVD]
要するにモビルスーツのプロモーションクリップ集なのだが、うーん、なんというか、いまひとつ楽しみ方がわからない。ナレーションにも新しい情報はないし単調。せっかくアニメの映像が使えるのだから、もう少し付加価値をつけてほしかったなあと残念に思うが、ときどき自宅作業の環境映像として流している。
・MG 1/100 ゴッグ MSM-03
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/mg-1100-msm03.html
・ラーメンズ・片桐仁のガンプラ戦士ジンダム
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/06/post-1007.html
・ザク大事典 All about ZAKU
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/03/-all-about-zaku.html
・MG 1/100 ズゴック MSM-07と愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV ジャブロー編
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/01/mg-1100-msm07-the-origin-iv.html
・HGUC 1/144 MSM-10 ゾックと機動戦士ガンダムTHE ORIGIN
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/02/hguc-1144-msm10-the-origin.html
・機動戦士ガンダム THE ORIGIN、MGアッガイ、ターゲット イン サイト
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/01/the-originmg.html
・ガンプラ・パッケージアートコレクション
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/08/post-820.html
・俺たちのガンダム・ビジネス
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/11/post-662.html
・ガンダム・モデル進化論
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003091.html
私は毎年、大晦日に紅白歌合戦を見ながらガンプラを作ってきました。
2006年の大晦日が アッガイ
2007年の大晦日が ゾック
2008年の大晦日が ズゴック
そして、
2009年の大晦日は ゴッグ
を作りました。
組み立て時間は3時間くらい。アッガイと同じで爪の数が多いのが面倒そうだなあと予想していましたが、やはり、その部分は単調作業の繰り返しが少々辟易気味。しかし稼動部分が多いので、完成後はポーズの柔軟性が高くて、上腕部に手を収納する有名なポーズも可能ということで、大満足でした。アッガイの体育座り可能化などMGの造形は相当に高レベル。
こうして4年がかりで作り上げた、ジャブロー系水陸両用モビルスーツが勢ぞろいで壮観なのですが、ゾックのスケールが合わないことが惜しまれます。100分の1スケールMG版ゾックを出してほしいと切に願います。
並べてみたらこんな感じです。(ブログがマニアックな雰囲気になってしまいますが)。じゃーん。水陸両用のずんぐりむっくり感にすっかり魅了されていています。
来年作るべきはジムやシャアズゴック、あるいはグラブロ?。深刻に検討中です。宇宙へ出るかもしれません。
そうそう、年末にコンビニで買ったこの本はガンプラ好きにとっては600円の価値はあると思いました。ファーストガンダムのプラモデルを、パッケージと完成品写真に簡単な解説をつけて並べています。おまけで1/288ガンダムというマニアックなアイテムが付属しています。とりあえずおさえておくだけでも意味があると思います。ファンなら。
1/288ガンダムはおまけっぽいディティール感なので、敢えて組み立てないでコレクションすることに。
デジタルハリウッドにご縁のある皆様へ
私が長く教員をしているデジハリが15周年を迎えました。大同窓会を開催します。デジハリを通しては何百人もの人たちと出会いがありました。このブログの読者にも、私とデジハリという場所がきっかけで知り合った人も結構いらっしゃるはずです。
ITに詳しい人が多いので、卒業生MLやソーシャルネットワーク、あるいはツイッターなどで、その後も、おつきあいがつづいている人たちがいっぱいいます。ですが、ネットでバーチャルにつきあいができる時代だからこそ、リアルで会うことは特別な価値があると思っています。これを機会にぜひ現実世界でお会いしたいです。
デジタルハリウッド15周年記念 "Digital Hollywood Reunion"(大同窓会)
http://www.dhw.co.jp/reunion/
この度、デジタルハリウッドでは15周年を記念して大同窓会「Digital Hollywood Reunion」を赤坂BLITZにて開催いたします。当時のクラスメイトや学長・講師との交流はもちろんのこと、当日はみなさんの人脈作りに役立つような交流イベントも予定しておりますので、ビジネスパートナーをお探しの方や自分のスキルを売り込みたい方にもお楽しみ頂けるプログラムとなっております。定員が限られておりますので、是非お早めにご予約ください!
