地域の力―食・農・まちづくり

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・地域の力―食・農・まちづくり
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全国で市民と自治体が協力して魅力ある発信を行っている地域を、10か所以上も取材して豊かさの新しいモデルを追究したルポ。料理を彩る「つまもの」として、地元に落ちているもみじや南天の葉っぱを売るビジネスが成功した徳島県上勝町。58年ぶりに路面電車を開業させた富山県富山市。都市農業を広める東京都練馬区と神奈川県横浜市。多様な生き方を可能にする、多様な地域のくらしのモデルが示されている。

地元の声をたくさん紹介している。地域の雰囲気と住民が動くモチベーションの本質がみえてくる。いくつかピックアップしてみると、

「お金じゃないんよ。空いた時間に外へ出たいのもあるし、世の中の役に立ちたいのもあるし、みんなで集まりたいのもあるし。」

「人間にとって出番があることが一番大事。人を元気にするには出番と評価ですよ」

「みんな売上高より順位を気にしてますよ。田舎は隣に負けたくないという気持ちが強いけん。」

「とくに、若い女の子にはパワーとエネルギーがあるから、おっさんはすぐ動くんだよ(笑)」

問題意識や大義名分だけではなかなか人は動かないが、身近なところで楽しいということが重要。地域振興の秘訣としてよく語られる「よそ者、若者、バカ者」の活躍がやはり目立つ。

ここにでてくる地域に共通するのは、

1 地域資源に新たな光を当てて、暮らしに根ざす中小規模の仕事と雇用を発生させた
2 共創型のリーダーの存在
3 IターンとUターンが多い
4 メインの仕事で現金収入を得る傍ら地域の仕事をする人が多い

ということだと著者がまとめている。産業振興より住民のくらしの質を高めようという視点で考えると、結果としては経済的にも上向くみたいだ。

そして地域に根差す多様な地域づくりには、その数だけアイデアが必要である。アイデアマンやデザイナーを今本当に必要としているのは、地域なのだなと思った。

・「ふるさと」の発想―地方の力を活かす
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/09/post-1075.html

・地域情報化 認識と設計
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/05/post-384.html

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このページは、daiyaが2009年11月21日 23:59に書いたブログ記事です。

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