無趣味のすすめ
薄いけれどもぐっとくる。村上龍の箴言集。感銘した箇所を3カ所コメント付きで紹介。
3位
「現在まわりに溢れている「趣味」は、必ずその人が属す共同体の内部にあり、洗練されていて、極めて完全なものだ。考え方や生き方をリアルに考え直し、ときには変えてしまうというようなものではない。だから趣味の世界には、自分を脅かすものがない代わりに、人生を揺るがすような出会いも発見もない。」
何事も真剣にやったらプロになる。趣味の世界に本物はないということ。昨日、友人に橋本さんの趣味って?と聞かれ「ブログ...」と答えてしまったが、いいんですよ、私はプロのブロガーになるんだから。出会いも発見もあります。
2位
「「好き」は理性ではなくエモーショナルな部分に依存する。だからたいていの場合、本当に「好きなこと」「好きなモノ」「好きな人」に関して、わたしたちは他人に説明できない。なぜ好きなの?どう好きなの?と聞かれても、うまく答えられないのだ。「好き」が脳の深部から涌いてくるもので、その説明を担当するのは理性なので、そこに本来的なギャップが生まれるからだが、逆に他人にわかりやすく説明できるような「好き」は、案外どうでもいい場合が多い。」
本当に好きなことを他人にわかりやすく説明しようとすると、何かがこぼれ落ちるというのは誰しも体験することだと思う。要素に還元できるような単純なつながりではなくて、自分自身の内面から引きはがせないくらい魂につながった何かが情熱の素なのだなあ。
1位
「問題はメモを取る行為そのものではなく、メモを取らなければいけないほど重要な情報に常に飢えているかどうかだ。」
その通りで、情報に飢えている人こそ『情報力』の高い人なのだと思う。情報飽食の時代にあって人は飢えることの方が難しいのだ。飢えているからこそ咀嚼して意味を見出すことができるのだし、ツールの達人にもなるのだと思う。
村上龍は村上春樹と間違われることがあるらしいが、私は断然龍のファンだなあ。特にこの手の箴言に刺さる言葉が多い。
・「個」を見つめるダイアローグ
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/05/post-391.html
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 無趣味のすすめ
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.ringolab.com/mt/mt-tb.cgi/2544