『終わらない夜』と『真昼の夢』
「想像してごらん。誰もいない廊下の奥から不思議な電車がやってきて、あなたを冒険の旅へつれだしてしまう、そんな夜を...。カナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスがえがく、眠りとめざめのあいだの時間。想像力にみちたイラストレーションが、見るものを奇妙な世界へさそいこむ。 」
「想像してごらん。本をひらくと音もなくみたこともない風景があなたをまねく、そんな日を...。カナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスがえがく、眠りとめざめのあいだの時間。想像力にみちたトラストレーションが、見るものを奇妙な世界へさそいこむ。 」
傑作のだまし絵の絵本を2冊。カナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスの絵に、作家セーラ・L・トムソンが詩を添えたシリーズ、昼の部と夜の部。ともにだまし絵を解体する楽しみと、幻想美を味わう楽しみ、両方がたっぷり味わえる。
人間の意識が把握できる範囲というのはすごく狭いんだなと気がついた。部分単位では整合していても、全体では矛盾している不思議。近視眼的に物を見せるのがだましの常套手段だ。
そして色彩や質感が連続させて、構造的に無理のある部分も、自然につながっているように見せるテクニック。小さな物を大きく、大きな物を小さく見せる遠近法の逆用など、この絵はなぜこう見えてしまうんだろう?と推理する時間がとにかく楽しい。
大人にとっても鑑賞価値のあるだまし絵絵本として私はこの2冊がナンバー1だと思う。
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