"Digital Hollywood Reunion"(大同窓会)
開催日時:2010年2月17日(水) 19:00~21:00
場所:赤坂BRITZ http://www.tbs.co.jp/blitz/定員:750名
参加費:2000円(フリードリンク)
参加:要予約 (注)定員になり次第受付終了となります。
この小説は傑作なのだが、外山恒一の都知事選の政見放送も今思い返しても傑作だった。
・東京都知事候補 外山恒一 政権放送
「諸君。私は諸君を軽蔑している。
このくだらない国を、そのシステムを、支えてきたのは諸君に他ならないからだ。
正確に言えば、諸君の中の多数派は私の敵だ!
私は、諸君の中の少数派に呼びかけている。
少数派の諸君。今こそ団結し、立ち上がらなければならない。
奴ら多数派はやりたい放題だ!
我々少数派が、いよいよもって生きにくい世の中が作られようとしている!
少数派の諸君。選挙で何かが変わると思ったら大間違いだ!
しょせん選挙なんか、多数派のお祭りにすぎない!
我々少数派にとって、選挙ほどばかばかしいものはない!
多数決で決めれば、多数派が勝つに決まってるじゃないか!」
外山氏の言う多数派というのがマインド的にはこの作品の中の「増大派」に近い。勝ち目がない外山恒一氏は「減少派」の典型サンプルだ。私はつねづね人間は100%、イヌ(タヌキ)系、ネコ(キツネ)系に弁別できるなあと思っていたのだが、増大派と減少派に分けることも可能なのだな。
主人公の少年は片目をつぶって、つぶったほうの目の闇を、見えている目の光景に重ね合わせる。そういう見方で周りの人間を見て、闇が深く見える人は増大派、薄い人は減少派だ。団地に棲みつく妄想凶ホームレスと、父親の暴力に追い込まれた少年の二人の減少派同士の危うい関係が、やがて最悪な感じのカタストロフィーを呼び込んでしまう。
悲壮な話なんだけれど、なんだかふきだしてしまう。自分は減少派だと思っている人にはそんなふうに苦面白い小説である。というか、これを読んで面白いと思う人が減少派なのだ。増大派減少派の診断ツールでもある。
日本ファンタジーのベル大賞受賞
新春ポッドキャスト最終日の5日目は、3人が今年の展望や抱負を語っています。
皆さんにとって今年も良い年になりますように!
プライベートな年賀状を作成するのに、今回はこの折り紙本を使いました。
なんともまったり具合な放送がお正月っぽくてよいではないかと自画自賛中の新春ポッドキャストも4日目。今日のテーマは2009年のお気に入りガジェットについて、です。なぜか全員がヘンな楽器を持ち出したため、Stylophone × オタマトーン × FingerPianoの合奏ということになってしまいました。
私が弾いているのはこのスタイロフォンです。レトロな外観と操作のアナログ感がたまりません。
たつをさんが吹いているのはこのオタマトーン。新婚の奥さんと二人で夜な夜な合奏しているそうですよ。本当にお幸せですね。収録時はいろいろと、とてつもないのろけを披露されてました。あーあー。
この放送の収録後に「もっとiPhoneについて語りたい!」と全員一致したので、3人がお気に入りアプリについて語る「iPhone編」を追加収録しました。たくさんのオモシロアプリが紹介されています。
ツイてる!ポッドキャスト新春2010 - 1月4日 iPhone編
極度の歯痛でなかなか今年のエントリを書けないでいた俺と100冊の成功本の聖幸さんが、やっと登場。詳しくレポートされています。どん底からのスタートですが今年はもはや快方に向かうばかりでツイてます。
『ツイてる!ポッドキャスト!2010』1日目、2日目、3日目
http://blog.zikokeihatu.com/archives/001549.html
なお、iPhoneについては下記のイベント出演を予定しています。ぜひご参加ください。
【開催告知】Feedpath face to face Round Table Vol.2
http://www.feedpath.co.jp/topics/seminar/000543.html
テーマ:橋本大也 × 中山五輪男 エバンジェリストと
iPhoneについて語ろう!
