J. W. Waterhouse
前から気になっていたラファエル前派の画家J.W.ウォーターハウスの画集を買った。実はここ数年で注目されている?。大型本、洋書。日本語版もあるが、洋書とサイズはほぼ同じでありながら、値段がかなり高いので、絵の鑑賞ならばこのオリジナルで十分である。そもそも文字が多すぎて、日本語だと鑑賞の邪魔になる気がする。
ウォーターハウスは妖艶で官能的な女性の美しさを描くことで知られる。ヘラクレスの使者のヒュラスを水の妖精達が誘惑する『Hylas and the Nymphs』などは特徴的である。そしてこの美少女達の誘惑に負けたヒュラスは水にに引き込まれて果てる運命にある。実は怖い美少女達なのである。
画集を繰り返し見ていて、ウォーターハウスの絵に登場する女性に共通する点があるように思えたので、絵のどこに魅了されるのかを言語化してみることにした。
・上目遣い
・凝視する瞳
・色白の肌
・赤い唇
・半開きの口
・髪をいじる
・後ろ髪を両手でかきあげる姿勢
・上気した頬
・少女体型
・手に持った物を両手で差し出す姿勢
・ひざまづく姿勢
・薄手のワンピース
・水辺のシチュエーション
こうした要素が、無防備で可憐な少女のイメージを強調しているのだ。だが、ただ蠱惑的なだけでなくて、そうした魅力で水底に引き込むような暗さ、怖さも感じさせるのがウォーターハウスの絵の魅力だなあと思う。
ウォーターハウスが面白いのはこの画家の生年は 1849-1917。中世の絵のようにも見えるが、実は現代の作家だと言うこと。であるが故に当時は復古趣味というか時代遅れな画風だとも評されていたらしい。
・Wikipediaの解説
http://commons.wikimedia.org/wiki/John_William_Waterhouse
・J.W.Waterhouse オフィシャルサイト
http://www.johnwilliamwaterhouse.com/home/
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