ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」
・ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」
元ライブドア社長ホリエモンと元2ちゃんねる管理人ひろゆきの12時間に及ぶ対談ログ。格差社会、政治、裁判、メディア、お金、ゴルフ、食事、恋愛、IT、教育、AV、風俗から子飼弾まで、大仕事の役割を終えた二人なだけに、もはや気張らず、何事にもあっさり、しかし、ばっさりと片付けていく。
Web進化論の象徴グーグルだって、こんな風に淡泊に料理されてしまう。
「西村 えぇ。サーバー利用コストが安いから強いっていうだけ。
堀江 それで、オバケサーバーでグレップ(テキストファイルから文字列を検索するプログラムの名称)みたいなことやっているだけ。
西村 まぁ、グーグルは、プロモーションが巧いですけどね。ほら、非営利企業っぽく見せるのが得意ですからね。」
かつて時代を席巻した梅田望夫氏のWeb進化論では、グーグルは超絶テクノロジー企業のように語られていたが、元プログラマの二人からするとグーグルの成功要因は「サーバーを置く土地代が安かったから」「サーバーのオバケを確保できたから」と簡潔に核心を突く。
ひろゆき氏はやる気がない様を装うのが好きであるが、随所で斬新な物の見方を披露するため、過激派であることがときどきバレしてしまう。そういうところが好きだな。
「西村 僕も変わった人は残した方がいいと思っている派なんですよ。極端な話、麻原彰晃って人には何千人という兵隊を作る能力があったわけですよね。あれ戦国武将だったら結構有名になっていたと思うんですよ。今の時代、そこまでカリスマ性を持っていて、人をコントロールできる人物って少ないじゃないですか。やったことは絶対に肯定できないですけど、見方によっては、学べる部分もあると思うんですよ。」
メディア慣れしている二人だけに、長丁場の対談でも基本的にボロは出ないのだが(編集もかかっているだろうし)、恋愛とか人生観みたいなところでは、根底にあるルサンチマンやコンプレクスが見え隠れするのが読み所。
「堀江 俺は自分の経験があるから、そういう隔離するルートを絶対作って欲しいと思うわけ。なんで、つまらない勉強をする田舎の小学校に行かなきゃいけなかったんだ、って思うからさ。」や「西村 教育のそもそもの目的って、上の人たちが命令したことを速やかに実行する部隊を作ることじゃないですか。」。日本の教育や社会の中で規格外の生き辛さを感じているようだ。
本書は全体的に、能力と自信があったが故に獣道を歩いてきた二人が、大衆が通る一般道の在り方を語っているズレも感じる。だが獣道もたくさんの獣が通れば太くなって一般道になるわけで、二人とも政治家になって政策としてやってみたら面白いんじゃないかと思う。政治の風向きも少しずつ変わってきているわけであるし。
・徹底抗戦(堀江貴文著)、本人 vol.09(西村博之特集)
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/03/-vol09.html
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