本日も箱根駅伝復路を応援してきました。東洋大強し。
新春ポッドキャスト3日目は、3人のブログで昨年に人気のあったページと昨年売れたものについてコメントしています。
私のブログでは人気記事は
・なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 記憶と時間の心理学
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/05/post-1000.html
・傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/07/post-1028.html
・裸体とはじらいの文化史―文明化の過程の神話
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/09/post-1064.html
・借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/05/-251224.html・セックスと科学のイケない関係
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/05/post-987.html
とかでした。モノ系では、
・24本骨傘 高強度グラスファイバー仕様 【雨宿】 (あまやどり)
です。
で、年末年始はFFにもはまっています。
発売日に買ってからゆっくりとプレイ中。最初の10時間くらいはチュートリアル的な一本道の展開。バトルシステムは超複雑。基本的にプレイヤー以外のパーティメンバーはAIによる全自動なのだが、そのAIパターン(ロールとオプティマ)を選択するのがプレイヤーの役割。
昔のFFやドラクエのように敵と戦い経値値をためてレベルアップするという方式ではない。成長システムはFF10のスフィアボードに似たクリスタリウムというすごろく板みたいなもので行う。敵と戦闘すると蓄積されるCPの分だけ、HP+10だとか魔法習得のようなご褒美が並ぶ盤の上で駒を進めることができる。先頭に夢中になっていると成長をついつい忘れてしまい、ボス戦で負けて仕方なくクリスタリウムを進めるなんていうことも...。
異色なのは宿屋に泊まってHP回復をする、という必要がないこと。HPは戦闘が終了するたびに自動的に全回復する。楽といえば楽。全体的にあまり細かいことを考えなくても進められる。こだわろうと思えば後半でこだわれる部分が大きくなってくるという感じ。
本作のバトルシステムは"ブレイク"という新要素が魅力。プレイヤーたちが短時間に連続攻撃を仕掛けると敵に与えるダメージが倍化していく。タイミングを合わせて連続攻撃を仕掛けるには、オプティマ(戦闘AI)のすばやい切り替えが必要で、ターン制とリアルタイム制の融合した半リアルタイム性の戦闘システムになっている。白熱するから私は結構好きです。勢いで倒す感覚。狙ったとおり決まると気持ち良い。ただし守りに入るとボス戦では非常に長時間化する傾向がある、かな。
「『ファイナルファンタジーXIII』の発売に先駆けてキャラクターや世界観、バトルシステムなどプレイ前に知っておきたい情報を集約し、詳細に解説したスクウェア・エニックス公式のプレビューブック。これからゲームの世界に旅立つプレイヤーに贈る開発スタッフからのメッセージも一挙掲載。『XIII』の発売が待ちきれなくなる一冊!
」
小説『FINAL FANTASY XIII Episode Zero -Promise-』の第一章を収録。プレビューというくらいなので、攻略のための情報量はほぼゼロですが、キャラクター写真集としては大判カラーで楽しめます。
今年もまた例年通り、箱根駅伝を応援に行きました。今年は沿道の応援者がやけに多い気がしました。がんばれー。
新春ポッドキャスト2日目は、3人の昨年のツイてたこと自慢です。たつをさんのお幸せぶりには誰もかなわないわけですが...。誠におめでとうございました。末永くお幸せに。
それから、みなさんお正月休みに時間があったら映画「アバター」を絶対に観にいきましょう。素晴らしいです。はじめてフルCG映画にドラマとして感動しました。青い肌の異星人に感情移入させるキャメロン監督はすごいですね。
年末に観たのですが、パンフレットではなくて公式ガイドを買って、正月に読んでいます。
・アバター 公式完全ガイド
「これは資源開発機構(RDA)・宇宙生物学調査/科学ラボによるデータおよび調査記録にもとづき、衛星パンドラのユニークな生態系に関する資料として編集されたものである。パンドラのエコシステムについて詳述するほか、パンドラ特有の景観を形成する諸生態、すなわち空中に浮かぶ一枚岩「ハレルヤ・マウンテン」やアーチ型の複合岩「ストーンアーチ」などについてのデータを含む極秘資料である。本調査資料にはまた、パンドラに自生する危険な生態を抑制し調査員を守るためにRDAが備蓄する超高度技術・および武器システムに関する極めて機密性の高い詳細データが含まれる。 」
アバターの世界の設定集です。惑星パンドラではなぜマスクが必要なのかの理由、とか、あのマスクはろ過フィルターで水洗いすれば半永久的に使えるのだとか、未来の人類のテクノロジーの詳細もわかります。
あけましておめでとうございます。
今年もみなさんと私が最高にツイてる年でありますように!。
さて、今年も例年通り(5年目!)ブロガー3人+宮本プロデューサのチームで「ツイてる!ポッドキャスト新春2010」を連日放送します。
Passion For The Future 橋本
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俺と百冊の成功本 聖幸さん
http://blog.zikokeihatu.com/
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たつをのChangelog たつをさん
http://nais.to/~yto/clog/
の3人のポッドキャストです。デジハリ大学の教室をスタジオに5日連続の放送予定。第1日目の話題は2009年についていたことを話す、です。だらだらと続くお正月らしさを可能であれば、お楽しみください。